1. ホーム
  2. 研究
  3. 研究テーマ

研究テーマ

消化器がんにおける、腸内細菌叢に関する研究

私たちの腸には細菌・ウイルスや真菌からなる微生物が常在しています。これら微生物の中で、腸内細菌は100兆個以上、重さにすると1キロを超えると見積もられています。さらに、腸内細菌が抱える遺伝子は、私たちの150倍になります。このような腸内細菌の集まりは腸内細菌叢、またはお花畑に例えて、腸内フローラと呼ばれています。腸内細菌叢は、私たちの腸で消化しきれない食物残滓の代謝と分解を豊富な遺伝子を用いて行っています。そして、腸内細菌叢が分解した栄養素から、私たちは体で消費されるエネルギーの約10%を得ています。このように私たちは腸内細菌叢と共生状態にあり、腸内細菌叢は「隠れた臓器」とも呼ばれています。

プロバイオティクス/プレバイオティクスの研究

近年、近年の研究から、腸内細菌叢と免疫、代謝、脳神経など、体中の様々な疾患との関連性が解明されています。これらの研究報告は、腸内環境の改善は、単に整腸効果をもたらすのみならず、様々な疾病の改善につながる可能性を示唆しています。
当研究室では、腸内環境を改善する素材である「プロバイオティクス*注1」「プレバイオティクス*注2」を用いて医学分野における補完治療の確立を目指した研究を行っております。
当科において、独自の研究アプローチにより選択されたプロバイオティクス、プレバイオティクスを使用することにより、医学分野での様々な疾患の改善をサポートすることで患者様のQOL改善につなげるべく日夜研究を行っています。
これらの研究から、将来的には、プロバイオティクス・プレバイオティクスを併用した新たな治療メソッドの確立につながるかもしれません。

*注1)プロバイオティクスとは身体に対し有益な効果を発揮する生きた菌のことです。代表的なものは乳酸菌やビフィズス菌です。
*注2)プレバイオティクスとは、主として腸内に存在する有用な菌を特異的に増やし生体によい効果をあたえる成分です。代表的なものは、オリゴ糖や食物繊維が該当します。