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受託検査依頼



ヘルペスウイルスに関するウイルス学的診断

ウイルス感染症グループは、ヘルペスウイルス属、特にHHV-6による感染症(脳炎/脳症、移植後感染症、DIHSなど)のウイルス学的診断、病態解明、診断・治療法開発を行っております。FilmArray髄膜炎・脳炎パネルも実臨床に使われるようになってきており、HHV-6陽性例の臨床的意義を考えるうえで定量検査が必要であれば随時対応しております。

実施可能な検査

HHV-6の末梢血からの分離、IgG抗体価測定、real-time PCR法による髄液中、末梢血中ウイルスDNA量測定、FISH法によるchromosomal integrated HHV-6(CIHHV-6)の診断

対象疾患

初感染時HHV-6脳炎・脳症、移植後HHV-6脳炎、DIHS(重症薬疹)等の症例とCIHHV-6が疑われる症例
上記疾患をはじめとしてHHV-6感染を疑われる症例があり、検査を依頼される場合には以下の手順でお願いいたします。

検査依頼方法

  1. メールにて依頼通知。
  2. 依頼書は所定の書式に入力してメールに添付および検体に同封してください。
※ 現時点では一般の診療として必要に応じてウイルス学的検査をお引き受けすることとしており、特に当方で同意書は準備しておりません。依頼元施設毎の検体採取についての同意書等の手続きが済んでいるだけで構いません。当教室では、対象疾患を含めHHV-6感染症の病態解明を進めています。このためHHV-6感染が証明された場合には、髄液や血清中のバイオマーカー測定などの解析をしたり、転帰や経過について問い合わせをさせていただく場合もあります。個人情報保護には十分配慮いたしますのでご理解の上、ご協力をお願いいたします。
※ 解析結果を学会発表、論文投稿にお考えの場合には事前にご連絡下さい。

検体の送付方法

  1. EDTA加血:2 mLを冷蔵(禁凍結)でお送り下さい。(ウイルス分離をするためには必要です)
  2. ヘパリン加血:5 ~7mLを冷蔵(禁凍結)でお送り下さい。(CIHHV-6診断のためのFISHに必要です ※注:一般のウイルス診断のみであれば必要ありません)
  3. 血清:抗体価による診断のためにはペア血清(急性期と回復期)が必要です。1mLを凍結してお送り下さい。
  4. 髄液:1mLを凍結してお送りください。(可能であれば同時期に採取した血清をお送りください)
  5. 臨床データを入力して、メールで送付してください。
担当 河村吉紀
E-mail yoshiki@fujita-hu.ac.jp
以下の住所に依頼書を同封のうえ宅急便にてお送りください。
※配達日は月~金曜着でお願いします(土・日・祝日には受け取ることができません)

〒470-1192
愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98
藤田医科大学医学部小児科 ウイルス感染症グループ 宛て

ロタウイルス感染症に関するウイルス学的診断

我々、ウイルス感染症グループは、本学ウイルス寄生虫学教室(谷口孝喜教授)と共同で、ロタウイルス感染に伴う合併症の病態解明も進めています。ロタウイルス胃腸炎に合併した脳症症例をはじめとした重篤な合併症を呈した症例がありましたら、便中ウイルスのタイピング、RT-PCR法による髄液中ウイルスRNA検出等の検査が可能です。

検査依頼方法

  1. メールにて依頼通知。
  2. 依頼書は所定の書式に入力してメールに添付および検体に同封してください。
※ 当教室では、対象疾患を含めロタウイルス感染症の病態解明を進めています。このためロタウイルス感染が証明された場合には、髄液や血清中のバイオマーカー測定などの解析をしたり、転帰や経過について問い合わせをさせていただく場合もあります。個人情報保護には十分配慮いたしますのでご理解の上、ご協力をお願いいたします。
※ 解析結果を学会発表、論文投稿にお考えの場合には事前にご連絡下さい。

検体の送付方法

  1. 便:滅菌スピッツに少量採取し冷蔵あるいは凍結でお送り下さい。(ウイルスのタイピングに必要です)
  2. 血清:抗体価測定、抗原血症解析のために必要です。1 mLを凍結してお送り下さい。
  3. 髄液:1 mLを凍結してお送りください。(可能であれば同時期に採取した血清をお送りください)
  4. 臨床データを入力して、メールに添付して送付してください。
担当 河村吉紀
E-mail yoshiki@fujita-hu.ac.jp
以下の住所に依頼書を同封のうえ宅急便にてお送りください。
※配達日は月~金曜着でお願いします(土・日・祝日には受け取ることができません)

〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98
藤田医科大学医学部小児科 ウイルス感染症グループ 宛て

各脳症病型の診断基準

急性壊死性脳症

Acute necrotizing encephalopathy (ANE)
1) 発熱を伴うウイルス性疾患に続発した急性脳症
意識レベルの急速な低下、けいれん、異常行動

2) 髄液検査
細胞増多なし、蛋白はしばしば上昇

3) 頭部CT、MRIによる両側対称性、多発性脳内病変
両側視床病変に加えて、しばしば大脳側脳室周囲白質、内包、被殻、上部脳幹被蓋、小脳矢状核周囲にも病変を認める。他の脳領域に病変を認めない。

4) 血液検査
血清トランスアミナーゼ上昇、アンモニア正常

5) 類似疾患の除外
臨床的見地からの鑑別診断
重症の細菌・ウイルス感染症、劇症肝炎、中毒性ショック、溶血性尿毒症症候などの毒素に起因する疾患、Reye症候群、出血性ショック脳症症候群、熱中症
放射線学的(病理学的)見地からの鑑別診断
Leigh脳症などのミトコンドリア異常症、グルタール酸血症、メチルマロン酸血症、乳児両側性線条体壊死、Wernicke脳症、一酸化炭素中毒、急性散在性脳脊髄炎、急性出血性白質脳炎などの脳炎、脳血管炎、動脈性・静脈性梗塞、低酸素症、頭部外傷の影響
水口雅:急性壊死性脳症. 小児内科 36:1129-1132,2004

出血性ショック脳症症候群

Hemorrhagic shock and encephalopathy syndrome (HSES)
確定:9項目陽性、疑い:7、8項目陽性

  1. ショック
  2. 脳症(昏睡、けいれん)
  3. 下痢
  4. DIC
  5. Hb、Pltの低下
  6. 肝酵素の上昇
  7. 腎機能低下
  8. アシドーシス
  9. 培養の陰性
Bacon CJ, Hall SM: Haemorrhagic shock and encephalopathy syndrome in the British Isles.
Arch Dis Child 67: 985/993, 1992

遅発性拡散能低下を呈する急性脳症(けいれん重積型急性脳症、二相性脳症)

Acute encephalopathy with biphasic seizures and late reduced diffusion (AESD)

[臨床像]
発熱24時間以内にけいれん(多くはけいれん重積)で発症。
意識障害はいったん改善傾向。
4-6病日にけいれん(多くは部分発作の群発)の再発、意識障害の増悪。
原因病原体としてインフルエンザウイルス、HHV-6,7 の頻度が高い。
軽度精神発達遅滞(発語の低下、自発性の低下)から重度の精神運動障害まで予後は様々。

[画像所見]
2病日に施行された MRI は正常。
3-9病日に拡散強調画像で皮質下白質高信号を認める。T2強調画像、FLAIR画像ではU fiberに沿った高信号を認めうる。
厚生労働科学研究(難治性疾患克服研究事業)
重症・難治性急性脳症の病因解明と診療確立に向けた研究班(急性脳症研究班、水口班)
平成22年度研究報告

可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症

Clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion (MERS)

[臨床像]
熱後1週以内に異常言動・行動、意識障害、けいれんなどで発症する。
多くは神経症状発症後10日以内に後遺症なく回復する。

[画像所見]
急性脳梁膨大部に拡散強調画像で高信号を呈する。T1, T2信号異常は比較的軽度。
病変は脳梁全体、対称性白質に拡大しうる。
病変は1週間以内に消失し、信号異常、萎縮は残さない。
厚生労働科学研究(難治性疾患克服研究事業)
重症・難治性急性脳症の病因解明と診療確立に向けた研究班(急性脳症研究班、水口班)
平成22年度研究報告