第37回
日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会

 

開始時間・会場をご確認の上,お間違いのないようご参加ください.

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開始時間:9:30(受付開始 9:00)  

会場:名古屋市立大学病院 中央診療棟3階 大ホール
名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

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日 時
平成27年8月15日(土)9:30 〜 16:15

 

会 場
名古屋市立大学病院 中央診療棟3階 大ホール
名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

 

日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会
事務局:藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座内

 

 


地方会

 

日本リハビリテーション医学会地方会参加費・認定単位
地方会学術集会:参加費1,000円
        学会参加10単位,発表筆頭演者10単位

 

地方会当番幹事:紙本 薫 
                   〒464-8547 愛知県名古屋市千種区若水1-2-23

                    名古屋市立東部医療センター神経内科

 

 

般演題 9:30 - 12:15 受付開始 9:00

 


座長 名古屋市総合リハビリテーションセンター 小川鉄男

1脳性麻痺児股関節亜脱臼・脱臼に対する股関節周囲筋解離術後レントゲン計測値の経時的変化
1名古屋市立大学大学院リハビリテーション医学分野
2名古屋市立大学整形外科
3知多厚生病院整形外科
1伊藤錦哉,1水谷 潤,1植木美乃,1青山公紀,1和田郁雄,2若林健二郎,2白井康裕,2河 命守, 2村上里奈,2大塚隆信,3服部一希

 10歳以下の重度脳性麻痺児の股関節亜脱臼,脱臼に対し,股関節周囲筋解離術単独で治療した症例22例41股関節の画像評価を行った.術前Migration Percentage(MP)が59%以下の軽度および中程度亜脱臼は,最終調査時でも概ね良好な整復位が保たれていた.術後のMP,臼蓋角,CE角の各経時的変化を示し,本法の適応と限界について考察する

 

23次元トレッドミル歩行分析を用いた装具の効果判定
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座
2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
1布施郁子,1柴田斉子,2尾関 恩,1赤堀遼子,1平野 哲,1向野雅彦,1青柳陽一郎,1加賀谷斉, 1才藤栄一  
 糖尿病性シャルコー関節にて足関節変形が短期間で進行した患者に対し,骨破壊進行防止及び歩行の安定を目的として両側足関節軟性装具を作成した.装具使用にて歩行スピードが0.6 km/hから2.4 km/hに向上,連続歩行距離が10 mから50mに増大した.3次元歩行分析の結果,ストライド長の延長,両脚支持期の短縮,骨盤後退および内側ホイップの改善,歩行中の体重心移動の適正化を確認できた.歩行動画と解析結果を提示し,装具の効果判定における3次元トレッドミル歩行分析の有用性について考察する.

 

3当院における嚥下チームの活動について
名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション部 
門野 泉,鈴木善朗

 当院では従来,嚥下障害をみとめた患者の対応は窓口が複数ありそれぞれが強固な連携を持たず,経過や帰結においても十分な観察ができていなかった.摂食嚥下認定看護師は1名しかおらず言語聴覚士は平成26年度までは3人体制であり,約1000床を有する当院の摂食訓練の要請全てに対応することは困難であった.病棟における問題意識も低い傾向にあった.こういった状況を改善すべく検討を重ね,平成27年2月に栄養サポートチーム委員会の下部組織として嚥下チームを発足させた.週2回の回診を軸に,技術向上や啓蒙を目的として看護師への指導や勉強会等を行っている.現在までに166例の介入を実施した.

 

4.80歳以上の頚椎症性脊髄症におけるfunctional independence measure(FIM)の有用性
1中東遠総合医療センター脳神経外科
2中東遠総合医療センター整形外科
1鳥飼武司,2神原俊輔,1内田賢一,1打田 淳,2吉村伸二,1市橋鋭一,2浦崎哲哉  
 【目的】高齢者頚椎症性脊髄症の日常生活動作評価において,FIMの有用性を報告する.【対象】80歳以上の保存的治療2例と手術8例とを経時的に比較する.【結果】保存的治療は手術リスクが高い場合に選択され,転倒等により運動項目が急速に悪化した後3ヶ月で死亡している.手術例は術後より運動項目の急速な改善があり(認知項目も維持),自宅退院可能となっている.【考察】高齢者において自宅退院を目標に設定した場合,FIMによる評価は有用と考える.

 

5高次脳機能障害者に対する運転シミュレーション訓練の経験
1名古屋市総合リハビリテーションセンターリハビリテーション科
2名古屋市総合リハビリテーションセンター神経内科
3名古屋市総合リハビリテーションセンター高次脳支援科
1小川鉄男,2蒲澤秀洋,2日比野敬明,3深川和利

 脳外傷に伴う高次脳機能障害により運転操作が困難となったため当院にて運転シミュレーション訓練を行い,課題遂行に改善を得た症例を経験したので報告する.症例は55歳男性,4年前に交通事故による脳外傷を来たし軽度の高次脳機能障害残存.自動車運転適性検査にて運転操作に問題が見られたため,簡易自動車運転シミュレーター(SiDS)による訓練を行い,反応速度や複数作業での評価点に改善を認めた.

 

      座長 名古屋市立大学リハビリテーション医学分野 植木美乃

6パーキンソン病の脳可塑性と運動学習障害
1名古屋市立大学リハビリテーション医学分野
2名古屋市立大学神経内科
3国立長寿医療研究センター脳機能画像診断開発部
1植木美乃,1堀場充哉,1清水陽子,1佐橋健斗,1青山公紀,1伊藤錦哉,1水谷 潤,1和田郁雄, 2川嶋将司,2松川則之,3加藤隆司,3伊藤健吾

 ドパミンは,運動学習や大脳基底核の線条体や大脳皮質の可塑性の誘導に重要な役割を果たす.本研究では,パーキンソン病患者の運動学習障害と線条体ドパミンとの直接の関連を調べるため,学習段階での線条体のドパミン量の差異を,ドパミン受容体イメージングの一手法であるラクロプライドポジトロン断層法(raclopride-positron emission tomography; RAC-PET) を用いて検討した.

 

7左半側空間無視に健忘症を合併した2症例に対するリハビリテーションの経験
藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学U講座
角田哲也,岡崎英人,前島伸一郎,岡本さやか,水野志保,浅野直樹,正木光子,
田中慎一郎,園田 茂

 【症例1】79歳男性.右後大脳動脈領域の脳梗塞にて保存的に加療され,発症31日目にリハ目的にて当院転院.見当識障害,左同名半盲,左片麻痺,感覚障害に加え,左半側空間無視,健忘症などの高次脳機能障害を呈し,ADL障害を強く認めた.【症例2】66歳男性.右後大脳動脈領域の脳梗塞にて保存的に加療され,発症32日目にリハ目的にて当院転院.見当識障害,左同名半盲,軽度左麻痺に加え,左半側空間無視,健忘症などの高次脳機能障害を認め,独歩可能だが,左折や左側の障害物の回避が困難であった.上記患者に対してリハを行う機会を得たため,文献的考察を加え報告する.

 

8書痙に対する脳深部刺激療法後の書字機能評価を行った1例
浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション科
酒井麻千子,山内克哉,永房鉄之,安田千里,蓮井 誠,美津島隆

 書痙は同一動作の繰り返しにより皮質基底核視床回路に促通経路が形成されることで生じる局所ジストニアと考えられている.脳深部刺激療法は,原因となる促通経路の遮断を目的とした治療法であり,視床凝固術とともに良好な成績が示されている.今回,難治性の書痙に対して脳深部刺激療法を行った1例を経験した.Vo核,GPiへのテスト刺激における各々の書字機能および術後経過に関して提示する.


9自動釘打機による頭部穿通性外傷の一例
藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学U講座
淺野直樹,前島伸一郎,岡崎英人,岡本さやか,水野志保,角田哲也,正木光子,
田中慎一郎,園田 茂

 36歳男性.自動釘打機で,自らの頭部を打ち抜き受傷(左側頭部から2本,左後頭部から1本;計3本).搬送時JCS20.瞳孔不同を認めた.頭蓋内血腫はなく,脳血管撮影で血管損傷は認めなかった.緊急頭蓋内異物除去術が施行され,第42病日に当科転院となった. 覚醒は保たれていたが,左優位の上下肢の不全麻痺および失調,構音障害,眼球運動障害が残存していた.今回,臨床的経過について,文献的考察を加えて報告する.


10輪状咽頭筋切断術を行った慢性期延髄梗塞の1例
1木沢記念病院リハビリテーション科 
2藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座
3藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
1山岸宏江,2柴田斉子,2陳 輝,2溝越恵里子,3小野木啓子,2青柳陽一郎,2加賀谷斉,2才藤栄一 

 Wallenberg症候群をはじめとする脳幹病変による嚥下障害に対し,保存的加療での改善が困難な場合に嚥下機能改善手術が行われる.術式の決定に明確な基準はなく,嚥下造影検査(VF)の結果をもとに経験的に決められることが多い.当院でも10数例の手術症例の治療経験があるが,近年はVFにマノメトリーと嚥下CTの所見を総合し手術適応の判断および術後経過の評価を行っている.今回,20年前に右延髄外側梗塞を発症し慢性期に嚥下困難感を生じ,輪状咽頭筋切断術を施行し良好な経過となった1例について術前後の各検査結果を比較しその変化点,手術適応について考察する.

 

11多職種からなる食事・食介チームの介入効果〜回復期リハビリ病棟の誤嚥性肺炎の発症率低下に影響した可能性〜
1岩砂病院・岩砂マタニティリハビリテーション科
2岩砂病院・岩砂マタニティ循環器内科
3岩砂病院・岩砂マタニティ消化器内科
1森 憲司,2横家正樹,3岩砂三平

 【目的】2013年から当院回復期リハビリ病棟において,多職種からなる食事・食介チームを立ち上げた.その介入効果を検証するため,介入前後の誤嚥性肺炎発症率を検討した.【方法】2012年4月から2015年3月までの年度ごとの誤嚥性肺炎発症率を診療録から後方視的に調査した.【結果】誤嚥性肺炎発症率は2012年度が3.86%,2013年度が3.50%,2014年度が1.74%であった.【考察・結論】誤嚥性肺炎の発症にはさまざまな要因があるが,チームの介入が発症率の低下に影響した可能性がある.

 

      座長 名古屋市東部医療センター神経内科 紙本 薫

 12当院臨床研修医のリハビリテーション科研修と進路の現状
1刈谷豊田総合病院リハビリテーション科
2刈谷豊田総合病院内科・臨床研修センター 
1小口和代,1服部亜希子,1堀 博和,2小山勝志 

 急性期総合病院(回復期病棟併設)である当院では,入院患者の約3人に1人がリハ患者である.急性期医療の中で大きな役割を果たすが,臨床研修プログラムの中でリハ科ローテは必須ではない.2012年から地域医療研修4週間の内1日を当科で担当して必修化し,回復期病棟と嚥下回診を見学させた.過去6年の研修医106名(男性69名・女性37名,内リハ科ローテ18名)の進路について調査し,臨床研修病院でのリハ科研修について考察する.

 

13当科におけるリンパ浮腫の治療成績
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座
2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
1田矢理子,2尾関 恩,1加賀谷斉,1森 志乃,1山田 薫,1平野 哲,1向野雅彦,1柴田斉子, 2小野木啓子,1才藤栄一

 当科ではリンパ浮腫に対するリハビリテーションを行っており,2004年1月から2015年6月に受診したリンパ浮腫患者は2,470名(男性112名,女性2358名),平均年齢は57±4歳,疾患内訳は乳癌1,813名,女性生殖器癌437名,その他180名であった.また乳癌,女性生殖器癌に対しては手術前後のリハビリ介入を行っており,この取り組みを含め,治療成績を報告する.

 

14脳症後慢性期に硬膜下血腫にて手術治療を要した小児3症例
あいち小児保健医療総合センター脳神経外科 
大澤弘勝,加藤祥子,長倉正宗,加藤美穂子

 [はじめに]慢性硬膜下血腫(CSDH)は,外傷,乳幼児硬膜下水腫などを契機として発症することが多いが,稀に脳症後の脳萎縮が原因となることもある.今回,手術を要したCSDHの3症例を報告する.[症例]乳児重症ミオクロニーてんかんを合併した児,ロタウイルス感染,HHV-6感染による脳症の3症例であった.脳症発症よりCSDH手術までの期間は6か月程度あり,全例で血腫除去,硬膜下腹腔シャントを行った.[結論]脳症後リハビリテーション中であっても定期的な画像評価が必要と考えられた.

 

15当院で経験した腫瘍性疾患のリハビリテーションについて
長野県立こども病院リハビリテーション科
笛木 昇,三澤由佳,原田由紀子,関 千夏,五味優子

 当院で発達評価,リハビリテーションを行った腫瘍性疾患患者は,平成25年4月からの二年間で33人である.その内訳は脳腫瘍15人血液腫瘍7人神経芽腫4人骨腫瘍他7人.廃用予防のための運動療法,合併症に対する摂食嚥下リハ,呼吸リハ,認知訓練を行った.発達障害の合併は2人あり,入院治療継続のため,病棟環境の視覚的時間的構造化を行った.死亡例は5人,残りの28人は外来リハビリへ移行した.定期的な発達評価を行い,成人期移行支援をしていく必要がある.

 

16舌癌術後の嚥下リハビリテーション報告
聖隷浜松病院リハビリテーション科 
後藤有香,佐藤友里,大野 綾,西村 立

 【症例】50歳代男性.舌癌に対し,舌亜全摘・両頚部郭清術施行後,放射線療法を実施.術後嚥下リハビリテーション(以下リハ)にて,舌接触補助床(PAP)を使用し改善を認めた.術後約11ヶ月で舌萎縮に伴い口腔準備期・口腔期障害が悪化した.胃瘻造設となったが,リハにてチューブを使用した方法で経口摂取併用とした.【考察】舌癌術後症例に対して,PAPを含めたリハを行い経口摂取可能となった.遅延性嚥下障害に対するリハ方法について更に検討を要する.

 

17Cerebral Palsy Football World Championships England 2015に帯同して
国立障害者リハビリテーションセンター病院  
高橋剛治,緒方 徹

 Cerebral Palsy Football World Championships England 2015(大会期間は2015年6月16日〜6月28日,派遣期間は2015年6月13日〜6月30日,開催場所はイギリス)に医師として参加派遣となりましたので報告します.日本脳性麻痺7人制サッカー協会は,2016年に開催されるリオデジャネイロパラリンピックの出場権獲得のため,脳性麻痺7人制サッカー日本代表を編成し,上記大会へ出場することになりました.その結果を報告します.Classificationに関しても報告します.


 

総会
13:40 - 13:55
研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席下さい.

 

 

専門医・認定臨床医生涯教育研修会
特別講演14:00 - 16:15 受付開始13:00

 

「練習支援リハビリテーションロボット」
 藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座 教授 才藤栄一 先生
司会:名古屋市立東部医療センター 紙本 薫

 

 

「Myths and Truths on Exercises for Low Back Pain」
Department of Rehabilitation Medicine, Seoul National University Hospital and College of Medicine Professor and Chair      Sun G. Chung, M.D.
司会:国立長寿医療研究センター 近藤和泉

 

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医認定単位について
研修会認定単位:1講演毎に10単位
受講料    :1講演(10単位)毎に1,000円
        認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円を当日受付します.

 

◎認定臨床医資格要件
認定臨床医認定基準第2条2項2号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.                                   
平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育研修会も1講演あたり10単位が認められます.