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藤田医科大学ブランディング事業 国際シンポジウムを開催しました。


2019年10月14日キャッスルプラザ名古屋にて、藤田医科大学ブランディング事業国際シンポジウムが開催され、学内外から約120名が参加しました。
精神神経疾患の克服は高ストレス社会での成長戦略遂行において喫緊の課題です。本学は建学の理念である「独創一理」のもと、既に構築した疾患ネットワークによるビッグデータ解析を基盤として、精神神経疾患に対する客観的バイオマーカー、脳画像診断法、病態生理に基づく治療薬、フィトケミカルの開発を行っています。本学のブランドを「精神神経疾患の最先端研究開発拠点」とする本事業は、文部科学省2017年度私立大学研究ブランディング事業(世界展開型)に採択されました。本シンポジウムはこれまでの研究成果を振り返り、更なる発展のための課題・最新技術について情報共有を行うべく、世界的に著名な研究者を招聘して開催されました。小清水久嗣先生の司会により、学長 才藤 栄一先生の開会挨拶に始まり、前半の講演では鍋島俊隆先生の座長のもと、メルボルン大学(オーストラリア)Braian Dean先生およびハサヌディン大学(インドネシア)Andi J Tanra先生が講演されました。また、後半の講演では病院長 湯澤由紀夫先生の座長のもと、国立台湾大学(台湾)Lih-Chu Chiou先生および医療科学部長 齋藤邦明先生が講演されました。各先生の講演に対し、研究者・大学院生より活発な討論が行われ、盛会となりました。熱気冷めやらぬ中、シンポジウムは医学部長 岩田仲生先生の閉会の挨拶により終了しました。

学長 才藤 栄一先生による開会挨拶

鍋島俊隆先生による座長

病院長 湯澤由紀夫先生による座長

医学部長 岩田仲生先生による閉会の挨拶

シンポジストとブランディング事業グループ責任者による記念撮影


メルボルン大学 (オーストラリア) Braian Dean 先生

Biomarker Discovery in Psychiatry: A Long and Winding Road
精神疾患のバイオマーカーについて講演されました。精神疾患の病態には炎症反応や免疫系の異常が関与しており、それを標的としたバイオマーカーが期待されている。死後脳を用いたプロテオミクス解析および血液中のゲノム解析により、健常、双極性障害および統合失調症の鑑別が高精度でできることを紹介されました。

ハサヌディン大学(インドネシア)Andi J Tanra 先生

Lesson Learn form sAA and Salivary Cortisol Levels as Potential Biomarker of Depression : Is It Still Reliable?
唾液中のアルファアミラーゼおよびコルチゾールが精神疾患のバイオマーカーとして有力であることを先生のご研究成果より紹介されました。不安、うつ病および統合失調症の罹患および覚せい剤の摂取によりの唾液中のアルファアミラーゼ量が増加し、これら増加は薬物治療により改善することを紹介されました。

国立台湾大学(台湾) Lih-Chu Chiou 先生

A Novel Target for Neuropsychiatric Disorders:The α6 ubunit-containing GABAAR
α6GABA受容体ポジティブアロステリックモジュレーターは新しい統合失調症治療薬として期待されることを講演されました。半蔓性の低木であるイボタクサギの葉抽出物の有効成分ヒスピズリンは統合失調症モデル動物の行動異常を改善すること、受容体スクリーニングからその改善作用はα6GABA受容体に対するアロステリック効果であることを紹介されました。

藤田医科大学 医療科学部長 齋藤 邦明 先生

The Role of Tryptophan Metabolism and Inflammation in Depression: The Target for Novel Diagnosis and Therapy
トリプトファンの代謝経路が新しいうつ病の診断薬・治療薬のターゲットとして有力であることを先生のご研究成果より紹介されました。ウイルス性肝炎に対するインターフェロン治療によるうつ病にトリプトファン代謝酵素が関わることから治療薬の標的として期待されること、人間ドックの受診者や妊産婦の抑うつでは血液中のトリプトファン代謝物量が変化することから診断薬の標的として期待されることを紹介されました。

会場の様子1

会場の様子2

活発な討論1

活発な討論1

活発な討論3

活発な討論4

活発な討論5

活発な討論6

活発な討論7

活発な討論8