第30回
日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会

 

日 時:平成24年2月4日(土)10:00〜

場 所:大正製薬株式会社 名古屋支店
     名古屋市千種区千種2-17-18   TEL:(052)733-8112
    (地下鉄桜通線:吹上駅下車徒歩12分,JR中央線:鶴舞駅下車15分)
    (全館禁煙のためご協力願います)

◎発表時間:発表6分(発表時間を厳守してください),質疑3分.

◎当日,会場にて下記受付をいたします.

  1. 発表形式はPCによるプレゼンテーションのみとします.

    [Windowsで動画の無い場合] Windows で作成された発表データはCD-RW,USBでのデータ持ち込みはコンピューターウイルスの感染リスクがある為,CD-Rでのファイル提出を推奨します.発表40分前には受付に提出してください.ソフトはPower Pointで作成してください.ファイル形式は,Power Point 2003 for Windows でお願いします.
    [Windowsで動画のある場合] ご自分のPCをお持ち込み下さい.コンセント用電源アダプタをご用意ください.
    [Macintoshの場合] ご自分のPCをお持ち込み下さい.出力端子接続アダプタおよびコンセント用電源アダプタをご用意ください.
2)演題抄録(A4サイズ1枚に収まるようにワープロにて400字以内の抄録,3語以内のkey wordsをつけてください)をご提出ください.

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について
1)本地方会参加により10単位が認定されます.
2)本地方会の筆頭演者は10単位が履修できます.
 

当番幹事:水野雅康 
    〒462-0804愛知県名古屋市北区上飯田南町3-92-2
       みずのリハビリクリニック   
      TEL:052-917-8008/ FAX:052-917-8885
       E-mail:mamizuno@qb3.so-net.ne.jp 

 


地方会
一般演題 10:00-12:15 受付開始9:30

 

 

座長:介護老人保健施設ルミナス大府 長屋政博

1.ラットにおける肝細胞増殖因子の筋萎縮と運動負荷との関係
—血清と血漿のちがいー
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学II講座
2藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所生化学研究部門
3独立行政法人国立長寿医療研究センター病院機能回復診療部
4藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座
1岡崎英人,2別府秀彦,2水谷謙明,2山口久美子,3近藤和泉,4才藤栄一, 1園田 茂
 肝細胞増殖因子(HGF:hepatocyte growth factor)は細胞分裂に関わる因子であり,筋増殖の治療応用も検討されている.今回,HGFと廃用性筋萎縮,その後の筋力増強が血液中のHGFに反映されるか筋萎縮モデルラットで調べた.SD系ラット(40匹,15週 齢,全例雌)を用い,萎縮群とコントロール群に分け萎縮後に3つの運動群に分け,それぞれの群の左ヒラメ筋質重量,血漿HGF,血清HGF,左ヒラメ筋HGFを測定し若干の知見を得たので報告する.

 

2.当院における脳卒中片麻痺症例に対する経頭蓋直流電気刺激の試み
みずのリハビリクリニック
水野雅康

 【対象・方法】脳卒中片麻痺症例17例(61.2±10.7歳,男性10例,女性7例,平均罹病期間347.9±290.0日)に対し,運動麻痺と異常感覚の改善を目的に,経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation:tDCS)を実施し,その効果を検討した.【結果・考察】14例(82.4%)に自覚症状の改善を含め何らかの効果を認めた.また,有害事象は認められなかった.tDCSは経頭蓋磁気刺激に比較し,刺激装置が安価,小型であり,今後さらなる臨床場面での応用が期待される.


3.脳卒中によって遷延性意識障害を来した患者の装具療法
    —MSH-KAFOの使用経験—
1輝山会記念病院 
2独立行政法人国立長寿医療研究センター
1清水康裕,1加藤譲司,1原 修,2近藤和泉

 脳卒中後の遷延性意識障害を来す患者は,機能障害が重度で,ADLが全介助であることが多い.このような患者に対して我々は,難易度のコントロール目的で,内側股継手付き長下肢装具(MSH-KAFO with Primewalk)を使用している.これにより立位・歩行訓練の介助が容易となる.今回,この装具を作製した患者6名の臨床経過と装具療法の考察を加え報告する.

 

4.児童福祉法改正による肢体不自由児施設への影響
信濃医療福祉センター
朝貝芳美
 障害者自立支援法が廃案となり,平成25年8月には総合福祉法(仮称)が実施されることになっているが,平成24年4月1日からはいわゆる「つなぎ法」が実施され,児童福祉法の一部改正で,障害種別毎に実施されてきた障害児の「通所・入所」支援は,「一元化」され,「福祉型」と「医療型」の通所・入所支援に大別されることになった.肢体不自由児施設の影響について報告する. 

5.施設入所者における転倒リスクの検討
1介護老人保健施設ルミナス大府
2あいちリハビリテーション病院
3東御市立みまき診療所整形外科
4国立長寿医療研究センター整形外科
5あさひ病院
1長屋政博,2中澤 信,3奥泉宏康,4原田 敦,5猪田邦雄

 【目的】介護施設に入所している高齢女性におけるヒッププロテクターによる大腿骨頸部骨折予防に関する無作為化比較試験の結果を報告する.【対象および方法】対象は,介護施設入所の介助車椅子レベル以上の高齢女性で,55施設,551名である.硬性プロテクター群142名,軟性プロテクター群148名,コントロール群261名,追跡期間は277日である.【結果および考察】大腿骨頸部骨折リスクに関して,ヒッププロテクター2群をまとめてコントロールと比較すると,大腿骨頸部骨折に限れば,オッズ比は0.27と有意な有効性が示された.


座長:藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座 加賀谷 斉

6.当院における膝関節離断の治療経験
安城更生病院整形外科
杉浦文昭

 膝関節離断は切断部位の問題や義足の製作面での困難さで価値が少ない切断と考えられてきたが,義足の進歩により優れた切断の1つと考えられるようになった.
2004年以降当院では膝関節離断症例を8例経験した.外傷4例, 他4例.比較となるのは大腿切断だが,膝離断は大腿切断と比べ機能的価値は高いと思われ,特に外傷症例での適応は高いと思われた.外傷症例を中心に症例を供覧しながら検討する.

 

7.脳梗塞後に健側下腿切断をした重複障害者が自宅復帰できた一例
浜松医科大学リハビリテーション科
鈴木麻美,安田千里,赤津嘉樹,美津島 隆

 脳梗塞後に健側下腿切断をした患者がひとり暮らしの自宅復帰できたので報告する.
症例は,59歳男性.脳梗塞(右片麻痺),糖尿病,腎不全(透析導入中)で加療中に,閉塞性動脈硬化症(ASO)により左下肢(健側)を下腿(B/K)切断した.術前は,電動車椅子にて座位まで自立,立位は全介助であった.術後,切断肢にPTB義足処方,PT/OT介入,訪問指導を行った.結果,立位動作が自立し,車いすの移乗動作が可能となり自宅復帰を果たした.

 

8.非弁膜症性心房細動患者(NVAF)のリスクと抗凝固療法の現状
  〜回復期リハビリテーション病棟での検討〜
1医療法人社団友愛会岩砂病院リハビリテーション科 
2医療法人社団友愛会岩砂病院内科
1森 憲司,2岩砂三平

 非弁膜症性心房細動患者(NVAF)の血栓症予防のための治療は大変重要である.今回,当院回復期リハビリテーション病棟におけるNVAFの脳卒中リスクについてCHADS2スコアを用いて後方視的に調査した.また一部の症例についてワルファリンコントロールの現状についても検証したので,若干の文献的考察を加えて報告する.


9.痙縮治療における神経刺激装置「クラヴィス®」の使用経験
1国立病院機構東名古屋病院脳神経外科
2国立病院機構東名古屋病院リハビリテーション部
1,2竹内裕喜,2小川智之,2神納雅也

 「脳卒中ガイドライン 2009」でグレード A に推奨されているボツリヌス療法は 2010 年 10月に上・下肢痙縮に対しての A 型ボツリヌス毒素の使用が認可されて以来,多く行われるようになった.痙縮筋に対しての A 型ボツリヌス毒素施注はフェノールブロックに比べ手技が容易になったものの施注量は制限されており,十分な治療効果を得るためには確実な注入手技が必須となる.最近国内販売となった神経刺激装置「クラヴィス®」は専用付属品ボジェクトニードル®と組み合わせて使用することにより少量の製剤を正確に目的筋に注入することが可能となった.今回本機器の使用経験を報告する.

 

10.痙縮測定装置の開発と測定の試み
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学U講座
2藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所リハビリテーション研究部門
1前田寛文,1岡崎英人,2富田 豊,1岡本さやか,1水野志保,1成田 渉, 1尾崎幸恵,1園田 茂

 上位ニューロン障害により生じる痙縮は,残存する随意運動を阻害し,歩行やADLを困難にする.そのため痙縮をコントロールすることはリハビリテーションの重要な課題であり,現在様々な治療法が確立されている.一方,治療効果の判定においては,痙縮の客観的な定量的評価法は確立されていないのが現状である.そこで我々は筋トルクに着目した痙縮測定装置を開発し,下腿の痙縮測定を試みたのでこれを報告する.


座長:名古屋市総合リハビリテーションセンター 小川鉄男

11脳梗塞病型別にみた回復期リハビリテーション成績の検討(4年間のまとめ)
1愛生会上飯田リハビリテーション病院
2名古屋大学医学部神経内科
3みずのリハビリクリニック
1,2千田 譲,1,2鈴木淳一郎,1,2荒木 周,1伊東慶一,1大島祐之,1加納浩一,
1小竹伴照,1岸本秀雄,3水野雅康,2祖父江 元

 当院入院脳梗塞361例に対し入退院時の重症度・各種スコア(FIM-g・FIM-e)を検討した.重症度 はラクナ梗塞群で入院時,退院時共に有意に軽症であった(p<0.01)他は脳梗塞群間で有意差は認めなかった.動脈原性塞栓群はラクナ梗塞群・アテローム血栓性梗塞群に比べFIM-e・FIM-gが低い傾向にあった.この群は脳MRI白質病変が強い傾向で,その程度が退院時ADL に影響を与えていた.

 

12当院におけるがんのリハビリテーションーがん患者リハビリテーション料算定前後の比較—
1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院リハビリテーション科
2藤田保健衛生大学リハビリテーション医学T講座
3藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院リハビリテーション部
4藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院外科
1,2青柳陽一郎,1,2小野木啓子,3粥川知子,3保木本のぞみ,3及部珠紀,4守瀬善一,2才藤栄一

 平成22年度診療報酬改定でがん患者リハビリテーション料(以下がんリハ)が新設された.当院で平成23年2月より算定を開始したので,その現状と効果を報告する.方法は,がんリハ算定後の62名のがん患者(消化器系癌53名,乳癌9名)と算定前の58名のがん患者(消化器系癌53名,乳癌5名)を比較検討した.がんリハ算定前は術前リハを行った症例は41%であったが,算定後は87%に増加し,手術から退院までの期間が短縮した.術前呼吸リハ等の施行により,入院期間が短縮した可能性が考えられた.


13.NPO法人愛知視覚障害者援護促進協議会と本郷眼科・神経内科との連携による眼科リハビリテーションについて
1NPO法人愛知視覚障害者援護促進協議会,
2本郷眼科・神経内科
3中部盲導犬協会
1,2高柳泰世,1,3坂部 司,1,2山本 潔

 眼科医は最善の医療を提供して患者の治療に当たるが,治療不可能な難病に遭遇することがある.それはターミナルではなく,視覚代行リハビリテーションにより,従来の生活の資質に近い生活ができることを患者に告げる必要がある.NPO法人愛知視覚障害者援護促進協議会(以下愛視援)は中途視覚障害者の家庭復帰,社会復帰を目的に1981年に設立した.その事務局が2009年から本郷眼科・神経内科の一室に移動してから「視覚障害リハビリテーションワーカー」が常駐し,眼科リハビリテーションの症例が多くなった現状を報告する.

 

14.脳卒中ケアユニットにおけるリハビリテーション
藤田保健衛生大学リハビリテーション医学T講座
崎原尚子,柴田斉子,加賀谷 斉,才藤栄一,石原 健,濱田芙美,小杉美智子

 2011年4月から当院で運用開始した脳卒中ケアユニットにおけるリハビリテーション(リハ)について報告する.10月までの入院患者数は161名,うちリハ介入は123名であった.病型別人数はラクナ梗塞12名,心原性脳塞栓症17名,アテローム脳梗塞64名,その他30名であった.発症から入院まで0.4±1.1日,発症からリハ開始まで1.8±1.4日,SCU滞在日数は8.0±4.3日,SCUでのリハ期間は6.5±4.2日,入院日数は28.0±20.7日であった.

 

15.急性感覚性ニューロパチーと考えられるリハビリを継続した1例
国立病院機構東名古屋病院神経内科
見城昌邦,榊原聡子,田村拓也,片山泰司,横川ゆき,後藤敦子,齋藤由扶子,餐場郁子,犬飼 晃

 10年前ギラン・バレー症候群の既往あり.ふらつきで発症,左側により強い四肢深部覚障害を呈し,NCVで運動神経はほぼ正常だが,感覚神経が上肢で描出不能,下肢で振幅低下,急性感覚性ニューロパチーとしてIVIG2回,ステロイドパルス1回施行された.リハビリ目的で発症10週で当院に転院.2ヶ月経過し,当初自力起坐もできなかったが,平行棒内歩行が見守り下で可能になった.NCVで上肢感覚神経も描出されるようになった.


 

総会
13:30〜13:45
研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席下さい

 

 

専門医・認定臨床医生涯教育研修会
特別講演14:00〜16:15 受付開始13:00

 

「脳卒中のニューロリハビリテーション」
 兵庫医科大学リハビリテーション医学教室  
 教授 道免和久 先生
                    司会:みずのリハビリクリニック 水野雅康

 

「末梢神経麻痺の治療」
 名古屋大学大学院医学系研究科運動・形態外科学手の外科学 
 教授 平田 仁 先生
                  司会:上飯田リハビリテーション病院 小竹伴照

 

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について
1)ご自身の登録番号を確認する為, 生涯教育研修記録証をご持参下さい.
2)研修会参加により1講演毎に10単位が認定されます.
3)1講演(10単位)毎に受講料1,000円.
認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円を当日受付します.

 

◎認定臨床医資格要件
認定臨床医認定基準第2条2項2号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.  平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育
研修会も1講演あたり10単位が認められます.