鳥居 裕   藤井 多久磨   
産婦人科の実際 70(8) 873-877 2021年8月
<文献概要>子宮頸部明細胞癌は子宮頸部腺癌の4〜9%を占める特殊組織型であり,ジエチルスチルベストロールの母体への投与が出生児の発症に関与するとされる一方,薬剤と無関係な発症例が多く報告されている。発症時に不正性器出血をきたすことが多く,またHPVと関連性がなく,内頸部に腫瘍を形成することが多いため,通常の子宮頸癌検診はスクリーニング検査として不十分である可能性が否めない。治療方法は通常の子宮頸癌と同様,FIGO II期以下は手術,III期以上はCCRTが選択され,その予後に大きな相違はみ...