藤井 多久磨   川原 莉奈   
産婦人科の実際 69(3) 275-283 2020年3月
<文献概要>子宮頸がんは予防可能ながん種として認識されてきた。HPV感染を予防することで発がんのリスクを抑え,感染後の細胞の変化を検診にて捉えることで,前がん状態もしくはがんであっても早期発見であれば,がん死することは避けられる。世界保健機関は今世紀中に子宮頸がんを撲滅するために,この10年ですべきことのロードマップを示している。一番重要なことはワクチン接種率を上げることにあり,次にすべきことは,費用対効果の点で最も効率のよい年齢で検診受診率を上げることである。ワクチン接種率が上がることに...