犬塚恵美子   加藤久幸   岡田達佳   油井健宏   浦野 誠   櫻井一生   内藤健晴   
頭頸部外科 21(3) 235-239 2012年2月
口腔底類皮嚢胞は比較的まれな疾患であり,顎舌骨筋と嚢胞との位置関係により舌下型,オトガイ下型,舌下?オトガイ下型の3種類に分類される。術前診断の際には他の頸部嚢胞性疾患との鑑別が必要であり,主に超音波検査,CT,MRIが用いられる。しかしながら,舌骨近傍に発生した場合は正中頸嚢胞などとの鑑別が困難となることがある。<br>症例は19歳男性で3か月前からのオトガイ下腫脹を主訴に受診した。画像診断で類皮嚢胞に典型的な所見を呈さず,確定診断に至らなかった。頸部外切開法にて腫瘤を摘出し...