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     マウスはやはりヒト炎症性疾患のモデルになる -バイオインフォマティクス的手法によるマウスモデルの再評価-




システム医科学研究部門の共同研究の成果が 米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されました。

中日新聞(8月5日朝刊3面)、科学新聞(8月8日朝刊)、信濃毎日新聞(9月1日朝刊)、朝日新聞(9月11日朝刊、科学面)、EurekAlert!SCIENCE CODEXMedical XpressGEN NewsredOrbitなどで報道されました。さらに、Science誌(8月8日発行; VOLUME 345, ISSUE 6197)の In Depth や The Scientist誌 の The Nutshell でも、取り上げられました。
 藤田保健衛生大学 総合医科学研究所の宮川 剛 教授、自然科学研究機構 生理学研究所の高雄 啓三 特任准教授は、ヒトの炎症性疾患(敗血症(注1))、感染症、重度な火傷・外傷など)で起こる遺伝子発現の変化と、それらのモデルマウスで見られる遺伝子発現の変化とを比較し、マウスで起こる遺伝子発現変化がヒトに非常に似ていることを明らかにしました。
 マウスはヒト疾患のモデル動物として広く使われていますが、炎症性疾患の患者で発現変化している遺伝子と、それらに対応する実験的操作を受けたマウスで発現変化している遺伝子との間では発現量の変化倍率の相関は極めて低いという報告が、米国の研究機関を中心とした研究コンソーシアムによって昨年出されました。つまり、ヒトで重篤な炎症が起きた時に発現が変化する遺伝子群はマウスでは全く異なるふるまいをしており、この観点からヒトとマウスはほとんど似ていないと結論されました。この報告はマウスをヒト疾患のモデル動物として使うことの有効性や妥当性などについて大きな議論を巻き起こしました。
 今回の研究では、解析対象とする遺伝子を絞り込み、適切な統計手法と感度の高いバイオインフォマティクスの手法を用いて、以前の報告で解析されたのと同じ遺伝子発現データを再解析しました。その結果、炎症性疾患に対応する実験操作を受けたマウスモデルで見られた遺伝子発現の変化倍率は、ヒト炎症性疾患患者で見られる遺伝子発現の変化倍率と相関が非常に高く、ヒトとマウスはよく似ている部分があるということが示されました。これにより、マウスはヒトの炎症性疾患のモデルになり得ることをあらためて確認することができました。今回の研究成果は、炎症性の疾患に限らず、ヒト疾患のモデルとしてマウスを用いて病態・病因の解明や治療法の開発を行う際に、ヒトとマウスの共通している部分に注目して研究を進めることが有効であることを示唆するものと考えられます。
 本研究成果は、2014年8月4日(月)(米国東部時間)に米国科学雑誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」のオンライン速報版で公開されました。

研究の背景と経緯

 マウスはヒトと同じ哺乳動物であり、高い繁殖力を持ち、飼育が容易であることから実験動物として古くから医学・生物学の研究分野で広く用いられてきました。現在でも、遺伝子改変や薬物投与などさまざまな実験操作を行うことによりヒト疾患を模したマウスが作られており、これらのモデルマウスはヒト疾患の病因・病態の研究や治療法の開発などに活用されています。ところが、ヒト疾患のモデルとしてマウスは妥当なのかという疑問が投げかけられました。
 昨年1月、スタンフォード大学やマサチューセッツ総合病院、トロント大学など一流の大学・研究機関23組織59名の研究者による世界的な共同研究コンソーシアムは、マウスはヒトの炎症性疾患のモデルとして適当ではないという論文を発表しました(参考文献1)。炎症性疾患の患者から採取した血液と健常者から採取した血液から抽出したメッセンジャーRNA(注2)をDNAマイクロアレイ(注3)解析によって比較すると、炎症性疾患によってどのような遺伝子の発現が変化しているかが分かります。同じように、それらの炎症性疾患に対応する実験操作を行ったマウスの血液と正常マウスの血液から抽出したメッセンジャーRNAを解析し、マウスでどのような遺伝子群が変化したか、また変化していないのかを調べることができます。このようにして得られたヒトの結果とマウスの結果とを比較することで、ヒトの炎症性疾患で起こる遺伝子発現変化が対応する実験操作を行ったマウスでどの程度再現できているのか、つまりマウスがヒトの炎症性疾患のモデルとしてどの程度適切かを評価することができます。昨年発表されたコンソーシアムによる報告では、ヒトの炎症性疾患で起こる遺伝子発現変化とそのモデルマウスで起こっている遺伝子発現変化の間にはほとんど相関がなく、ヒトとマウスは全く似ていないという結論が出されました。この結論は、医学生物学分野におけるモデルマウス使用の有効性や妥当性についての議論を巻き起こしました。このSeokらによる論文は出版以来わずか1年半で約400回も学術論文に引用されているほか、New York Times (参考文献2) に取り上げられ、学術論文がソーシャルメディアに与える影響度を示すオルトメトリクス(注4)も400を超えているなど(2014年7月1日現在)、一般社会にも大きな反響を呼んでいます。
 藤田保健衛生大学 総合医学研究所の宮川剛教授と自然科学研究機構 生理学研究所の高雄啓三特任准教授の2名は、これまでに160以上の異なる系統のマウスを解析し、複数の精神・神経疾患モデルを同定してきました。この2名を含む研究チームが統合失調症(注5)モデルマウスとして昨年に報告したschnurri-2(注6) という遺伝子を欠損したマウスでは、統合失調症患者で見られる症状とそっくりな行動異常を示すだけでなく、脳内の遺伝子発現変化のパターンが統合失調症患者の死後脳とそっくりでした (参考文献4)。精神疾患モデルマウスの脳とヒト患者の脳との類似性を活用して精神疾患の病態・病因の研究を行ってきた宮川らは、炎症性疾患においてマウスとヒトの遺伝子発現が全く似ていないという報告に疑問を抱きました。そこで、コンソーシアムの報告で用いたものと全く同じデータを、類似度を検出する感度の高い解析方法を用いて解析し、ヒトでの炎症性疾患とそのモデルマウスの遺伝子発現パターンがどの程度似ているかを再評価しました。

研究の内容

 ヒトの血液や組織、あるいはマウスの血液や組織から抽出したメッセンジャーRNAをDNAマイクロアレイで解析した遺伝子発現データは、論文として出版する際に公的なデータベースに登録されることが一般的になっています。コンソーシアムによる報告で解析された遺伝子発現データもデータベースに登録されており、誰でも閲覧・利用することができます。今回の研究では、コンソーシアムによる解析で使用されており、公的データベースに登録されているデータを用いて、ヒト炎症性疾患とそのモデルマウスの遺伝子発現変化の類似度について再解析を行いました。今回の研究で用いた解析方法とコンソーシアムによる報告で用いられた解析方法の間には、以下に示すような違いがあります。
1.ヒトとマウスの両方で変化している遺伝子群に絞り込んで発現変化を比較
 コンソーシアムによる解析では、ヒトの重度の火傷の患者で、健常者の場合と比べて統計的に有意に変化した遺伝子群を同定し、それらの遺伝子群の発現をヒトとマウスで比較しました(図1)。すなわち、ヒトの重度の火傷で発現が変化した遺伝子群について、マウスでは実験操作による発現変化の有無にかかわらず全て含めて解析対象とし、両者の遺伝子発現変化の類似度を評価していました。このようにヒトとマウスとの間で働きが異なる遺伝子を含めてヒトとマウスとで遺伝子変化の相関係数(注7)を計算したため、コンソーシアムによる解析では相関関係を過小評価したと考えられます。
 そこで、今回の研究では、ヒトの重度の火傷で有意な発現変化が見られた遺伝子群のうち、マウスモデルでも有意な発現変化が見られた遺伝子群を対象として、両者の遺伝子発現の変化倍率について相関関係を調べました(図1、赤色部分)。

図1:ヒトとマウスの両方で変化している遺伝子に絞り込んで比較
 ヒトの患者と健常者の白血球から抽出したメッセンジャーRNAをDNAマイクロアレイで解析により遺伝子発現量を比較し(左上)、ヒトの患者で変化している遺伝子を同定できる(下、左の水色と赤色部分)。モデルマウスと正常マウスの血液からメッセンジャーRNAを取り出し、同様にジーンチップ解析を行うことで(右上)、モデルマウスで変化している遺伝子を同定できる(下、右の円、桃色と赤色部分)。
 Seokらによるマウスモデルの解析では、ヒト疾患で有意に変化している遺伝子群について、マウスモデルで変化しているかどうかにかかわらず、ヒトとマウスの間で類似度を調べた(左の円、水色と赤色部分)。今回の行った解析では、ヒト疾患で変化していて、かつマウスモデルでも変化している遺伝子群を対象にして解析を行った(二円の重複、赤色部分)。
2.マウスを使った実験条件のうち最もヒトの遺伝子発現パターンに近いもので比較
 データベースに登録されているマウスの遺伝子発現データセットには、しばしばひとつの研究データセットとして異なる条件下で行われた複数種類の実験データが登録されていることがあります。例えば、敗血症のモデルとしてコンソーシアムによる解析で使われたデータの登録番号には、2種類の異なるマウス系統から得られたデータや、敗血症モデルにおける菌感染の時系列データなど、実験条件の異なる複数のデータが登録されています。実験の条件によって遺伝子発現パターンは変わるため、今回の解析ではマウスモデルにおいてさまざまな実験条件で得られた遺伝子発現パターンのうち、ヒトの疾患患者のものとの類似度が最も高い実験条件のデータを選択して解析に用いました。
3.外れ値の影響を受けにくい相関解析手法を用いて比較
 コンソーシアムによる報告では、ヒトとマウスの遺伝子発現変化倍率における相関関係の評価に、ピアソンの相関係数(注8)を用いていました。ピアソンの相関係数は解析対象とする変数の分布が正規分布(注9)に従う場合には相関関係を評価する有効な手法で、最も広く使われています。しかし、変数の分布が正規分布に従わない場合には、全体の分布から大きく異なっている値(外れ値)に強く影響を受けてしまうため、ピアソンの相関係数では相関関係を極端に低く評価してしまうことがあります。今回、解析対象とする遺伝子の発現量変化の分布が正規分布に従うかどうかをコルモゴロフ—スミルノフ検定(注10)で調べたところ、遺伝子発現変化の分布は正規分布には従っていませんでした。つまり、今回解析対象としているヒトとマウスの遺伝子発現データの相関関係の評価をする場合、ピアソンの相関係数を用いるのは適当ではないということになります。そこで、今回の解析では正規分布に従っていない分布を示すデータにも適用できるスピアマンの順位相関係数(注11)も用いました。
4.検出感度の高い手法によって遺伝子発現パターンを比較
 コンソーシアムによる報告では、遺伝子発現変化の類似度は遺伝子発現変化倍率の相関関係と発現変化の方向の一致率でのみ評価を行っていました。今回の研究では、米国イルミナ社の提供するバイオインフォマティクスツールNextBioを活用し、従来の手法より感度の高いノンパラメトリックな手法(注12)によって、ヒトとマウスで遺伝子発現変化のパターンがどのくらい類似しているかを評価しました。さらに、この手法を応用し、ヒトのデータとマウスのデータとで共通して変化している遺伝子群において、共通して変化しているシグナル伝達経路・分子経路の探索も行いました。
 以上の4点において解析方法の改善を行い、ヒトとマウスの遺伝子発現データを再解析することによって、炎症を伴う実験操作を行ったモデルマウスで起こる遺伝子発現変化は、ヒトの炎症性疾患における遺伝子発現変化とよく似ていることが明らかになりました。図2の青丸印で表されるように、コンソーシアムによる論文ではヒトの重度の火傷と各モデルマウスとの間の遺伝子発現変化の相関係数はR=0.14~0.28と低く、ヒトとマウスで発現変化の方向が同じ遺伝子の割合も55.0~61.0%とほぼ偶然によるものと変わらない程度でした(図2の青丸印に対応)。これに対し、今回の研究では、ヒトとマウスとの間の遺伝子発現変化の相関係数はR=0.36~0.59と高く、遺伝子発現変化についても74.4~93.2%という高率で一致した方向に変化していました(図2の中塗赤丸印に対応)。さらに、正規分布を仮定しないスピアマンの順位相関係数で評価すると、今回解析の対象としたヒトの炎症性疾患の患者から得られたデータとそれらに対応するモデルマウスから得られたデータの間には、図3で示すように全ての組み合わせで高度に有意な相関が検出されました(ρ=0.43~0.68、全ての組み合わせでP<0.0001)。

図2 :過小評価されていたヒトとマウスモデルの遺伝子発現変化の相関関係
 ヒト火傷における遺伝子発現の変化を基準にして、その他のヒト疾患とマウスモデルで遺伝子発現の相関係数 (横軸、R) と発現変化の方向が一致している遺伝子の割合 (縦軸、%) をグラフに示した。FCは遺伝子発現の変化倍率(Fold Change)を表す。
 Seokらによるマウスモデルの解析(青丸印)では、マウスモデルはいずれも極端に低い相関係数を示し、発現変化の方向が同じ遺伝子の割合も偶然で起こる可能性(50%)に近いものになっている。しかし今回の行った解析では、相関係数は0.36~0.59と非常に高く、統計的にも有意な相関を示し、遺伝子の発現変化の方向も70~90% が一致していた(中塗赤丸印)。

図3:ヒト火傷、外傷、敗血症での遺伝子発現変化とそれに対応するマウスモデルでの遺伝子発現変化の間には高い相関がある
 遺伝子発現変化の倍率について、各組み合わせの分布グラフ、スピアマンの順位相関の値(ρ)およびそのP値を示した。それぞれの実験条件の下にはデータベースの登録番号が記載されている。Nは解析に使われた遺伝子数を表す。ヒトの炎症性疾患間の相関はρ=0.72~0.88と非常に高い。ヒトとマウスとの間の比較でもρ= 0.43~0.68 (全てP<0.0001) と高い相関を示している。
 バイオインフォマティクスツールNextBIoを用いてヒト疾患とマウスモデルの遺伝子発現パターンの類似性を検証したところ、P=1.2×10-35~6.5×10-11といった高い信頼性で似ているということが分かりました(図4)。その他、シグナル伝達経路・分子経路もヒト疾患とマウスモデルで共通して変化しているものが多数あることが分かりました。ヒトの重度の火傷では197のシグナル伝達経路・分子経路が抑制されていることが同定され、このうちおよそ65%にあたる130の経路がマウスの火傷モデルでも同じように抑制されていました。

図4:ヒト火傷と炎症を伴う実験操作を行ったマウスモデルとの間では遺伝子発現パターンが非常に類似している
 ヒトの重度の火傷で変化している遺伝子と炎症を伴う実験操作を行った各種モデルマウスで変化している遺伝子がどの程度共通しているかについてバイオインフォマティクスツールNextBioを用いて解析した。発現変化した遺伝子はヒトとマウスで非常に多く共通しており、それらが偶然で起こる確率(Overlap P value)は極めて低いものとなっている(P=6.5 ×10-11~1.2×10-35)。多くの遺伝子がヒトとマウスで同方向に移動しており、逆向きに変化している遺伝子は少なく、遺伝子発現変化のパターンが類似していることが分かる。
 以上により、炎症性疾患の患者の血中で起こる遺伝子発現変化は、それらに対応した実験操作を受けたモデルマウスの血中で起こる遺伝子発現変化とよく似ていることが明らかとなりました。コンソーシアムが出した結論とは異なり、炎症性の疾患についてマウスはヒトのモデルとして少なくとも部分的には適切であるということがわかりました。

今後の展開

 遺伝子の中にはマウスとヒトで働きがほぼ同じものもあれば、異なるものもあります。働きの異なる部分を含めてマウスとヒトとを比較すれば、共通している部分は目立たなくなり、両者の類似を過小評価してしまう危険性があります。しかし、両者で共通している部分に注目すれば、マウスはヒトに非常によく似ており、マウスをヒト疾患のモデルとして有効に使うことができると考えられます。今回の研究では、ヒトの炎症性疾患とそのモデルマウスがどの程度似ているかを評価しましたが、他のヒト疾患のマウスモデルを作成・解析する際にもヒトとマウスとで共通している部分に注目することが重要であると考えられます。ヒト疾患の特徴をよく再現しているモデルマウスにおいて、ヒトと共通して生じる現象を改善するような薬物はヒトにおいても治療効果を持つ可能性が高いと考えられ、このようなモデルマウスを活用することで、様々な疾患に対する新しい予防・診断・治療法の開発や創薬につながることが期待できます。

 本研究は、藤田保健衛生大学、自然科学研究機構 生理学研究所の2機関の共同研究によって行われました。なお、本研究の一部は、JST戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)「マウスを活用した精神疾患の中間表現型の解明」、科学研究費補助金「マイクロエンドフェノタイプによる精神病態学の創出」による支援を受けて行われました。

参考文献

参考文献1
Seok J, et al.; Inflammation and Host Response to Injury, Large Scale Collaborative Research Program (2013) Genomic responses in mouse models poorly mimic human inflammatory diseases. Proc Natl Acad Sci USA 110(9):3507–3512.

参考文献2
Kolata G (2013) Health testing on mice is found misleading in some cases. NY Times. Available at www.nytimes.com/2013/02/12/science/testing-of-some-deadly-diseaseson-
mice-mislead-report-says.html. Accessed January 17, 2014.

参考文献3
Takao K, et al. (2013) Deficiency of schnurri-2, an MHC enhancer binding protein, induces mild chronic inflammation in the brain and confers molecular, neuronal, and behavioral phenotypes related to schizophrenia. Neuropsychopharmacology 38(8): 1409–1425.

用語解説

(注1)敗血症
細菌などが血液に入り込み増殖することにより引き起こされる全身性の炎症(全身性炎症反応症候群)。重篤化すると多臓器不全やショックなどにより死亡する例が多い。

(注2)メッセンジャーRNA
DNAから転写され、タンパク質に翻訳される塩基情報を持ったRNA。伝令RNAとも呼ばれる。

(注3)DNAマイクロアレイ
ガラスや半導体の基板の上に多数のDNA断片を貼り付けたもので遺伝子がどのように発現しているかを網羅的に調べることができる。

(注4)オルトメトリクス
学術論文の社会的な影響度を評価する指標で、論文の被引用回数に加え、論文のダウンロード数やページビュー数、ブログやニュースサイトなどのWebページからのリンクの数、TwitterやFacebookなどのSNSからの参照数も加味して計算される。
参考文献1のオルトメトリクス指標は以下のURLで参照できる:
http://www.altmetric.com/details.php?domain=www.pnas.org&citation_id=1232781

(注5)統合失調症
陽性症状(妄想や幻覚)、陰性症状(無関心、意欲の低下、社会性の低下)、認知障害が認められる精神疾患。

(注6)Schnurri-2
ゲノムに結合し、遺伝子の発現を制御するたんぱく質(転写因子)の一種。免疫反応で中心的役割を果たすNF-κBというたんぱく質と競合するため、NF-κBの遺伝子発現制御に影響を与えると考えられている。Schnurri-2を欠損したマウスは脳内に慢性の軽度な炎症を起こし、統合失調症様の行動異常を示す。

(注7)相関係数
2つの変数の間の相関関係(類似の程度)を示す統計学的指標。1に近ければ2つの変数の相関が強く、2つの変数が類似していることを示し、0に近ければ相関は弱く、2つの変数が類似していないことを示す。相関係数が0.2未満であれば、相関はないとされ、0.2~0.4で弱い相関、0.4~0.7で中程度の相関、0.7~1.0で強い相関があるとされる。

(注8)ピアソンの相関係数
2つの変数の相関関係を評価する統計学的指標で相関係数のひとつ。変数の分布が正規分布に従っている場合に用いることができる。相関関係を評価する際に一般的に用いられている手法。

(注9)正規分布
データが平均値の付近に集積し、平均値から離れるに従って少なくなるような分布。

(注10)コルモゴロフ—スミルノフ検定
データの分布の違いを検定する統計手法。データの正規分布に従うかどうかを評価することができる。

(注11)スピアマンの順位相関係数
2つの変数の相関関係を順位データから評価する統計学的指標で、相関係数のひとつ。変数の分布について何も仮定しなくても用いることができる。

(注12)ノンパラメトリックな手法
解析する変数について一切の前提を設けない手法。変数がどのような分布をしていても妥当性をもって解析することができる。

論文タイトル

Genomic responses in mouse models greatly mimic human inflammatory diseases
(炎症性疾患のマウスモデルにおける遺伝子発現変化はヒト疾患をよく反映する)

お問い合わせ先

<研究に関すること>
宮川 剛(ミヤカワ ツヨシ)
 藤田保健衛生大学 総合医科学研究所 システム医科学研究部門 教授
 〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98
 Tel:0562-93-9375 Fax:0562-92-5382
 E-mail:miyakawa[at]fujita-hu.ac.jp

高雄 啓三(タカオ ケイゾウ)
 自然科学研究機構 生理学研究所 行動・代謝分子解析センター 行動様式解析室 特任准教授
 〒444-0864 愛知県岡崎市明大寺町字西郷中38
 Tel/Fax:0564-55-7727
 E-mail:keizo[at]nips.ac.jp


<報道担当>
藤田保健衛生大学 法人本部 総務広報部
 〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1番地98
 Tel:0562-93-2490 Fax:0562-93-4597
 E-mail:kouhou[at]fujita-hu.ac.jp

自然科学研究機構 生理学研究所 研究力強化戦略室
助教 坂本 貴和子(サカモト キワコ)
 〒444-8585 愛知県岡崎市明大寺町字西郷中38
 Tel:0564-55-7722 Fax:0564-55-7721
 E-mail:public[at]nips.ac.jp