佐藤俊充   小林昌義   
脈管学 52(April) 207-210 2012年
症例1は68歳男性で、糖尿病の既往があった。心房細動で植込み型除細動器(ICD)挿入のためワルファリン休薬中で、ICD挿入4日目に突然両下肢脱力、冷感を認め、大腿動脈以下の拍動を触知せず、CTで腹部大動脈終末部に多量の血栓を認め、発症3時間後に血栓除去術を行った。術後2週目に再度両下肢の虚血症状が出現し、CT上両下肢動脈塞栓の診断で再度血栓除去術を行った。その後、左鼠径部の創感染をきたし、糖尿病のため感染コントロールは困難で、左総大腿動脈が破綻して出血し、手術的止血も効果なく、全身状態の悪...