藤田保健衛生大学精神科

特殊診療 rTMS療法について

この診療のかかり方

担当者 入院担当医 この治療は入院していただく必要があります。

どのような患者さんを対象にしているか

以下に挙げる項目に合致する 18 歳以上の方が rTMS 療法の対象となります。精神科専門医による判断が必要となります。

  • うつ病(大うつ病性障害)の診断を受けていること
  • 抗うつ薬による適切な薬物療法で十分な改善が得られていないこと
  • 中等症以上の抑うつ症状を示していること

*上記の項目を満たしていても、学会が定めた適正使用指針(rTMS 療法のルール)に基づいて、担当医師が適応外と判断した場合は、rTMS 療法をお断わりすることや、途中で終了することがあります。
*刺激部位に近接する金属(人工内耳、磁性体クリップ)・心臓ペースメーカー使用されている方などには施行できません。

どのような診療をするか

反復経頭蓋磁気刺激(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation; rTMS)は、専用機器で磁場を発生させ特定部位の神経細胞を繰り返し刺激して、うつ病による症状を改善させる治療です。抗うつ薬による治療を継続しながら、rTMS 療法を追加することが可能です。
保険診療では、rTMS 療法に関する講習を受けた日本精神神経学会認定の専門医の指示のもと、1 日 40 分、週 5 日、4 週から 6 週間にわたる rTMS 実施が認められています。安全性が高く、また薬物療法だけでは十分な効果がなかったうつ病患者さんが改善する可能性があります。この治療は入院において実施いたします。
初回の診察で、rTMS療法の適応の有無について、有効性と安全性の観点から評価します。必要に応じて薬物療法の調整や脳波検査など詳しい検査などを実施することがあります。初回のrTMS療法実施日は、刺激部位と刺激強度を決めてから治療を開始します。専用のトリートメントチェアに座って、左前頭部に治療コイルを設置します。初めの数回は刺激による痛みや不快感を生じる場合もありますが、慣れにより軽減します。刺激そのものは約40分かかります。月曜から金曜日(祝日は除く)に30回ほど6週間に亘り施行します。
治療クールの終了については、有効性、安全性に基づいて医師が判断いたします。

問題点

rTMS療法は副作用が比較的少なく、安全性の高い治療であると考えられていますが、TMS刺激毎に頭部の筋収縮が生じるため、初めの数回はその刺激による痛みや不快感を生じる場合もあります。しかしながら、大半は慣れにより軽減します。

頻度の多い副作用:頭皮痛、刺激痛、頭痛、顔面の不快感、肩こり等

セールスポイント

適応疾患であれば、通常、症状の改善がみとめられます。

その他注意点

ご希望の場合、まずはかかりつけの先生にご相談ください。その上でご紹介いただければ当院外来で施行できるか判断いたします。

ご紹介いただく際は以下の点にご注意ください。
  1. 入院しての治療になります。
  2. 約30回、約6週間の入院中に施行します(月―金曜、土日祝日は施行しません)
  3. 病状や予約状況により閉鎖病棟にご入院していただく可能性があります
  4. rTMS終了後はご紹介元にお戻りいただきます

お問い合わせ

藤田医科大学精神科外来 電話 0562-93-2170, 2171