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基礎研究について


未来の治療につながる基礎研究

BNCTの基礎研究は、将来の治療成績を左右する土台そのものです。どれほど優れた装置があっても、ホウ素薬剤が腫瘍に十分集まらなければ効果は高まらず、逆に正常組織に多く集まれば安全性の限界が先に来ます。
そのため本センターでは、ホウ素薬剤の腫瘍選択性、体内分布、PET(positron emission tomography)による可視化、照射時間の最適化、正常臓器の線量制約、さらには深部腫瘍へより均一に中性子を届ける方法など、治療の根幹に関わるテーマを基礎から検討していきます。とくに深部腫瘍では、腫瘍まで中性子を届かせることと、消化管など周囲の腹部正常組織を守ることの両立が大きな課題であり、この問題を解かずに臨床の成功はありません。

また、LAT1のようながん細胞の特徴に注目した研究は、より選択性の高いホウ素薬剤送達や新たな治療戦略の開発、および新たなホウ素薬剤開発につながる可能性があります。

私たちが進める基礎研究の目的は、学術的に新しい知見を得ることだけではなく、BNCTが「なぜ効くのか」「なぜ効かないのか」「どうすればもっと安全でより多くの方に提供できる治療にできるのか」を明らかにし、臨床へ返すことにあります。
つまり基礎研究とは、未来の患者さんに届く治療の設計図を描く営みであり、BNCT研究センターの価値の中心にある仕事です。