竹下 享典   林 睦晴   近藤 隆久   因田 恭也   室原 豊明   
血栓と循環 11(3) 213-219 2003年9月
血管新生は既存の血管からの内皮細胞の発芽(sprout)から始まる.これは,1)血管透過性の亢進と血管外へのフィブリン沈着,2)血管壁の溶解と基底膜の分解,3)内皮細胞の遊走と増殖,そして 4)細胞外マトリクスへの浸潤と管腔形成という段階を経る.血液の凝固線溶系は,これらのステップに深く関与している.そこで,血管新生の制御因子としてのこの凝固線溶系分子の働きについて概説した