吉野寧維   市川茉莉   横山敦司   織田直久   早川伸樹   鈴木敦詞   伊藤光泰   桐山諭和   浦野誠   黒田誠   
日本内科学会雑誌 100(11) 3329-3332 2011年
副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTH-rP)は悪性腫瘍に伴う高Ca血症の原因として知られている.症例は78歳男性.1カ月前からの食欲低下,腰痛で発症した.高カルシウム血症を呈し,画像所見から肝臓,脾臓,腰椎・肋骨への多発転移巣が認められた.いずれも病理所見上アポクリン腺癌の転移であり,陰嚢部原発巣を含め免疫組織染色でPTH-rP産生が確認された.アポクリン腺癌によるPTH-rP産生の報告はなく,貴重な症例と考えられた為,報告する.<br>