＜セントピエールさんのホームページより＞ 39人の患者さんの経過
以下の家族の方々は、ほかの家族の方々が11/22部分トリソミー
の子供たちのことをよく知るために、快く参加して頂きました。
参加して頂いたみなさん、どうもありがとうございました。
●[家族１：アメリカ、男児]
1990年10月27日生まれ。母は28才、父は32才。お子様は1992年2月6日に亡くなられました。お子様は骨盤位のため、帝王切開で生まれました。
母は均衡型t(11;22)転座の保因者で、新生転座でした。母方の祖父母はt(11;22)を持っていませんでした。お子様には３人の兄弟がおられ、均衡転座の保因者の女の子、正常核型の女の子、均衡転座の保因者の男の子です。母は、４回の流産を経験しておられます。
お子様の出生体重は6ポンド9オンス（2977グラム）、身長は18インチ（45.7センチメートル）。お子様には、口蓋裂、小下顎、耳介の前の小孔、首の皮膚のたるみ、耳介後方付着、低緊張、頑固な便秘と繰り返す中耳炎がありました。生後16ヶ月で亡くなられる時まで歯がありませんでした。心房中隔欠損、心室中隔欠損、軽度の肺動脈狭窄がありました。心室中隔欠損は自然治癒、心房中隔欠損は、お子様がもしもう少し長く生きておられたらいずれ手術が必要だったでしょう。4ヶ月の時には、中耳炎の液体貯留のため、耳にチューブを入れました。
言葉は、とくに、食べること、お出かけすること、服を着ることなどに関する言葉は、よく理解しているようにみえました。4-5ヶ月の時に「ママ」といい、1才の時に「ダダ（パパのこと）」と言いました。
仰向けからうつ伏せ、うつ伏せから仰向けに寝返りをすることが可能でした。ハイハイはできなかったのですが、13ヶ月の時に、お座りで移動することが可能になりました。寝ている状態から自分で座ったり歩いたりして移動することはできませんでした。哺乳瓶を使って飲むことができましたが、ひとりで飲んだり、噛んだりすることはできませんでした。お子様は、口蓋裂の手術の後に肺炎を併発して、亡くなられました。
お子様は明るい快活な男の子で、4ヶ月の頃からは午後8時から午前7時までよく眠り、日中はよくお昼寝をしました。「セサミストリート」が好きで、乳母車や、おんぶや、お父さんの自転車で散歩に行くのが好きでした。多くのおもちゃや人や動物、とくに子猫や子犬に興味を持ちました。両親や先生やまわりのみんなに喜びをもたらしました。
●[家族2：アメリカ、女児]
1973年12月15日生まれ。母は33才、父は31才。母は、１回流産を経験している。母は、均衡型転座の保因者でした。母方の祖母と曾祖母がともにt(11;22)転座の保因者でした。
出生体重は、6ポンド２オンス（2778グラム）、身長は２２インチ（56センチメートル）。25才の現在、体重85ポンド（38.5キログラム）、身長4フィート11インチ（150センチメートル）。
お子様には、耳介の前の小孔、耳介低位、低緊張、小頭症、歯牙萌出の遅延、脊柱側弯症があり、痙攣のため薬物治療を必要としました。心室中隔欠損症がありましたが、症状はありませんでした。乳児から幼児の間は、中耳炎にかかりやすく、その結果、少し聴力障害を生じました。チューブを挿入したこともありました。２次性徴は来ませんでした。最近の超音波では、子宮や子宮頸部がありませんでしたが、小さいながらも正常の卵巣がひとつありました。
彼女は言葉を理解し、ジェスチャーや絵、身体言語（みぶり言葉）を使っています。言葉をしゃべることはできません。限られた手話で「行く」、「赤ちゃん」、「食べる」、「飲む」を表現します。彼女は、ある程度、トイレに行きたいことを教えることができます。トイレは自立しており、夜間のみ、おむつを必要とします。
彼女は、仰向けからうつ伏せに寝返りをすることができましたが、ハイハイをすることができませんでした。彼女は、ひとりで座る事ができ、人の手を借りずに歩くことができます。彼女は、自分で指やスプーンを使って食べることができ、自分でコップを持って飲むことができます。
彼女の性格は社交的で、周りの人々が好きで、外に出かけるのが好きです。そして、あらゆる種類の音楽を聞き、非常に楽しんでいます。電子ピアノを弾いて長い時間を過ごしています。
●[家族3：イングランド、男児]
1993年9月16日生まれ。30才の均衡型転座の保因者の母親から正常妊娠後、生まれました。父は29歳。母には不妊症の時期があり、２回流産しました。ご夫婦には、もうひとり、女のお子様がいますが、均衡型転座の保因者でした。母親にひとりいる兄弟もまた均衡型転座で、11才の姪もまた、不均衡型転座でした。
出生体重は、3.5キログラム、身長は53センチメートルです。5才となった現在、体重は18キログラム、身長は104センチメートルになりました。
お子様には、鎖肛、耳の小突起、低緊張、腎臓欠損、斜頸がありました。肺動脈狭窄症もあり、５年間毎年、心エコーの健診を受けました。眼鏡を必要とし、中耳炎を繰り返し、便秘があり、歯牙萌出が遅延しました。中耳炎のせいで少し聴力障害があり、３つのチューブを耳に入れています。大変低い音を聞くことができないのですが、補聴器の必要はありません。
言葉を一部理解しますが、手話を使ったり、しゃべったりすることができません。トイレは自立していません。寝返りは全くできませんが、うつ伏せの姿勢から、座ることができます。ハイハイはできませんが、20ヶ月の時にボトムシャッフルをし始めました。10ヶ月の時にはひとりで座ることができ、4才の時に、寝そべった状態から自分で座ることができるようになりました。補助をすれば歩くこともできます。
自分で指やスプーンを使って食べることができ、自分でコップから飲むことができます。おとなしい、かわいい性格の子供で、容姿は魅力的で、音楽はなんでも好きで、ビデオを見るのが好きで、動きのあるもの、抱きしめられるのが好きです。音のするおもちゃや、動くおもちゃが好きです。
●[家族4：イングランド、男児]
1997年8月31日生まれ。母は30才、父は30才。母は、t(11;22)転座の保因者であり、流産を1回経験していますが、この妊娠中は何の問題もありませんでした。お子様の出生体重は、6ポンド8オンス（2948グラム）。19ヶ月の現在、体重は24ポンド（10.9キログラム）、身長は82センチメートルです。
お子様には、耳介の前の小孔、鞍鼻、低緊張、仙骨のくぼみ、小陰茎があり、痙攣のため薬物治療を必要としました。呼吸器感染や中耳炎を頻繁に繰り返しました。16ヶ月の時に耳チューブが挿入されましたが、数週間で詰まってしまいました。現在、補聴器を使っていますが、今のところ難聴が永続的のものなのか、液体の貯留によるものなのか、はっきりしません。3ヶ月の時に、心不全と重い肺炎のせいで動脈管開存症結紮の手術が行われ、成功しました。お子様は現在のところ、コミュニケーション能力が限られていますが、単純な物事は理解できます。例えば、ジュースが欲しいときに、それを見せてあげれば欲しいことを伝える事が出来ます。
生後6週で、股関節脱臼の予防のためにエジンバラ・ギプスを装着し、右足の弯足を治療するために小さな靴をはきました。彼は、生後数週の時に激しい腹痛と便秘がありました。
うつ伏せから仰向けに、仰向けからうつ伏せにと寝返りをすることができ、19ヶ月でハイハイを覚えました。彼は、16ヶ月でひとりで座ることも覚えました。手伝ってあげればコップから飲むことができます。いつも幸福で愛想がよく、普段は痛みがあるときのみ泣き、常に喃語をしゃべっています。特に空中に投げ出されるのが好きで、歌ってもらうこと、お風呂が好きです。
●[家族5：アメリカ、男児]
1998年6月2日生まれ。1999年5月21日に急逝しました。
出生時、母と父はともに29才でした。母は、流産を１回経験しており、妊娠中は、3-4ヶ月の時に不正出血があり、切迫早産がありました。母は、t(11;22)転座の保因者です。他の家族は、そのうち検査をすることになっています。
お子様の出生体重は、４ポンド４オンス（1928グラム）、身長は、18.5インチ（47センチメートル）。３ヶ月の時には、体重は、9ポンド7オンス（4.3キログラム）、身長は20インチ（50.8センチメートル）でした。生まれつきピエール・ロバン症候群、口蓋裂、小下顎があり、呼吸と、吸うことや飲み込むことが困難でした。鎖肛、耳の小孔、耳介低位、膀胱腎臓逆流による腎機能異常、水頭症、停留睾丸、胃食道逆流もあります。心臓には、動脈管開存症、卵円孔開存、大動脈狭窄があります。３ヶ月の時には、声や音楽に反応しました。チューブ栄養を必要としました。死亡原因は、心肺停止によるものでした。
●[家族6：カナダ、女児]
1995年2月2日生まれ。母は34才、父は35才。母は、以前に流産を１回経験していました。母と17才の娘がt(11;22)転座の保因者でしたが、息子は保因者ではありません。
お子様の出生体重は、2ポンド10オンス（1191グラム）、身長は、19インチ（48.3センチメートル）。4才の現在、体重が35ポンド（15.9キログラム）、身長が41インチ（104センチメートル）です。鎖肛、耳の小突起、耳介低位、外耳変形、低緊張、心房中隔欠損症、過剰肋骨、仙骨のくぼみ、胃食道逆流、痙攣、股関節脱臼があります。また中耳炎や呼吸器感染を繰り返しました。そして歯牙萌出の遅延がありました。液体の貯留のため耳チューブを４本入れていて、難聴がありました。言葉を理解する事ができないようでした。仰向けからうつ伏せに寝返りをすることができ、3才の時にはひとりで座ることが出来ました。チューブ栄養と吸引を必要としました。音楽刺激は有効で、楽しんでいるようでした。そして最近、ハグ（抱きしめること）を覚えて、両親は大喜びです。いつも微笑んでいます。
●[家族7：アメリカ、女児]
1986年1月2日生まれ。母は36才、父は35才。母は、t(11;22)転座の保因者です。母は、一度も流産を経験していませんが、不妊症の時期がありました。
お子様の出生体重は、7ポンド（3175グラム）、身長は21インチ（53センチメートル）。13才の現在、身長が5フィート（152センチメートル）、体重が95ポンド（43キログラム）です。出生時に、高口蓋、耳介の前の小孔と小突起、鞍鼻、低緊張、腎機能異常、仙骨のくぼみ、斜視（そのため現在、眼鏡をかけています）、首の皮膚のたるみ、気管軟化症がありました。中耳炎や便秘を頻繁に繰り返し、触覚防衛反応がありました。耳は、液体の貯留により軽度の難聴があり、耳チューブを挿入していました。思春期は通常通り到来しました。決まった言葉や要望は理解しますが、言葉が話せず、手話も使えません。おおよそ2才でハイハイを覚え、短い距離なら手助けなしで歩く事ができます。自分の指で食べることができ、自分でコップから飲むことができます。フォークは使えますが、まだ食物をすくいあげることは出来ません。音楽が好きでリズム感覚が素晴らしいです。一般に新しいことをするのには、おびえます。からだを動かすのが好きで、泳いだり、庭のトラクターやバイクに乗るのが好きですが、毛皮のおもちゃや生きた動物が嫌いです。
● [家族8：アメリカ、女児]
42才の母から生まれました。父は45才。父がt(11;22)転座の保因者です。母は、一度も流産を経験した事がありません。3人いる兄弟のうちひとりの男児がt(11;22)転座の保因者です。父方の祖母、父の叔母二人も転座の保因者です。父の姉妹も転座の保因者です。
お子様の誕生日は、1998年6月5日です。出生体重は、6ポンド10オンス（3005グラム）、身長は21インチ（53.3センチメートル）。10ヶ月の現在、体重は、14ポンド13オンス（6.7キログラム）、身長が25インチ（63.5センチメートル）です。出生時に小下顎、吸う事と飲み込む事が困難、呼吸困難があり、発育不良、耳介の前の小孔と小突起、外耳変形、鞍鼻、低緊張、仙骨のくぼみ、（法律上）失明、長い指、首の皮膚のたるみ、股関節異形成、股関節脱臼、触覚防衛反応がありました。心臓には異常はありませんでした。左耳には聴力障害があり、右耳は、聴覚反応の遅延がありました。愛らしく、かわいいお嬢さんです。抱きしめられたり、歌ってもらうことが大好きです。座ったり、寝転がって遊ぶことを好みます。
●[家族9：イングランド、女児]
34才の母から生まれました。父は37才。母は、t(11;22)転座の保因者であり、7回の流産を経験しています。ほかに二人の娘さんがいますが、ともにt(11;22)転座の保因者です。母方の祖父もまたt(11;22)転座であり、祖父の３人いる息子のうちひとりも保因者です。
女児の誕生日は、1986年5月27日です。出生体重は、5ポンド8オンス（2495グラム）。13才の現在、体重が84ポンド（38キログラム）、身長が5フィート（152.4センチメートル）です。高口蓋、小下顎、発育不良、耳の小突起や外耳変形、鞍鼻、低緊張、腎臓欠損、まれにおこる痙攣、長い指があります。またエナメル質の欠損や歯牙萌出の遅延、脊柱側弯症、便秘や中耳炎、呼吸器感染を繰り返しました。心房中隔欠損症と心室中隔欠損症があり、17ヶ月の時に手術をしました。5才の時には、肺動脈絞扼術を必要としました。補聴器を薦められましたがうまく使えませんでした。思春期は通常通り到来しました。必要最小限の言語は理解力でき、いくつかの文章は理解できます。トイレに行きたいことを伝える事ができないので、おむつを必要としています。6才の時にはひとりで座る事ができ、寝ころんだ状態から座ることができました。手を貸してあげると歩く事ができ、手伝ってあげるとコップから飲む事ができます。赤ちゃんの時はチューブ栄養でしたが、大きな心臓の手術の後、摂食に関しては本当に上手になったようです。食事の時間が好きで、決まった時間に食事が来ないとすごく怒ります。ここ数年で微笑むことと声を出して笑うことを覚えましたが、ほんの時々です。いまだに十分の水分をとることができないことが問題です。免疫系は毎年、発達しているように見えます。深い悲しみから、信じられないほどの興奮状態まで、すごく幅広い情動を示します。私達は、彼女が楽しいときや、怒っているときがわかります。そして、本当にものすごく一生懸命やれば、あなたが待っている、彼女の微笑みや笑い声を得ることができます。
●[家族10：アメリカ、双子女児]
40才のご両親から生まれました。母は、t(11;22)転座の保因者で、流産を１回経験しています。母には、三人の兄弟がいますが、そのうち二人もまたt(11;22)転座の保因者です。母には、他に4人のお子様がいますが、そのうち息子一人と娘一人もまたt(11;22)転座の保因者です。母方の祖母がt(11;22)転座の保因者であり、母の姉妹のうちひとりもt(11;22)転座の保因者です。孫息子と、おいの娘がt(11;22)転座の保因者です。
双子女児の出生日は、1975年1月1日です。体重は4ポンド11オンス（2126グラム）、もうひとりが4ポンド13オンス（2183グラム）、24才の現在、体重は85ポンド（38.6グラム）、身長は4フィート6インチ（137センチメートル）です。ふたりとも、口蓋裂、小下顎、耳の小孔, 鞍鼻、低緊張がありました。ふたりとも眼鏡をかけています。ひとりは、長い指をしています。ふたりとも、小さな心雑音があり、何度も耳にチューブを挿入しました。ひとりは、両側の乳様突起炎をおこし、片方の耳は鼓膜の置換手術をし、外耳道をまっすぐにするための形成外科手術も行いました。もうひとりもまた、乳様突起炎をおこし、新しい鼓膜を入れる手術を行いました。ふたりとも、いくぶん難聴があると思われます。ふたりとも、思春期は通常通り到来しました。
ふたりとも、何を言われているかは理解出来ます。ひとりは、ボードを利用することで、コミュニケーションがうまくいきました。ふたりとも、トイレに行くことを伝えることができ、トイレは自立しています。ふたりとも手を貸してあげると歩く事ができます。自分で食事を取ることはできませんが、手伝ってあげるとコップから飲む事が出来ます。ひとりは、アルバムを見ること、本を読んでもらって遊んでいます。また、料理や工芸のテレビ番組が好きです。愛想がよく、買い物や親戚の家に遊びに行くことが好きです。彼女は他人に対してとても繊細で、他の人が車椅子に乗っているのを見ると不安になり、他人の失敗を心配したり、心を痛めたりします。もうひとりは、台所にもたれて見ているのが好きです。映画や演劇が好きです。目線が合うのが嫌いで、誰かが見ているのに気が付くと、目をそらしたり、動きを止めます。買い物に行くのが嫌いで、ドライブ中や散歩中に何かで止まるのが嫌いです。
（文責：細羽、倉橋）
●[ 家族11：ノルウェー、男児]
28才の母と37才の父から生まれました。母は、t(11;22)転座の保因者です。妊娠中は、何も問題はありませんでした。
男児の誕生日は、1996年2月10日です。体重は3815g、身長は53cmでした。現在の年齢は2才7ヶ月で、体重が11kg、身長が85cmです。生まれた時から、鎖肛、耳介の前の小孔と小突起、外耳変形、筋低緊張があります。中耳炎を繰り返すため、6本のチューブを挿入しました。何を言われているかはほとんど理解でき、また、手話が理解できます。仰向けからうつ伏せに、また、うつ伏せから仰向けに寝返りをすることができ、また1才半の時にはひとりで座る事ができました。そして、1才9ヶ月で寝そべった状態から自分で座ることができるようになりました。補助をしてあげると歩く事もでき、自分の指で食事もできます。また、手を貸してあげるとコップから飲む事もできます。
●[家族12：アメリカ、男児]
1993年9月4日生まれ。母は28才。父は30才。母は、流産を１回経験しています。父は、t(11;22)転座の保因者です。父方の祖母、父の兄弟、叔父、叔母、さらに、曾祖母、曾々祖父もまたt(11;22)転座の保因者です。
お子様の出生体重は、6ポンド9オンス（2977グラム）、身長が20.5インチ（52センチメートル）。現在6才で、体重が40ポンド（18キログラム）、身長が40インチ（101.6センチメートル）です。生下時に、吸うことや飲み込むことが困難で、呼吸困難、耳介の前の小孔、筋低緊張、腎臓欠損、小頭症、両側鼠径ヘルニア、誤嚥がありました。萌歯の遅延、痙攣があるため薬物治療の必要がありました。下痢や中耳炎、呼吸器感染を繰り返しました。高音域の軽度の難聴があり、耳チューブを挿入していました。男児は、何を言われているかよく理解する事ができ、手話も理解できます。トイレも自立していますが、まだおむつは必要です。ハイハイはできますが、21ヶ月でできるようになりました。18ヶ月にひとりで座ることができ、20ヶ月で、寝そべった状態から自分で座ることができるようになりました。手助けなしで歩くことができます。誤嚥があるので、食事はチューブでとります。彼は、とても楽しい子供で、パズルやバスケットボールのドリブルができます。バランスが悪い考え方をしますが、他の子供たちと鬼ごっこをして遊ぶのが好きで、皆に喜びを与えます。
●[家族13：アメリカ、男児]
1987年7月20日生まれ。母は22才、父は32才。母は、t(11;22)転座の保因者です。母は、妊娠中に妊娠中毒症をおこしました。検査では、母方の両親を含めて、家族の他のメンバーに保因者はいませんでした。
男児の出生体重は、6ポンド9オンス（2977グラム）、身長が21インチ（53.3センチメートル）。11才の時には、体重が40ポンド（18キログラム）、身長が45インチ（114.3センチメートル）になりました。生下時には、口蓋裂、小下顎、吸うことや飲み込むことが困難、呼吸困難、鎖肛、耳介の前の小孔、耳介低位、低緊張、小頭症、長い指、小陰茎、停留睾丸、胃食道逆流、手術不要の小さな心室中隔欠損がありました。
また、萌歯の遅延があり、右耳には補聴器を装着していました。左耳には、手術を必要とするような重症感染症をおこし、こちら側の耳は聴力を完全に失いました。何を言われているかはほとんど理解することができ、背筋を伸ばして座りなさい、とか、歯ぎしりをやめなさい、とかの簡単な指示も理解できます。問題は、返答することです。一時期、「ママ」、「ノー」、「アンディ（兄弟の名前）」を言えたのですが、今は、わけのわからないことを言っているだけです。まだおむつを必要とします。ひとりで座ることができ、それは4才の時にできるようになりました。また、同時期に、寝そべった状態から座ることができるようになりました。ひとりで食べることができませんが、手伝ってあげればコップから飲むことができます。よく噛むことができません。世界中でもとびっきり幸せな子供です。とても愛情に満ちており、とても強いハグ（抱きしめること）をします。笑顔がすばらしく、部屋を明るくします。とてもしっかりしていて、理学療法を一生懸命にこなします。新しい人と会うのが好きで、動物が好きです。音楽が好きで、音楽に合わせて手拍子をとります。他の子供を見るのが好きで、みんなが遊んでいるのを見るとすごく元気になります。
●[家族14：アメリカ、女児]
1992年10月20日生まれ。母は34才、父は38才。母は、t(11;22)転座の保因者ですが、母の両親を含め、家族の他のメンバーは保因者ではありません。母は、流産を３回経験しています。
お子様の出生体重は、6ポンド6オンス（2892グラム）、身長は19インチ（48.2センチメートル）。6才の現在、体重が40ポンド（18.1キログラム）、身長が44インチ（111.8センチメートル）です。生下時に、ピエール・ロバン症候群、口蓋裂、小下顎、吸うことや飲み込むことが困難、耳介低位、外耳欠損、すなわち、鼓膜はあるけれど開口していない、筋低緊張、斜視、長い指、心房中隔欠損症、肺動脈狭窄、股関節脱臼がありました。女児は、法律上は失明になりますが、眼鏡を着用しています。痙攣があるので薬物治療を必要としています。脊柱側弯症、頻繁におこる便秘があり、中耳炎を繰り返していました。
言葉は理解することができます。食べること、いやいや、飲むこと、もっと、おしまい、よいこと、をサインで示すことができます。おむつは必要としています。仰向けからうつ伏せに、うつ伏せから仰向けに寝返りをすることができ、18ヶ月には、ひとりで座ることができるようになりました。また、同時期に、寝そべった状態から自分で座ることができるようになりました。補助をしてあげると歩くことができます。自分で食べることができませんが、パック飲料にストローを入れて飲むのが大好きです。家族は、手の上から手を添えて飲み物を支え、また指でスプーンを持って食べ物を運ぶのも手の上から手を添えてあげました。バーニーちゃんが大好きで、自分でビデオデッキにテープを入れて見ています。
●[家族15：アメリカ、女児]
1996年10月20日生まれ。母は26才、父は29才。現時点では母は、転座の保因者かどうかはわかりません。父も除外せねばなりませんが。
お子様の出生体重は、6ポンド6オンス（2892グラム）、身長20インチ（50.8センチメートル）です。2才半現在で、体重が23ポンド（10.4キログラム）です。生下時は、発育不良であり、鞍鼻、長い人中、仙骨のくぼみ、長い指があり、免疫力が低いため治療を必要としました。2才半でようやく、上方に引いてあげると立てるようになりました。26ヶ月でハイハイを覚えました。言葉を理解することはでき、「もっと」をサインで示すことができます。（「おいしい」に対して）「ナン」という単語を使うようになり、また、「はい」、「行く」、「うん」なども言い始めました。20ヶ月で仰向けからうつ伏せに、うつ伏せから仰向けに寝返りをすることができました。また10ヶ月になるとひとりで座ることができるようになり、2才では寝そべった状態から座ることができました。補助をしてあげると歩くことができます。自分で指やスプーンを持って食べることができ、コップから自分ですすって飲むことも出来ます。セサミストリートとテレタビーが大好きで、彼女の笑い声と笑い顔は何にも代えがたいものです。犬や子供が大好きで、特に１才上の兄が大好きです。
●[家族16：イングランド、女児]
1989年8月5日生まれ。母は27才、父は41才。母は、t(11;22)転座の保因者です。母方の祖父もまたt(11;22)転座の保因者です。
お子様の出生体重は、6ポンド（2722グラム）、身長は19インチ（48.2センチメートル）です。10才現在、体重は56ポンド（25キログラム）、身長が4フィート3インチ（129.5センチメートル）です。生下時から、高口蓋、吸う事、飲み込むことが困難、耳介の前の小孔と小突起、鞍鼻、長い人中と長い指がありました。そして歯牙萌出の遅延、脊柱側弯症、触覚防衛反応、頻繁におこる便秘、中耳炎があります。斜視は、2才の時に補正しました。下顎の前歯や切歯は乳歯の後ろに出現しました。14ヶ月で両耳が70デシベルの難聴と診断され、7才まで補聴器を装着し、8才でT字管を装着し、現在は補聴器を装着する必要がなくなりました。彼女の聴力は、9才で40-50デシベルでした。今では、中耳炎の回数も減少しました。
基本的なものですが、状況に応じた言葉は理解します。２択や３択は選ぶことができます。自転車に乗りたいときには、こちらが言ってやれば自転車のところへ行きますし、散歩に行きたいときは、こちらが言ってやれば靴を取りに行きます。「飲む」「ビスケット」「ベッド」「歯磨き」などのいくつかの手話を使うことができます。また、いくつかの基本的な単語を使えますし、鼻歌を歌いますし、「こっちへおいで」「元気？」「私はここよ」「いいこ」「ママ」「だっこ」などをしゃべることができます。たいていは、顔の表情と指さしでコミュニケーションをとります。
４才の時にハイハイができるようになり、８ヶ月の時にひとりで座れるようになりました。２才半の時には、寝そべった状態から座ることができるようになりました。１２ヶ月の時に、手伝ってあげれば、歩くことができるようになり、３才で、補助なしに歩けるようになりました。自分で指で食べることができますが、口には触覚防衛反応があります。できるのに、スプーンやコップを使うのをいやがります。手でものをつかむのを全般的にいやがります。スプーンでしか飲もうとしませんし、一口サイズの食べ物を指で食べることしかしません。
●[家族17：イングランド、女児]
1988年12月6日生まれ。母は26才、父は28才。母は、流産を4回経験しています。母は、t(11;22)転座の保因者です。母方の祖母、３人の叔父、2人の叔母、そして約25人のいとこたちも転座の保因者です。
お子様の出生体重は、６ポンド3オンス（2807グラム）、身長43cm。11才の現在、体重は42ポンド（19キログラム）、身長が4フィート（122センチメートル）です。出生時は、ピエールロバン症候群、高口蓋、小下顎、吸う事、飲み込むことが困難、成長不良、耳介の前の小孔、鞍鼻、長い人中、筋低緊張、斜視、長い指、首の皮膚のたるみ、生殖器低形成、胃食道逆流、股関節脱臼と形成異常、鎖肛、触覚防衛がありました。歯牙萌出は遅延していました。また脊椎側弯症があり、痙攣のため薬物治療を必要としています。また、頻繁に肺炎や中耳炎、尿路感染症を起こしています。肛門が弯曲して膣の方へ開口していたため、肛門を膣の後ろに移動する手術をせねばなりませんでした。ポートワイン状の母斑がたくさんあり、後ろの髪の生え際がかわった高い位置にあります。足指の爪の形成異常とレイノー症候群があり、１０才の時に代償性の甲状腺機能低下症になりました。浸出液による難聴が若干あり、鼓膜に穴をあけました。思春期は、１１才から始まりました。
言われたことは理解でき、いくつかのサインも理解できます。ただ、失禁をおこします。2才の時にひとりで座ることができるようになり、４才で寝そべった状態から座ることができるようになりました。3才で手を貸してあげると歩くこともできるようになりましたが、まだ人の手を借りずに歩くことはできません。コップからすすりながら自分で飲むことができます。彼女は読書が大好きで、座って雑誌のページをめくりながら何時間も過ごしています。音楽を聴くこと、天気予報、馬に乗ること、音楽療法、知覚部屋や車に乗ることが好きです。彼女は、学校ではスイッチのあるおもちゃで遊んでいます。
●[家族18：カナダ、女児]
1995年3月21日生まれ。母は25才、父は29才。母は、以前に流産を４回経験しています。妊娠中の問題点は、高血圧と、胎動の欠如と、3ヶ月の時の不正出血でした。母はt(11;22)転座の保因者で、母方の祖母もそうです。曾祖父母は検査をしていません。検査をした叔父は転座の保因者ではありませんでしたし、曾叔母も転座の保因者ではありませんでした。
お子様の出生体重は、6ポンド1オンス（2750グラム）、身長が19インチ（48.3センチメートル）です。４才の現在、体重が30ポンド（13.6キログラム）、身長が3フィート（91.4センチメートル）です。出生時に、ピエールロバン症候群、口蓋裂、小下顎、吸う事、飲み込むことが困難、呼吸困難、耳介低位、鞍鼻、長い人中、筋低緊張、仙骨のくぼみ、斜視、蒙古襞、首の皮膚のたるみ、生殖器低形成、股関節形成異常と脱臼、足指の爪の形成異常、触覚防衛があり、心房中隔欠損症と動脈管開存症は今でも健診を受けていますが、問題は生じていません。また、歯のエナメル質の欠損があり、頻繁に中耳炎や呼吸感染症をおこしています。また、液体貯留による軽度から中等度の難聴があり、鼓膜に穴をあけました。
多くの言葉やサインを理解することができます。欲求や理解を、ボディーランゲージや指さしや手話で示すことができます。「食べ物」、「こんにちは」、「音楽」、「おしまい」などのサインを使うことができ、サインで歌を歌い、聞かれたら、体のいくつかの部位を指し示すことができます。おむつを必要としています。仰向けからうつ伏せに寝返りすることができ、また、いやがりますが、うつ伏せから仰向けに寝返りをすることもできます。2才半でひとりで座ることができるようになりました。3才で、手を貸してあげると歩くことができるようになりました。ひとりで食べることはできませんが、ジュースを指さしたり、スプーンを持って、食事をねだってあなたに持たせます。手を貸してあげるとコップから飲むことができます。自分で本のページをめくることができ、熱心に音楽を聞きます。遅れずに音楽の拍子をとり、好きな人形を抱きしめたり、キスしたりします。子供番組を見ることが大好きですが、アニメは見ません。
●[家族19：カナダ、男児]
1993年3月18日生まれ。母は30才、父は34才。母は、流座を5回経験している、t(11;22)転座の保因者です。
お子様の出生体重は、6ポンド7オンス（2920グラム）、身長19インチ（48.3センチメートル）です。6才の現在は、体重が45ポンド（20.4キログラム）、身長が40インチ（101.6センチメートル）です。
出生時に口蓋裂、吸う事、飲み込むことが困難、耳介の前の小孔、横隔膜ヘルニア、胸骨後ヘルニア、筋低緊張、斜視、法律上の失明、小陰茎症、胃食道逆流、停留睾丸、治療を必要とする免疫不全、まれに痙攣があり、頻繁に便秘、中耳炎や呼吸器感染を繰り返し、触覚防衛反応、ハンマー型で金床型の骨による完全な難聴がありました。
約２０のサインを理解し、自分では約５つのサインを使用します。おむつを必要とします。仰向けからうつ伏せに、また、うつ伏せから仰向けに寝返りをすることができます。そして４才で寝そべった状態から座ることができました。３ヶ月の時にはひとりで座ることができました。４才では手を貸してあげると歩くことができました。自分の指で食べることができ、パックジュースにストローを入れてひとり飲むことが出来ます。加工食品は好きではありませんが、どんなおもちゃでも口に入れてしまいます。よく真夜中に足で壁をけり、お風呂が大好きで、水の中に入って遊ぶのが大好きで、ブランコが大好きです。
●[家族20：アメリカ、男児]
1994年11月12日生まれ。母は29才、父は34才。母は、流産を2回経験しており、t(11;22)転座の保因者です。出生前に子宮内で胎児発育遅延と骨盤位と診断され、37週目に帝王切開で出産しました。他の家族は転座の検査はしませんでした。
お子様の出生体重は、5ポンド2オンス（2325グラム）、身長19インチ（48.3センチメートル）、4才の現在で体重が31ポンド（14キログラム）、身長が41インチ（104センチメートル）でした。出生時に、口蓋裂、小下顎、耳介の前の小孔、耳介低位、筋低緊張、仙骨のくぼみ、斜視、萌歯の遅延、歯の本数が多く、下痢、中耳炎を繰り返し、触覚防衛がありましたがこれは後に改善しました。耳にチューブを１本挿入しており、右耳は中等度の感音性難聴と診断されましたが、左耳の聴力は問題ありませんでした。いくつかのサインを理解し、ふるまいを通して、話された言葉の多くを理解していることを示します。言葉と視覚との組み合わせに対して最もよい反応を示します。彼は約４−５個のサインを使うことができます。おむつを必要とします。仰向けからうつ伏せに、うつ伏せから仰向けに寝返りをすることができます。そして１才の時にずりばいができるようになりました。４才でよつばいでのハイハイができました。１才ではひとりで座ることができ、１才半で寝そべった状態から座ることができるようになりました。2才で手を貸してあげると歩くことができました。自分の指やスプーンを持って食べることができます。そして、同様に自分でコップから飲むことができます！ランプの傘や車のハンドルのような丸い物に非常に興味を持ち、回転する物に執着します。おもちゃの車が大好きで、おもちゃのガレージに車を1列に並べます。くずかごやトイレの中で遊ぶことが大好きで、そのためトイレのしつけがうまくいきません。テレビを見ることが大好きで、ビデオテープを差し込み口に入れて、ビデオデッキを作動させることができます。彼はとても明るくてかわいらしく、他の周りのこどもたちの中にいるのが好きで、みんなでする遊びに参加し始めています。彼の知的な発育は大変遅延していますが、自分自身のペースで着実に慣習的なマイルストーンを達成していっています。どんな活動にも参加でき、そしてモータースポーツに関しては、父親と趣味を共有します。
（文責：細羽、倉橋）
●[家族21：アメリカ、男児]
1996年10月11日生まれ。1997年3月16日に逝去されました。母は30才、父は35才。まだ誰がt(11;22)転座の保因者であるか調べていません。母は、流産を2回経験しています。
お子様の出生体重は、6ポンド4オンス（2836グラム）、身長が18インチ（45.7センチメートル）。出生時に口蓋裂、鎖肛、耳介低位、筋低緊張、腎機能不全、小頭症、仙骨のくぼみ、小陰茎症、停留睾丸、胃食道逆流がありました。また、心房中隔欠損症と心室中隔欠損症がありましたが、問題はありませんでした。チューブ栄養でした。難聴と診断されましたが、声に反応し、音楽をきくと落ち着きました。
●[家族22：アメリカ、女児]
1988年11月23日生まれ。母は39才、父は47才。母は、t(11;22)転座の保因者です。母は、流産を１回経験しており、妊娠期間中、出血があり、線維腫になりました。家族の他のメンバーは、他にt(11;22)転座の保因者がいるかどうかの検査はしていません。
お子様の出生体重は、6ポンド2オンス（2778グラム）、10才の現在、体重が50ポンド（22.7キログラム）、身長が49インチ（124.5センチメートル）です。口蓋裂、吸う事や飲み込むことが困難、耳介の前の小孔、耳介低位、筋低緊張、触覚防御、腎臓奇形がありました。また、中耳炎や尿路感染症を繰り返し、痙攣を起こすので、薬物治療を必要としました。心臓奇形はありませんでした。女児は、両耳それぞれ４０％と５０％の難聴ですが、補聴器をいやがりました。耳チューブを６本挿入しました。
女児は簡単な指示は理解することができますが、多くの手話や言葉は使うことはできません。トイレに行く必要があることを伝えることができなくて、おむつを必要としていますが、トイレはある程度規則的です。2才でハイハイができるようになり、ひとりで歩くことも出来ます。ひとりで食べ物を指で食べることができ、手伝ってあげるとスプーンで食べることもできます。そしてひとりでコップからすすって飲むことができます。
音楽やビデオが好きです、ダンスが好きで、思いやりがあり、教会に行ったり、外食をしたり、車に乗って楽しんでいます。
●[家族23：カナダ、男児]
1990年9月26日生まれ。母は33才、父は39才。母は、t(11;22)転座の保因者です。母は、流産を３回経験しており、不妊症の期間もありました。妊娠中は、28週目で切迫早産となり、32週目で早産となりました。胎児は、いつの超音波診断でも週数相当より予想体重が小さかったです。母方の祖父と、母方の曾祖父は、t(11;22)転座の保因者でした。
お子様の出生体重は、5ポンド4オンス（2381グラム）、身長が19インチ（48センチメートル）です。８才の現在、体重が65ポンド（29キログラム）、身長が４フィート（122センチメートル）です。吸う事や飲み込むことが困難で、呼吸困難、筋低緊張、腎臓奇形、仙骨のくぼみ、萌歯の遅延があり、痙攣のため薬物治療が必要で、頻繁におこる便秘や下痢、中耳炎を繰り返し、触覚防御と診断されました。また、右耳の中耳骨の奇形がありました。これらの骨は、内耳に音の振動を伝えるためにやわらかくないといけないのですが、この子供の場合は、固い骨でした。また、これらの中耳骨は、音を伝えるには大きさが小さすぎて、その結果、難聴となり、最後の聴力診断では40％の聴力と記録されていました。最初の１年は、音は聞こえませんでした。左耳にチューブを入れることで問題は改善しましたが、右耳は難聴が続いていました。裂傷が生じたため、チューブは取り外さなければなりませんでした。この裂傷から中耳炎が起こり、そのせいで裂傷は拡大しました。鼓膜は、両耳とも問題はありませんでした。右耳には、中耳骨の奇形がありました。右耳の鼓膜の上に嚢胞ができました。8才で、まだ、両耳の耳管が未熟でした。
男児は、まわりのものを理解していますが、3才ぐらいの程度です。発声音と体表現で自分を表現し、トイレに行きたい時のサインは理解をしているようです。５才で、「パパ」や「ママ」や「ボール」と言うことができましたが、言葉は聴能とともに失っていきました。まだおむつを必要としていますが、トイレは確立しています。仰向けからうつ伏せに、うつ伏せから仰向けに寝返りをすることができ、５才でずりばいができるようになりました。４才でひとりで座ることができました。2才で寝そべった状態から自分で座ることができました。４才で手を貸してあげると歩くことができ、８才でひとりで歩くことができました。時折、髪の毛を指に巻き付けてひっぱったり、人差し指でおしゃぶりをします。
自分で指やスプーンで食べ物を食べることができ、自分でコップから飲むこともできます。
● [家族24：アメリカ、女児]
1991年2月5日生まれ。母は31才、父は35才。母は、t(11;22)転座の保因者で、流産を6回経験しています。もうひとり、非嫡出子の男の子ですが、11/22の均衡型転座保因者の子供がいます。母方の祖母は、検査をして正常。母方の叔母も正常でした。母方の祖父は死亡しました。祖父の兄弟のうち３人が生存しており、検査しましたが、2人が正常で、もう１人が結果待ちの状態です。
お子様の出生体重は、5ポンド6オンス（2438グラム）、身長が19インチ（48センチメートル）です。８才の現在、体重が60ポンド（27キログラム）です。口蓋裂、小下顎、ピエールロバン症候群、耳介の前の小孔や小突起、耳介低位、外耳奇形、鞍鼻、筋低緊張、腎臓奇形があり、眼鏡を必要とし、萌歯の遅延、痙攣があるため薬物治療を必要としましたが、現在は、漸減してやめています。尿路感染症や中耳炎を繰り返し、触覚防衛があり、１つの腎臓には腎盂が過剰にありました。耳チューブを４本挿入しており、聴力は、液体貯留によって影響を受けているようです。
女児は、言われたことの８０％近くは理解しています。約５〜１０のサインは使うことができ、多くの表情と発声も使うことができます。指で指し示し、ジェスチャーを使います。「ママ」や先生の名前を言うことができます。おむつを必要とします。
2才半でひとりで座ることができるようになりました。仰向けからうつ伏せに、うつ伏せから仰向けに寝返りをすることができ、８才でずりばいができました。５才半で、寝そべった状態から座ることができ、６才で手を貸してあげると歩くことができ、８才で手助けなしで歩くことができました。彼女には、幾分の自傷行為があります。上を見上げて、頭を前後に振り、手を激しく振りながら、しばしば足をくんで、はさみのようにします。歯ぎしりをします。
自分で食べ物を指やスプーンで食べることができ、手伝ってあげるとコップから飲むことができます。女児は、みかけよりもずっと賢く、両親は、触覚防衛がほかのどの要因よりも彼女の行動を妨げていると考えています。彼女の兄弟は彼女より８才と５才年上なので、彼女をいろんな場所にも連れて行き、現実の世界に関わるようなふつうのことをたくさんし、人々の中にいるということが彼女にはたいへん役に立ちました。
●[家族25：アメリカ、女児]
1995年4月4日生まれ。母は22才、父は24才。母は、t(11;22)転座の保因者です。流産や不妊症は経験をしたことがなく、正常妊娠は１回ありました。母方の祖母と母方の叔母は検査をしましたが、転座はありませんでした。母方の祖父は、検査をすることができませんでした。
お子様の出生体重は、6ポンド2オンス（2778グラム）、身長が20インチ（50.8センチメートル）でした。現在４才10ヶ月で、体重が31ポンド（14キログラム）です。筋低緊張、萌歯の遅延、胃食道逆流、まれにおこる痙攣、側弯症、繰り返す中耳炎、股関節形成異常、触覚防御がありました。耳チューブを入れていましたが、聴力検査は行ったのですが無効という結果でした。言葉は理解でき、「お母さん」、「お父さん」、「さようなら」、「食べる」、「もっと」、「ジュース」、「ブルースクルーズ」などを知っています。「食べ物」、「もっと」や「バイバイ」などのサインは使うことが出来ます。言葉はしゃべりません。おむつを必要としています。
仰向けからうつ伏せに、うつ伏せから仰向けに寝返りをすることができます。ずりばいができません。2才でひとりで上手に座ることができるようになりました。寝そべった状態からひとりで座ることができますが、これは４才の時にできるようになりました。手助けしてあげても、歩くことはできません。ひとりで食べ物を指で食べることはでき、手を貸してあげるとコップから飲むことができますが、ひとりではできません。音楽、歌ったり、踊ったりする映画が大好きです。手をたたいて、母親と家のまわりで踊ることが大好きです。本や雑誌を見ることが好きです。動くおもちゃやエルモのように話すおもちゃや動物のぬいぐるみは好きではありません。車いすであちこち動きまわることを練習中です。
●[家族26：アメリカ、男児]
1999年10月11日生まれ。母は32才、父は33才。お子様は呼吸困難で、多臓器不全、脳卒中のために生後７週半で亡くなられました。母は、流産や不妊症は経験していません。妊娠６ヶ月の間で不正出血を経験しました。母は、t(11;22)転座の保因者ですが、ほかに子供さんが２人おられます。二人とも男の子ですが、転座はありません。
お子様の出生体重は、6ポンド12.5オンス（3076グラム）、身長が21インチ（53センチメートル）です。お亡くなりになった時は、体重が8ポンド6オンス（3799グラム）で、身長が21.3/4インチ（55.2センチメートル）でした。
口蓋裂、小下顎、吸う事、飲み込むことが困難、鎖肛、発育障害、耳介低位、横隔膜ヘルニア、仙骨のくぼみ、胃食道逆流、下痢があり、チューブ栄養を必要としました。未熟児用の特殊ミルクのみを用いていました。誤嚥がありました。
●[家族27：アメリカ、男児]
1997年11月27日生まれ。母は29才、父は30才。母は、以前に流産を１回経験しており、不妊症の期間がありました。また妊娠中に、何度か不正出血をがありましたが、それ以外は正常でした。母は、t(11;22)転座の保因者です。もう１人子供さんがいますが、娘さんで、検査はまだしていません。
お子様の出生体重は6ポンド11オンス（3033グラム）、身長が20.5インチ（52センチメートル）です。２３ヶ月の現在で体重が24ポンド（10.9キログラム）、身長が39インチ（99センチメートル）です。
呼吸困難があり、鞍鼻、筋低緊張、斜視のため眼鏡を装着しています、萌歯の遅延、小陰茎症、胃食道逆流、頻繁に起こる便秘症状、触覚防衛があります。男児は出生時、呼吸困難で６日間病院で過ごしました。数週間後、呼吸の問題で再び病院に戻りました。その後、中耳炎をおこしましたが、それは胃食道逆流によるものとわかりました。これらの現在の問題から、遺伝子検査を勧められ、その結果、転座があきらかになり、母が転座の保因者であることがわかりました。男児は、理学療法、作業療法、言語療法を受けました。１１才の時、自分で起き上がり始めました。まだ、よつばいや歩くことはしません。上半身の筋肉の大部分は低緊張です。手を貸してあげるとコップから飲むことができ、咀嚼することもできます。
●[家族28：アメリカ、男児]
1986年7月22日生まれ。母は２１才、父は２０才。母は、転座の保因者で、流産を１回経験しています。お子様の出生体重は6ポンド12オンス（3062グラム）、身長が20.3/4インチ（52.7センチメートル）です。１４才で亡くなりましたが、原因はわかっていません。130ポンド（59キログラム）、身長が5フィート５インチ（165.1センチメートル）でした。口蓋裂、吸う事、飲み込むことが困難、鎖肛、耳介低位、筋低緊張、腎機能異常、小頭症、仙骨のくぼみ、首の皮膚のたるみ、歯のエナメル質欠損、まれにおこる痙攣、頻繁に起こる呼吸器感染や中耳炎がありました。また、免疫不全もありました。わずかな片側肥大症があり、左前腕の手首から肘までに余分な骨がありました。腎臓奇形があり、生後５日目に摘出されました。また、脊柱後弯症や小さな心房中隔欠損症がありました。多くの耳チューブを入れていましたが、おそらく軽度の難聴だったかもしれません。腸回転異常があり、人工肛門造設術の手術も受けています。言われたことはすべて理解できていました。学校ではアメリカ手話を使いましたが、自分自身の方法でも手のジェスチャーでコミュニケーションを取っていました。８〜９才の頃、簡単な言葉を話し始めました。私たちは理解することができましたが、みんながわかるというものではありませんでした。失禁用パンツを必要としました。3才までにひとりで座ることができるようになりました。そして、自分の指やスプーンから食べ物を食べることができ、手助けなしで、コップを使うことができました。はいはいができましたが、歩くことはできませんでした。非常にコミュニケ−ションをとりたがり、いつも楽しそうです。微笑んでおり、社交的でした。お店が大好きで、音楽を聴いたり、漫画本を読んだりことが好きです。そして、映画も好きです。非常に愛情がこもった優しい性格で、積極的な態度やユーモアセンスがきわめて優れていました。
●[家族29：カナダ、男児]
1993年1月１9日生まれ。母は３５才、父は３２才。母は、転座の保因者であり、母の姉妹も転座の保因者です。母は、流産を４回していました。この妊娠は正常でした。男児の出生体重は、５ポンド13オンス（2637グラム）です。８才の現在では、45ポンド（20.4キログラム）、身長が45インチ（114.3センチメートル）です。男児は、生まれつき鎖肛、耳介の前の小孔と小突起、筋緊張が強く、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、極めて重症の動脈間開存がありましたが、１才の時の手術で治りました。２才の時に、腸軸捻転で人工肛門形成術を必要としました。出生時に、鎖肛がありましたが、完全に塞がっているわけではありませんでした。肛門管の形成手術と用手拡張をしましたが、2才で人工肛門形成術を行いました。男児は、かなり上手に話すことができますが、時折、少し理解することがむずかしい。2才半で話し始めました。自分でトイレに行くことができます。ひとりで指やスプーンを持って食べ物を食べることができ、コップから飲むことができます。
彼は、すごく社交的で、他の人とコミュニケーションを取ることが大好きです。音楽が好きで、ダンスをすることや歌うことが大好きです。８才で、統合学校の２年生です。しかし、成績としては前幼児レベルの動作です。細かい動作能力はすごく改善し、直線を垂直や水平にたどることができ、上手にはさみで切ることができます。オレンジ色以外は必ずしも認識することができません。ちょうど、具体的な対象を数える概念を把握し始めました。13までは空で数えることができます。
●[家族30：デンマーク、女児]
1999年7月9日生まれ。母は33才、父は29才。両親のどちらが転座の保因者であるかはわかっていません。お子様の出生体重は、2450gで身長が49cmです。１４ヶ月の現在、体重は9.3kg、身長が80cmです。小下顎症、吸う事や飲み込むことが困難、耳の小突起、筋低緊張、小頭症がありました。そして、頻繁に便秘や中耳炎が起こりました。女児の左目は、右目より少し低くて、まぶたが小さい。最初の１ヶ月は、気管がとてもやわらかく、呼吸の時に大きな音がしていました。３ヶ月には、心房中隔欠損症が発見されましたが、それ以来小さくなり、問題となりませんでした。右の内耳が変形していると考えられていました。右耳の難聴は、約80デシベルです。左耳は、感染症がない時でも約40デシベルでした。補聴器は、６ヶ月間使用しました。仰向けからうつ伏せに寝返りをすることができますが、まだひとりでは座ることはできません。女児は、いつでも楽しそうな女の子ですが、夜は、たいてい１０時間連続で眠ります。彼女は特に音楽や本が大好きで、ジムでボールにジャンプをしたり、ハンモックで高く飛ぶ、というような激しい遊びが好きです。
（文責：細羽、倉橋）
●[家族31：イングランド、女児]
1990年12月12日生まれ。母は30才、父は30才。母は、転座の保因者であり、母方の叔母、祖母も転座の保因者です。母は、流産を１回経験しています。お子様の出生体重は、7ポンド8オンス（3402グラム）、身長が55cmです。ひとりだけいる女児の兄弟は、転座ではありませんでした。９才の現在、体重が28kg、身長が4フィート（122センチメートル）です。筋低緊張があり、めがねをかけており、中耳炎を繰り返し、頑固な便秘や股関節脱臼があります。重度の学習困難と、熱性けいれん、筋低緊張があります。耳チューブを入れており、最近、乳様突起炎をおこし、感染した骨を除去せねばなりませんでした。まだ失禁があります。3才の時にひとりで座ることができるようになり、５才で寝そべった状態から座ることができるようになりました。自分の指で食べ物を口に運ぶことができ、手を貸してあげるとコップから飲むことができます。音楽が大好きで、とても社交的です。自分の手で持って遊ぶこと、宝石、ひざの上に抱かれて座ることが大好きです。
●[家族32：アメリカ、男児]
2000年10月2日生まれ。両親は２６才。母は、11/22転座の保因者です。出生体重は、６ポンド11オンス（3033グラム）。身長は、19インチ（48.3センチメートル）でした。口蓋裂、小下顎症、吸うこと、飲み込むこと、呼吸が困難、耳介の前の小孔と小突起、耳介低位、筋低緊張、腎臓の欠損、過剰肋骨、仙骨のくぼみ、斜視、蒙古襞、内反足、首の皮膚のたるみ、小陰茎症、停留精巣、胃食道逆流、触覚防衛があり、腸回転異常を修複するために手術をしました。チューブ栄養です。
●[家族33：イングランド、女児]
1986年5月30日生まれ。母は３０才、父は３２才。母は、転座の保因者であり、流産を１回経験しています。母の姉妹と兄弟は両方とも転座保因者で、母の父親もそうです。お子様の出生体重は、５ポンド５オンス（2410グラム）、身長が46cmです。吸うことや飲み込むことが困難、横隔膜ヘルニア、筋低緊張、歯のエナメル質欠損症、胃食道逆流、けいれんがあるため薬物治療を必要とし、頻繁に起こる便秘、側弯症、呼吸器感染症と中耳炎を繰り返し。触覚防衛があります。腸異常回転の修復のために手術をする必要がありました。食べることが困難で、まだよく噛むことができず、頻繁に消化不良や胸焼けで苦しんでいます。おそらく、食べる時に空気と飲み込むことが原因と思われます。よくよだれを垂らしますが、乳歯が抜けない状態で永久歯が生えてから、より悪いです。心房中隔欠損症は、要観察です。耳チューブを入れていますが、聴力は正常です。例えば、牛乳が欲しいの？本が見たいの？などの特に必要な言葉は理解できます。まだ失禁があります。４才の時にひとりで座ることができるようになりました。ひとりで食べ物を食べることはできませんが、手を貸してあげると、コップから飲むことができます。歌うことが大好きで、本を読むことが好きで、膝の上で抱っこされていることが好きです。大きな声で笑って、大きな声でうなっています。音楽ならどんなタイプのものでも大好きです。
●[家族34：アメリカ、男児]
1986年5月1日生まれ。母は18才、父は22才。男児は心臓の疾患で亡くなりました。母は、転座の保因者であり、流産を３回経験しています。男児の出生体重は、7ポンド11オンス（3487グラム）です。出生時に、口蓋裂、吸う事や飲み込むことが困難、鎖肛、耳の小突起や外耳変形、脳の嚢胞がありました。
●[家族35：アメリカ、男児]
1999年9月6日生まれ。母は１８才、父は２２才。母は、転座の保因者です。男児の出生体重は、７ポンド15オンス（3600グラム）、身長が21.5フィート（54.6センチメートル）です。お子様は現在９ヶ月で、体重が１４ポンド（6350グラム）、身長が２６インチ（66センチメートル）です。高口蓋、小下顎症、吸う事や飲み込むことが困難、呼吸に問題点があり（ピエール・ロバン症候群による）、耳の小突起や耳介低位、横隔膜ヘルニア、筋低緊張、首の皮膚のたるみ、中耳炎を繰り返し、股関節脱臼、心房中隔欠損症や動脈管開依症の心臓奇形があります。とても上手に腕と手を使います。おもちゃで遊ぶことが大好きで、特に、音楽が鳴るもの、もしくは、光を発するものが大好きです。チューブ栄養をしていますが、最近は、ベビーシリアルや瓶詰めのベビーフードを食べ始めています。吸うことは上手ではないのですが、おしゃぶりを吸うのは大好きです。
●[家族36：ブラジル、男児]
1997年4月8日生まれ。母は37才、父は23才。母は、転座の保因者であり、以前に流産を２回経験しています。男児の出生体重は、2150kgです。２才１０ヶ月の現在、体重が10.60kg、身長が90cmです。口蓋裂、小下顎症、吸う事や飲み込むことが困難、外耳変形、筋低緊張、小陰茎症、胃食道逆流、頻繁に起こる便秘や呼吸器感染症、心房中隔欠損症があります。２才の時にひとりで座ることができるようになり、２才６ヶ月で寝そべった状態から座ることができました。母は、彼のことをとてもよい子で、可愛らしい、大切な子供ですと言っています。
●[家族37：アメリカ、女児]
1982年1月30日生まれ。母は２１才、父は２３才。母は、転座の保因者ですが、一度も流産を経験したことはありません。女児は、出生体重が4ポンド15オンス（2240グラム）、身長が21.5インチ（54.6センチメートル）です。18才の現在、体重は85ポンド（38.6キログラム）です。高口蓋、小下顎症、吸う事や飲み込むことが困難、耳介の前の小孔や耳介低位、筋低緊張、斜視、眼鏡をかけており、法律上失明と認められました。歯のエナメル質欠損症、けいれんのため薬物治療を必要とし、側弯症、呼吸器感染や中耳炎を繰り返し、股関節脱臼や触覚防衛があります。頻繁に膝を脱臼するのでサポーターをする必要があります。また、足底や足首をサポートするギブスをしています。何度か耳チューブを入れ、現在まだ入れています。思春期は通常通り訪れました。「ダメ」、「触っちゃだめ」、「こっちを見て」、「座りなさい」、「口を開けなさい」とか、名前を呼ぶような簡単な命令には応じることができます。言ってくださいなどです。もし、彼女が特定のおもちゃを気に入っているようであれば、要望に応えて、そのおもちゃに触れることで応じるでしょう。彼女は、「ママ」、「ビン」、兄の名前（イーアン）、「いや」などを言っていました。８ヶ月で話し始めましたが、それ以上は話す事はできません。失禁があります。９−１０ヶ月の時にひとりで座る事ができるようになり、１才で寝そべった状態から座ることができるようになりました。3才で手を貸してあげると歩く事ができました。自分の指で食べ物を食べたり、スプーンで食べたり、自分でコップから飲むこともできます。音楽が大好きです。自分でギターを弾いたり、歌ってもらうのが好きです。時々、歌に合わせて歌うことに挑戦しています。女児の好きなおもちゃは、音楽が鳴ったり、音が鳴ったりするおもちゃです。静かな環境を好み、抱かれて、ゆっくり話されると、いい子にしています。外出するのが好きで、ブラブラ散歩したり、車に乗っている事が大好きです。短期間なら、プールで浮かんで遊んでいます。
●[家族38：イギリス、男児]
1996年6月4日生まれ。両親はともに１８才です。母は、転座の保因者で、母方の祖父、曾祖父も転座の保因者です。男児の出生体重は、7ポンド0.5オンス（3189グラム）、身長が49cmです。４才の現在、体重は２ストーン（12.7キログラム）、身長は104cmです。口蓋裂、小下顎症、吸う事、飲み込むことが困難、耳の小突起、停留精巣、鞍鼻、頻繁に起こる便秘と中耳炎があります。精神年齢は10ヶ月の子供ぐらいです。歩く事やハイハイはしませんし、言葉を話すことはないですが、喃語をしゃべります。耳チューブを２本入れています。数多くの中耳炎のせいで鼓膜が破れてしまいました。彼は何を言われているか理解しており、いろいろな音で答えます。１８ヶ月の時にひとりで座る事ができるようになり、30ヶ月で寝そべった状態から座る事ができるようになりました。手を貸してあげるとコップから飲むことができます。人や音楽をこよなく愛し、とても幸せでいっぱいな少年です。音楽が好きで、電子キーボードのような音の出るおもちゃが大好きです。
●[家族39：アメリカ、女児]
2000年1月6日生まれ。母は30才、父は34才。母は、転座の保因者であり、その子の同胞も転座の保因者でした。母の父、兄やおいもまた転座の保因者です。出生時の女児の体重は、6ポンド9オンス（2977グラム）、身長が21フィート（53.3センチメートル）です。１才８ヶ月の現在、19.2ポンド（8709グラム）、身長が32.75フィート（83センチメートル）です。女児は、小下顎症、耳介の前の小孔や筋低緊張があり、耳チューブを２本入れています。１６ヶ月の時にひとりで座る事ができるようになりました。非常に願望が強く、おもちゃに非常に興味を持ちます。女児の動作は何事に対してもとても一生懸命です。非常に興奮しやすく、音楽や、プールで泳ぐこと、動物や妹のことが大好きです。彼女のなすことすべてが特別ですが、最も私たちを助けてくれた彼女の性格は、粘り強さです。
（文責：細羽、倉橋）
