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臨床実習の魅力

臨床実習の魅力

縫合や処置など医療行為の一部を経験し、医師としての責務を実感

医学部 医学科 5年

E.I

練習を重ね、傷口の縫合や処置などのほか、学会形式の症例発表も経験

5年次に入ると1年をとおして臨床実習があり、前期は4週間ごと、後期は1週間ごとに各科ローテーションします。実習中は、病棟、オペ室、処置室、医局、外来などで実際の診察や治療に関わります。私は前期に消化器外科実習を経験し、術野に入って手術を見学しました。真皮縫合や腹腔鏡下での縫合の練習も行い、実際に患者さんの皮膚の傷口の縫合を経験。処置室では、手術前のマーキングや腸内洗浄、術後のガーゼ交換や傷跡洗浄、ドレーン抜去といった周術期管理を見学し、いくつかの処置を担当しました。私が担当した患者さんは人工肛門を造設されていたので、手術だけでなくその後の人工肛門の管理方法に関する指導を見学し、医療従事者として、退院後の生活にも配慮したフォローアップの重要性を強く感じました。実習の最終日には、上部班、肝胆膵班、下部班の3つのグループに分かれて学会形式の症例発表を実施。先生方の前での発表を通じて、プレゼンテーションの難しさや重要性も実感できました。

臨床実習の魅力

患者さんとの関わりを通じ、観察眼の重要性を知る

後期実習は臨床腫瘍科へ。ここでは抗がん剤治療に関するインフォームド・コンセント(IC)が印象に残っています。抗がん剤の種類や予想される副作用、通院の頻度などを説明するのですが、治療に対して不安を感じている患者さんに対してどのように説明したらいいかわからず、難しさを感じました。そこで「自分が患者さんだったらどのような点が気になるか、どんな情報が知りたいか」と考えながら、患者さんが理解しやすい言葉で説明するよう努めました。また外来受診した患者さんが血液検査の結果、敗血症であることが判明し、その場で即入院となったケースがありました。患者さんは歩いて通院していたため、重篤な状態だとは思わず、大変驚きました。見た目では重症度がわからない場合もあります。見逃しのないよう慎重に対応する姿勢を心掛けたいと強く感じました。

国内有数の最新医療機器にも触れ、術野をリアルに体感

手術支援ロボット「ダビンチSP」を使用した手術を見学したことも印象的です。「ダビンチSP」は従来の「ダビンチXi」と比べて切開創が少なく、患者さんへの負担がさらに軽減される特徴があります。国内でも「ダビンチSP」を導入している医療機関は少なく、医学生としては実に貴重な経験です。術者とは別のコンソールを通じて見学し、術者である先生がどのような視点で術野を捉えて操作を行っているのかをリアルに体感。術野内での器具間の干渉が少なく、広範囲や多方向からの操作が求められる手術に適していることが学べ、ロボット支援手術の特性や利点をより深く理解することができました。こうして医療現場でしか得られない知識や経験を肌で感じることができ、今後の学びや臨床に対する視野を大きく広げるきっかけとなりました。

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