研究内容

応用細胞再生医学講座では「幹細胞」の研究を推進しています。

◆ 幹細胞の種類について



方針イメージ

 

【幹細胞;Stem Cell】
 幹細胞は、自己複製能と様々な細胞に分化する能力(多分化能)を持つ特殊な細胞です。この2つの能力により、発生や組織の再生などを担う細胞であると考えられています。幹細胞には、その由来や能力などから、幾つかの分類がされており、主に胚性幹細胞(ES細胞)、体性幹細胞、iPS細胞などが挙げられます。

【胚性幹細胞;Embryonic Stem Cell (ES細胞)】
 胚性幹細胞(ES細胞)は、受精卵後、胚盤胞の段階に発生した胚(内部細胞塊)より分離され、株化された幹細胞です。故に、ほぼ全ての組織(細胞)への分化能を有する万能細胞と考えられています。

【体性幹細胞;Tissue Stem Cell】
 体性幹細胞は、身体の組織に存在しており、ある程度の多分化能を持ち、発生過程や、細胞死、損傷組織の再生において、新しい細胞を供給する役割を持つと考えられています。ES細胞に比べると、体性幹細胞の持つ多分化能は限定されると考えられていますが、自己の幹細胞を治療に用いることができることから、現在、多くの臨床応用が進められています。

【iPS細胞;induced Pluripotent Stem Cell】
 iPS細胞は、2006年に京都大学の山中伸弥教授によりマウス線維芽細胞にウイルスベクターを用いて4つの因子(Oct3/4, Flk1, Sox2, c-Myc)の遺伝子を導入することで、人工的にES細胞様の多能性幹細胞が樹立されました。翌2007年には、同教授により、ヒトの細胞を用いたiPS細胞の作製にも成功し、この功績が認められて2012年にノーベル医学生理学賞を受賞されました。成熟細胞のリプログラム(細胞の若返り)の可能性とともに、再生医療への応用など多くの分野で注目を浴びている幹細胞の一つです。

応用細胞再生医学講座では、特に私たちの皮膚に存在する幹細胞の研究を進めています。

皮膚の幹細胞の研究を進めることで、皮膚の再生メカニズムの解明やそれを応用した新しい治療技術また治療薬の開発を目指してまいります。

 

 

◆ 再生医療について

 

 私たちの身体は、日々その恒常性の維持に努めています。これら恒常性の維持により、ある程度のダメージを受けた組織でも再生する能力を備えています。現在までの研究から、この組織の再生には、幹細胞と呼ばれる特殊な細胞が大きく関係していることがわかってきました。幹細胞には、2つの能力があると考えられています。一つ目は、自分とまったく同じコピー幹細胞を複製することができる能力(自己複製能)を持つことで、自分自身を長期に渡り維持することができると考えられています。また、もう一つの能力として、様々な種類の細胞へ分化する能力(多分化能)を持っています。この能力により、病気やケガで組織がダメージを受けても幹細胞が新しい細胞を生み出すことで、その組織は再び再生すると考えられています。幹細胞の持つこれらの特殊な能力を上手く応用活用できれば、今まで治療が困難であった疾病にも対応できる次世代の医療技術としての確立が期待されています。

 これまでの研究から、幹細胞にも幾つか種類(分類)があり、それぞれの幹細胞の特徴に合わせた再生医療への応用が検討されています。今後、再生医療が確立されることで、現在疾病で苦しんでいる多くの患者の皆様へ福音をもたらす医療技術へと進歩させることができるよう、我々も研究を進めてまいります。