藤田医科大学 整形外科

特集 指導者インタビュー

志貴 史絵助教(藤田医科大学病院)

専門は骨軟部腫瘍。学生教育も担当。

はじめに

志貴先生は、2015年に入局。専門である骨軟部腫瘍の診療に携わりながら、学生教育も担当されています。また、2児の母でもあります。
医師としてのキャリアと子育てをどのように両立しているのか。整形外科を選んだ理由や仕事のやりがい、そしてこれから整形外科を目指す女性医師へのメッセージについてお話を伺いました。

整形外科を選んだ理由を教えてください。

父親が整形外科医だったので、幼い頃から整形外科は私にとって身近な存在でした。実際に初期研修を経験する中で、治療によって患者さんの痛みを和らげたり、運動機能の回復をサポートしたりすることで、QOL(生活の質)の向上に貢献できる点に興味を持ち、整形外科医を志しました。また、整形外科は対象となる部位や分野ごとに専門分野が幅広く分かれており、多様な領域に携われることも魅力でした。

専門は腫瘍で、学生教育も担当されているとのことですが、普段はどのような業務に携わっておられますか?

臨床では、腫瘍班として手術・外来・病棟管理などを行っています。学生教育では主に、医学部臨床実習のコーディネートや学生向けのミニレクチャー、試験問題作成に関する業務などを行っています。

整形外科ならではのやりがいや魅力を教えてください。

整形外科は、治療の結果が比較的目に見えやすいです。患者さんが、手術・保存療法やリハビリにより運動機能が回復し、再び日常生活や仕事、趣味を楽しめるようになる過程に携わることができるのは整形外科ならではのやりがいだと思います。
私は主に骨軟部腫瘍の診療を担当していますが、その診断の奥深さや難しさに魅力を感じます。骨軟部腫瘍は画像検査では診断できないことも多く、針生検や手術により採取・切除した組織の病理検査や遺伝子検査などの結果を踏まえて確定診断を行います。画像所見による診断と、病理組織診断の結果が異なるケースも少なくなく、興味深いです。また、骨軟部腫瘍は全身のあらゆる部位に発生し、同じ腫瘍であっても発生部位や患者さんの病状によって治療方針が異なることもあるため、患者さんの状況や希望を踏まえたうえで、手術を行うかどうかを含めて治療を検討する必要があります。一人ひとりの状況に合わせてより良い治療を考えていく過程にもやりがいを感じています。

育休産休を取得する際の周りの反応はどうでしたか?

当時、医局で産休育休を取得する医師はかなり久しぶりだったのですが、温かく受け入れていただきました。休暇の取得だけでなく、妊娠が分かってから勤務を続ける中でも多くのサポートがあり、とても心強かったです。当時は専攻医として研修中でしたが、透視を使う業務を避けられるよう配慮してもらったり、体調に合わせて当直の免除や業務を軽減してもらうこともありました。また、そのような状況の中でも臨床経験をできるだけ積めるようにして頂いて大変ありがたかったです。職場復帰への不安もありましたが、この経験は「また頑張ろう」と思える原動力になりました。

子育てと仕事をどのように両立されていますか?

現在は時短勤務制度を利用して働いています。子どもの成長段階を踏まえ、今は私が子育てに充てる時間を多く確保することが家族全体のバランスを保つうえで良いと考え、この働き方を選択しました。子どもの学校行事や急な体調不良の際には、先輩に相談しながら勤務を調整させていただいています。子育てと仕事を両立できているのは、自分一人の力だけでなく、周囲の方々の理解やサポートがあるからです。

女性医師として働く上で、藤田医科大学整形外科の良いところは何ですか?

未婚・既婚・子育て中など、さまざまな立場の女性医師が活躍しているので、自分の将来をイメージしやすい環境であること。また、藤田教授をはじめ男性医師も働く女性への理解があり、子育て中の先生も多いため、お互いに協力しながら働ける雰囲気があるところです。

今後の目標などがあれば教えてください

骨軟部腫瘍の診療経験を積みたいのはもちろんのこと、自分自身が仕事と家庭の両立に悩みながら周囲に助けていただいた経験を活かし、後輩たちが安心して整形外科を選択・継続できるサポートができるようになりたいと思っています。

最後に整形外科への選択に悩まれている女性医師へのアドバイスをお願いします

整形外科は扱う領域が幅広いため、多様な働き方を選択できる科だと思います。結婚や出産といったライフイベントに合わせて働き方を変化させながら、自分らしいキャリアを築くことのできる可能性の高い診療科といえるのではないでしょうか。私自身、入局した当初は、家庭を持ったとしても仕事をバリバリ続けていく働き方をイメージしていました。ところが実際に子どもが生まれると、仕事への向き合い方と子育ての価値観を両立させることの難しさを痛感しました。それでも状況に応じて働き方を調整しながら、現在も整形外科医として働くことができて嬉しいです。整形外科を選択肢として考えているのならば、ぜひ挑戦してみてほしいと思います。