婦人科がん治療の陰翳域に光をあてて

ごあいさつ

第9回婦人科がん会議 当番世話人 宇田川康博
藤田保健衛生大学医学部産婦人科教授

  婦人科がん会議は、平成16年に岩手医科大学産婦人科の杉山徹教授が盛岡で開催した第1回“卵巣がん会議”を前身とし、第4回(平成19年)からは全婦人科がんを対象とした“婦人科がん会議”と名称を変更して回を重ねてきました。そして、此の度私共の東海地方で6月15日(金)から16日(土)にかけ長島温泉「ホテル花水木」で「第9回婦人科がん会議」を開催させて頂きますことを光栄かつ大変嬉しく思っております。本会議は、婦人科がんに関する国内外で行われている臨床試験の最新情報を通じてエビデンスを共有し、さらなる臨床試験のために議論する場であるとともに、十分なエビデンスがないものについては新たな臨床試験を促す場として催されてきました。その様な視点に立って、今回はメインテーマを「婦人科がん治療の陰翳域に光をあてて」と題し、これまで婦人科がんの治療で十分光が当たっていなかった領域にもスポットライトを当てたプログラムを組ませて頂きました。

  具体的には、15日には病理学セミナーとして、名古屋大学の長坂徹郎先生に卵巣の「胚細胞腫瘍」、米国 Maryland 大学の Steven G. Silverberg 先生には「性索間質性腫瘍」の病理診断について話して頂きます。また、カレント・トピックスは米国 MD Anderson Cancer Center の Robert L. Coleman 先生においで頂き、「婦人科悪性腫瘍の臨床試験における最近のトピックス」について話して頂きます。トワイライト・セミナーは、弘前大学の横山良仁先生(TGCU)以下7人の先生からそれぞれの国内臨床試験グループの活動状況を話して頂き、ホットなディスカッションを展開して頂きます。16日には、東海大学の三上幹男先生から「子宮頸癌根治術に傍大動脈リンパ節郭清は追加すべきか?」と題したクリニカル・レクチャーを、またクリニカル・ディスカッションとしては最初に「妊娠に合併したがんの取り扱い」をテーマに、九州大学の小林裕明先生に頸がん、三重大学の田畑務先生に卵巣がん、続いて現在日本乳癌学会理事長である帝京大学の池田正先生に乳癌における取り扱いについて語って頂きます。さらに、「再発子宮体がんの治療戦略」をテーマとして、米国 Thomas Jefferson 大学の Russell J. Schilder 先生にレビューをして頂いた後、筑波大学の佐藤豊実先生、琉球大学の戸板孝文先生、埼玉医科大学国際医療センターの長尾昌二先生、大分大学の高井教行先生からそれぞれ手術療法、放射線療法、化学療法、分子標的治療の役割とその位置付けにつき、今後の展望を含めたディスカッションをお願いしてあります。またランチョンセミナーは、私共の大学の緩和医療学講座、東口高志先生に「精神にも身体にも優しい緩和医療」と題した話しをして頂きます。

  2日間の会議が皆様にご満足頂けますよう、教室をあげて準備を進めて参りました。長島リゾートには、いくつもの温泉、メガ遊園地、なばなの里など数多のお楽しみ頂けるスポットがあります。また、目の前に光り輝く伊勢湾を、振り向けば木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)がゆったりと流れる大パノラマを一望できる景勝の地でもあります。是非全国から多くの先生方やご家族の方々に御参加頂き、ゆっくりと寛がれる一方で、up-date な臨床試験を中心とした様々な話題について活発かつ有意義なご討論をお願い頂ければ幸甚に存じます。

婦人科がん会議事務局

〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪 1-98 藤田保健衛生大学医学部産婦人科
TEL. : 0562-93-9294  FAX : 0562-95-1821  E-mail : gyne606@fujita-hu.ac.jp

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