早川 将平   白木 良一   深見 直彦   伊藤 泰平   佐々木 ひと美   日下 守   剣持 敬   星長 清隆   
腎移植・血管外科 26(1) 138-142 2016年3月
63歳、男性。両下肢浮腫を主訴に受診。造影CTで直径5cm大の左腎腫瘍と肝静脈流入部直下まで達する下大静脈腫瘍塞栓を認め、腫瘍塞栓により下大静脈は完全閉塞していた。IVCフィルター留置後、左腎癌(eT3bN0M0)の診断で左腎摘除術および腫瘍塞栓摘出術を予定した。術中、右腎茎部周囲および下大静脈近傍の側副血行路からの出血が持続し血圧維持が困難となったため、やむを得ず右腎を摘出した。また、腫瘍塞栓が血管壁と強固に癒着していたため、下大静脈を離断し左腎とともに合併切除した。一旦閉創後、右腎を右...