加藤久幸   油井健宏   日江井裕介   岡田達佳   櫻井一生   内藤健晴   
口咽科 26(2) 173-177 2013年6月
症例は78歳の女性.口腔内出血を伴う右軟口蓋腫瘤の精査目的に当科紹介となった.頸部CTでは右軟口蓋に造影効果を伴う35×25mmの腫瘍性病変を認めた.このため悪性腫瘍も疑い3度の生検を行ったが,悪性腫瘍との診断には至らず病理組織学的検査により咽頭放線菌症と診断した.ペニシリンG 300万単位/日の約4週間投与にて腫瘤は縮小し退院となった.退院2ヵ月後より右軟口蓋腫瘤の増大を認め,生検にて放線菌症と腺房細胞癌の同時併存が確認され,経口腔法による中咽頭腫瘍摘出術を施行した.術後12ヵ月経過した...