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2024年度


【放射線学科】コンケン大学留学体験記

医療科学部 放射線学科 3年 藤井 美凪さん

プログラム修了式での一枚(写真左)

 私は、日本とタイの放射線技師の業務や放射線医療技術の違いについて学んでみたいと思い、大学3年次の3月に1か月間タイのコンケン大学に留学させていただきました。

 渡航前は、言語の壁や文化の違いに不安を感じていました。しかし、大学の先生方や学生がとても親切で、常にサポートしてくれたおかげで、次第に環境に慣れることができました。
 
 留学期間中の4週間は、現地の病院で臨床実習をさせていただきました。日本と大きく異なる点のひとつは、タイでは学生であっても放射線を実際に照射することが認められていることです。私は実際に撮影を行い、整位をタイ語で指示する経験もできました。最初は言葉が思うように出てこず苦労しましたが、何度も現地の放射線技師の方が丁寧に教えてくれたおかげで、患者さんに理解してもらえるようになりました。また、日本とタイの医療現場にはいくつかの違いがあります。日本ではマニュアルやルールに基づいた厳格な運用が多いのに対し、タイでは柔軟性が高く、働き方も比較的寛容です。さらに、患者と放射線技師との距離が近く、親しみやすい雰囲気で検査が進められることがとても印象的でした。
 
 学外では、休日にはコンケン大学の学生と一緒に食事に出かけたり、買い物に行ったりしました。屋台やショッピングモールで過ごす時間は、勉強とは違った形でタイ文化に触れる機会となり、交流を通じて多くの人とコミュニケーションを取ることができて、とても楽しい時間でした。タイと日本は文化が違うことがたくさんありましたが、共通することも多く、タイで有名な日本のキャラクターや音楽などもたくさんあり、話すきっかけにもなりました。
 
 今回の留学を通じて、自分の視野が大きく広がったと感じました。医療制度や働き方は国によって異なりますが、それぞれに良い点があり、日本での学びや働き方を相対的に考えるきっかけになりました。さらに、言語や文化の違いを乗り越えて臨床実習をやり遂げた経験は、自信にもつながりました。とても貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。留学を支えてくださった方々に感謝申し上げます。

週末に参加したボランティア活動での一枚

医療科学部 放射線学科 3年 青山 亜佐美さん

放射線治療部門の技師さんや学生との一枚(写真左下)

 私は以前より海外留学に関心を持っていましたが、在学中に視野をより広げたいという思いで、今回、放射線学科として初めての取り組みとなる交換留学制度を利用し、タイ・コンケン大学での1か月間の留学に参加しました。

 現地の大学附属病院では、骨密度測定、一般撮影、IVR、CT、MRI、放射線治療など主要なモダリティを幅広く体験しました。機器の操作や撮影技術においては、日本で学んだ知識を活かしながら実践的な学びを得ることができました。特に印象的だったのは、タイでは学生が実際の患者さんに対して整位や放射線照射を伴う実習を行える点です。技師の方々の指導のもとで行われるこの実習は、日本では得難い非常に貴重な経験となりました。

 また、コンケンが位置するタイ北東部では、生魚を食べる文化があり、それに寄生する吸虫が原因で発症する肝内胆管癌の患者さんが多く見られます。そのため、病院には肝内胆管癌の研究施設が併設されており、地域特有の医療課題に直接触れることができました。週末には大学のバスで地域に出向き、高齢者の方々への骨密度測定や、グループでの医療知識に関する発表を行うなど、地域医療に関わる活動にも参加できました。

 実習中に使用されていた言語は、患者さんはタイ語を話し、私たちは主に英語を用いて技師や学生とコミュニケーションを取りました。専門的な内容を伝えることに最初は難しさを感じましたが、1か月間の交流を通じて英語への抵抗感は大きく和らぎました。特に印象に残ったのは、タイの学生や技師の高い英語力です。普段はタイ語で会話している学生も、発表用のスライドはすべて英語で作成し、講義後の質疑応答も英語で行っていました。医学を英語で学ぶ姿勢に刺激を受け、私自身の英語学習に対する意欲も一層高まりました。

 病院内の食堂では、約400円で多彩なタイ料理を楽しむことができ、どれも美味しくヘルシーでした。暑さの影響で生活のリズムが夕方から夜にシフトしていたことや、甘い飲み物をテイクアウトする習慣など、日本とは異なる生活様式にも触れることができました。実習後には、各モダリティの先生方がイーサン料理のレストランへ連れて行ってくださったり、ご自宅のカフェに招いてくださったりしました。また、同級生とカラオケに行った際には、日本語の曲を一生懸命歌ってくれるなど、温かい交流の時間をたくさん持つことができ、現地の方々のホスピタリティに心から感謝しています。

大学食堂での食事

大学敷地内の夜市

 今回の交換留学は、放射線学科として初めての試みであり、事前準備の段階から現地の先生方、国際交流センター、担当教員をはじめ、多くの方々のご協力をいただきました。このような貴重な機会を与えていただけたことに、心より感謝申し上げます。

研修最終日での一枚

CTでの実習中の写真