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講義レポート


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第4回

第4回「課題解決までの道筋を立てる」
日時:2021年12月15日(水)、16日(木)、17日(金)
会場:オンライン

第4回は、今後の実践を見据えて、課題解決に向けた思考・情報の整理を行い、実践力の強化と解決策の検討を深めることをねらいとした。
1日目は、各市町村が事前課題で取り組んだアクションに対して、課題検討に向けてより具体的な解決策の検討ができるよう助言を行った。
2日目は、総合事業やケアマネジメントの理念や目指す姿の理解のため、服部真治氏の特別講義を開催した。
3日目は、真因の掘り下げや打ち手の検証など課題解決シナリオを明確化できるよう講師から問いや助言が行われた。
第4回終了後、参加者が気づきを共有し、互いの学びを深めながら、成果報告に向けたネクストアクションの方向性を見出せることを目指した。

≪1日目≫
課題解決の実践力を高める①
課題と打ち⼿の検討

講師:PHP総研 主席研究員 兼 立教大学大学院 特任教授 亀井 善太郎
   ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   医療経済研究機構 主席研究員 服部 真治
   豊明市 市⺠生活部 市⺠協働課 課⻑ 松本 小牧
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛
ファシリテーター:
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   NTTデータ経営研究所 ⾼橋 拓朗
   NTTデータ経営研究所 井上 裕章

第3回終了後に取り組んだ内容を踏まえ、わがまちの課題とその解決策について、3グループに分かれて検討した。課題の掘り下げや解決策の検討に向けて、講師からフィードバックを行った。

ネットワーキングタイム(オンライン懇親会)
前回同様、1日目終了後に、オンライン懇親会を実施した。都道府県の参加者も加わり、第4回の感想や第5回に向けた不安、やってみたいことなどを共有した。

≪2日目≫
課題解決の実践力を高める②
総合事業やケアマネジメントに関する特別講義

講師:医療経済研究機構 主席研究員 服部 真治

総合事業の⽬指す姿を適切に理解し、今後事業設計で取り組むべきことを検討した。総合事業やケアマネジメントに関する参加者の質問に、講師が解説する形で進め、実践や改善に向けたアドバイスとなった。

≪3日目≫
課題解決の実践⼒を⾼める③
学びの振り返り(トークタイム)

ファシリテーター:
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   NTTデータ経営研究所 ⾼橋 拓朗
   NTTデータ経営研究所 井上 裕章

3グループに分かれ、「プログラムに参加した感想や自身やチームの変化、終了後にしたいこと」をテーマに、これまでの学びを振り返りながらコメントを共有した。チャット上でも、応援・共感のメッセージが送られ、参加者間の親睦を深める時間となった。

課題解決の実践力を高める④
課題解決シナリオのブラッシュアップ

講師:ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   医療経済研究機構 主席研究員 服部 真治
   三菱UFJリサーチ&コンサルティング 主席研究員 岩名 礼介
   豊明市 市⺠生活部 市⺠協働課 課⻑ 松本 小牧
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛
ファシリテーター:
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   NTTデータ経営研究所 ⾼橋 拓朗
   NTTデータ経営研究所 井上 裕章

1日目の検討を踏まえ、3グループに分かれてわがまちの課題と解決策を参加者間で共有した。講師との対話を通して、課題解決シナリオを整理しながら、第5回の成果報告会に向けて進めるべきアクションを検討した。

参加者の声(アンケート結果より一部抜粋)
【ワーク】

  • 実態把握でみえてきた当市の問題となっている部分に危機感を持って取り掛からなければと思いました。まとめ方の形式に捉われずに、ただし、筋道が分かるよう整理していかなければと思いました。思考を繰り返し、そこから見えてきたものに対してなるべく有効なアプローチとなるように打ち手を検討していきたいです。
  • 誰かとやり取りしながら「真因」を具体的に考えると 「打ち手」の精度が上がり「課題」がはっきりする。
  • 抽象的な言葉で逃げず具体的な言葉で書く。できるだけ細かく書く。包括の問題意識に沿った形で提案する。
  • 地域づくりはサービス作りではない。小さくてふわっとしたニーズがとても大事。
  • 聞き取りを行うことで、現状が見え、その後もこうしてほしいという押し付けではなく、どうしていくかを一緒に考えていくことが大切だと学びました。
  • 日々の業務で関わる専門職との会話も具体的にイメージしながら話をするので、共感を得られるようになりました。

【服部先生 特別講義】
  • 総合事業の成り立ち、意味を理解することができた。元に戻すという大事な部分が抜けていた。
  • 事業設立の経緯から知ることができ、総合事業が本来どうあるべきかを学びました。決して利用しやすいだけの事業ではなく、適切に活用しなければならないと思いました。市で委託して運用している事業についても総合事業の主旨に沿った有効なものとなるように考えたいです。
  • 事業と保険制度は違う。事業は住民に選ぶ権利はないけど、地域の実情に応じて作ることはできる。
  • 見て見ぬふりをしていたことを突き付けられたような思いです。総合事業の目的を、もう一度きちんと理解し、介護サービス・地域支援事業全体も見て、今動いている事業をどう方向転換・修正していくのか、考えていかなければと思います…。
  • この講義が聴けてよかったです。総合事業について本当に分かってなかったです。どういう経緯で総合事業ができたのか、を知ることで、要支援と要介護の違い、総合事業と、要支援の事業と給付の違いがよくわかりました。

【トークタイム】
  • 市町村違えど、抱える悩みは共通しているということや、皆打開するために、様々取り組んでいることを講師の皆様の助言も受けながら聞くことで、我が町のことを振り返る機会となった。
  • 他市の包括のケアマネジャーが担当している受け持ち件数や包括業務との兼ね合い、委託の様子などを聞くことができ、参考になりました。
  • チャットでやりとりした方の名前とお顔ともつながってより、親近感が強くなりました。
  • ワークとは違った時間がとれて、社協との関係とかいろいろと話が聞けてよかったです。もっといっぱい話したい事、聞きたいことがあるなと思いました。
  • 他の自治体では、社協さんに委託することについて、複雑な思いの中やられていることがわかり、新鮮でした。本市は社会福祉事業団と社協が福祉関係での大きな委託先にはなっていますが、これから担当になる事業では、簡単に委託するという結論を出すことなく、委託先の強みや市の思いがどこまで反映できるか、委託する事業について市と協働していけるか等、前例踏襲ではなく気を付けていこうと思います。

第3回

第3回「わがまちの課題を見極める」
日時:2021年11月15日(月)、17日(水)、18日(木)
会場:オンライン

第3回は、これまで地域で行ってきた個別ケース分析や調査から、課題を見極めるコツをつかむことをねらいとした。
1日目は、各市町村が事前課題で取り組んだアクションに対して、講師が「本当に解決すべき課題」を見極められるように助言を行った。
2日目前半は、豊明市関係者のトークセッションを通じて、課題解決に向けた関係者の協働のあり方を理解し、地域の力に気づくことをねらいとした。
2日目後半と3日目は、課題解決向けたアクションを明確にするため、講師から課題の見極めに導く問いや助言が行われた。
第3回終了後、参加者が自ら問いや仮説を立て、地域でどのような情報をつかみ、誰とどのようにコミュニケーションをとっていくのか、いくつかの方向性を見出せることを目指した。
≪1日目≫
わがまちの「本当に解決すべき課題」を見極める

講師:PHP総研 主席研究員 兼 立教大学大学院 特任教授 亀井 善太郎
   ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   医療経済研究機構 主席研究員 服部 真治
   三菱UFJリサーチ&コンサルティング 主席研究員 岩名 礼介
   豊明市 市⺠生活部 市⺠協働課 課⻑ 松本 小牧
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛
ファシリテーター:
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   NTTデータ経営研究所 ⾼橋 拓朗

第2回終了後に取り組んだ、地域での調査や課題検討の状況を、3グループに分かれて共有した。講師からは、より良い打ち手の検討に向けて真因を見極めるための問いかけや、課題解決に向けて誰にどう働きかけるか、さらに補強すべきことは何かなどの助言を行った。

ネットワーキングタイム(オンライン懇親会)
1日目終了後にオンライン懇親会が開催された。プログラム内では解決しなかった参加者から講師への質問なども含め、和やかな雰囲気で進行した。

≪2日目≫
前半
課題解決に向けたアクションの検討①
課題解決に向けた関係者との協働を考える

わがまちでの課題検討・解決に向けて、地域関係者との関わり方や地域の可能性について考えるため、専門職や生活支援コーディネーターなどの関係者の想いや考え方を理解するテーマ別トークセッションを実施した。トークは事前に受講生から寄せられた質問に基づいて展開された。
① 自立支援に向けた関係者との協働
講師:藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛
   豊明市 市⺠生活部 市⺠協働課 課⻑ 松本 小牧

② 地域資源の発掘・SCの役割
講師:豊明市 市⺠生活部 市⺠協働課 課⻑ 松本 小牧
   豊明市 市⺠生活部 市⺠協働課 係長 生活支援コーディネーター 竹田 哲規
   豊明市 健康福祉部 健康長寿課 生活支援コーディネーター 成田 町子
   豊明市社会福祉協議会 生活支援コーディネーター 久保 祥

≪2日目≫
後半
≪3日目≫
課題解決に向けたアクションの検討②
課題解決シナリオ作成に向けたアクションプラン検討

講師:ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   医療経済研究機構 主席研究員 服部 真治
   豊明市 市⺠生活部 市⺠協働課 課⻑ 松本 小牧
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛

ファシリテーター:
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   NTTデータ経営研究所 ⾼橋 拓朗

1日目同様グループに分かれ、前日のワークを踏まえて、課題解決や検証に向けてとるべきアクションを明確化できるように、講師より助言を行った。

3日目は、ワークの前に、前年度受講者である奈良県広陵町の松川氏より、プログラム修了後の取り組みやプログラム参加前後での自身の変化等について共有された。本年度の受講者にとって、残りのプログラムの活かし方や修了後の取り組みを思い描ける機会となった。

参加者の声(アンケート結果より一部抜粋)
  • 今までは「認知症の人がしてほしいこととは何か?」の視点が欠けた事業展開であった。 「認知症になっても長く暮らせる町」を目指すにあたり、なぜ在宅で暮らせなくなったかを聞いていなかった。
  • 要支援認定状況やこのままの状況が続くことで今後どんな悪いことが起こるのかデータ的根拠をあきらかにする。
  • 第2回後の調査で地域内の課題が分かってきたが、課題の整理になると、そこから導き出されるものをそのまま考えず、広い視点で抽象的なものにまとめてしまっていることに気づいた。実際に本市の課題は全市的な問題ではあるのだが、各々の地域の目指す形を丁寧に考えていなかった。
  • その人の暮らしを見るという視点については、保健師の専門性の原点でもあり、改めて大切さを実感できた。
  • 課題の整理をする中で、どう整理すればよいか、わからない状態であったが、三原先生の「課題の整理には、緊急性と重要性の縦軸と横軸で整理するといい」というお言葉をいただき、前進への道筋が少しクリアになりました。
  • 関わる人との目指すべき姿の共有が必須であり、どう共有していくかが目下の課題と感じました。共有の仕方は、相手によってアプローチが変わるのかなと思いました。
  • サービスの利用が必要ではない状態の共通認識が地域包括支援センターとずれていること。相談を受けた段階でサービス導入にあたり、やってあげますよというスタンスなのではないか。そのときに困っていることの手当てに焦点がいっており、もとの生活が意識できていないのではないか。
  • 豊明市SCの成田さんの話を聞いて「目からうろこ」になりました。役に立つものを見つけ、作っていく。会話の中に資源が見えてくる、等々。こちら側の考えに相手を合わすのではなく、相手の良いところを応援していく結果が「資源」となって返ってくる話を聞き、参考になりました。
  • ケア会議を繰り返していくことでアセスメントが充実していく、全くその通りだと思います。従来の会議では本人の意向が話し合われず、何のサービスを使わせるべきかという内容になっていたと思います。
  • こちら側のやりたい事や思いを押し付けず、それぞれの専門職の意見や立場を尊重し、どうしたらこの人を支えらせるか、望む暮らしに戻る事ができるのか、各専門職の視点から意見を出し合い対話を丁寧に行ないながら、向かう方向性を整えていくことが大切。
  • SCとしての考え方について、自立してもらうにはどうすればいいか考えていたが、元の生活に戻るためにどうすればいいか、という考え方がすごく納得できた。本人が望むこと以上をこちらが求めても、相手に対しては有難迷惑にしかならないことがよく分かった。
  • 集めた薪をひとまとめに考えるのではなく、個人の視点、地域の視点、専門職の視点に分別し、それぞれの視点から考えてみる。
  • 一緒に動ける仲間を集めるためには、どうしてそれが必要なのか、具体的事例やデータ的根拠を明確にし、みえる化する。
  • フリートークの中で、今回チームで参加しているメリットを改めて実感しました。私は地域包括支援センター担当の専門職ですが、今回社協を含めた生活支援コーディネーターと一緒に参加させていただくことで、実践について相互理解ができ、同じ地域に関わる者として、今後の協働について具体的にイメージができるようになったと感じています。

第2回

第2回「わがまちの課題とは」
日時:2021年10月11日(月)、13日(水)、14日(木)
会場:オンライン

 第2回は、地域の課題検討において、持つべき意識・行動・考え方を理解することをねらいとした。
 1日目は、各市町村が提出した事前課題から、背景にある思考や現状認識を講師が確認しながら、問いかけやアドバイスを行った。
 2日目は、豊明市の個別ケースを題材にして、個別課題・地域課題分析の視点を実感できるように課題検討を進めた。
 3日目は、次回のアクションに向け、講師が不足している視点や意識・考え方を補足し、参加者自らが考えられるように導いた。第2回終了後、課題抽出に向けて情報を集め、自ら問いを立てて行動できるようになることを目指した。
《1日目》
わがまちの課題の検討①:わがまちの課題の共有とフィードバック

講師:PHP総研 主席研究員 兼 立教大学大学院 特任教授 亀井 善太郎
   ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   医療経済研究機構 主席研究員 服部 真治
   三菱UFJリサーチ&コンサルティング 主席研究員 岩名 礼介
   豊明市市民生活部市民協働課 課長 松本 小牧
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 社会福祉士 片山 徹
ファシリテーター:
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   NTTデータ経営研究所 高橋 拓朗
   NTTデータ経営研究所 井上 裕章

3グループに分かれ、第1回終了後に新たに取り組んだことやそこで見えてきた地域の課題を共有した。講師からは、さらなる現状の深掘や課題の設定について、検討を促す問いかけを行った。

ネットワーキングタイム(オンライン懇親会)
 オンライン懇親会には、受講生と講師が参加した。プログラムとは違った雰囲気で、講師による一歩踏み込んだ解説も繰り広げられた。

《2日目》
わがまちの課題の検討②:暮らしの課題とは何かー個別事例を分析してみる

講師:藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   豊明市市民生活部市民協働課 課長 松本 小牧
 個別ケースを通じた住民や地域の課題検討のイメージをつかむため、豊明市の多職種ケアカンファレンスから2つの個別事例を紹介した。実際のカンファレンスの映像を見ながら、高齢者の本当の課題を見つけるプロセスやポイントとなる点について、豊明市職員から解説を行った。

《3日目》
わがまちの課題の検討③:課題検討に必要なアクションプラン検討(1日目の振り返り)

講師:ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   医療経済研究機構 主席研究員 服部 真治
   豊明市市民生活部市民協働課 課長 松本 小牧
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 社会福祉士 片山 徹
ファシリテーター:
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   NTTデータ経営研究所 高橋 拓朗
   NTTデータ経営研究所 井上 裕章

 1日目同様グループに分かれ、1日目のフィードバック・2日目のケーススタディを踏まえて検討したネクストアクションの共有を行った。講師陣からは、現時点で足りていない情報や次回に向けて調査すべき内容について、助言が行われた。

参観者の声(アンケート結果より一部抜粋)
  • 事例の課題解決で終わるのではなく、その人に起こっている見えていないものを浮き上がらせる視点の大切さを学びました。解決することも大切ですが、行政としては「なんで困っているのか」の視点が大切と感じました。
  • 把握している情報の中には、推測や経験値でみて考えている部分がある。一つひとつ事実確認をしていくことが必要。
  • 定年により消防団を退団した団員は、今でも屯所の周りに通っている。定年は役場目線。屯所はサロンではないが、通いたい場所がなくなり、QOLは低下する。ひとりを救う方法は、同じような状況の方の解決策になるのではないかと学んだ。
  • 自分の町以外の個別ケア会議を見る機会がないので、自分たちの個別ケア会議と比べ、改善していきたい部分が見えてきました。これまでは、困難事例でなくてもいいですといくら言っても困難事例のケースが多くどのようにすべきか迷っていましたが、参考になりました。
  • 地域をみるのについ全体の傾向を最初から追いがちですが、まずは身近にあるケースを深掘りして、その根底にあるものはなにかを考えることが大切だと思いました。
  • カンファレンス参加者が同じ意識をもって発言しているようすが伺えました。地域の関係者がこれほど同じ意識をもってもらえるとあらゆる場面で助かるのだろうなと感じた。
  • 地域での互助活動の促進に考えが固執しすぎていて、住民個人の課題を聞き取ることを怠っていた。個人の課題をできる限り多く聞き取ることが地域づくりにつながっていくことを、検討ワークを拝見させていただいて、感じました。
  • 要望は課題ではないため、本当の課題を見出す必要がある。
  • 豊明市の地域ケア会議を拝見し、多職種の方がそれぞれの視点で深く掘り下げ、問題の本質を追及することで、解決すべきことが見えてくる、そこを支援していくことが寄り添いなんだなということを感じた。とにかくファシリテーターが素晴らしい!
  • サービスで代替されるような要望を聞いて終わりではなく、その人らしい生活を継続するために必要なことが何かを、深く考えていく過程が学びになった。
  • 多職種がそれぞれの専門性を発揮したケア会議になっていて素晴らしい。生活支援コーディネーターの情報量の多さと細かな情報、ここにはこんな人がいるなど言えるなんてすごい。
  • 「この事例を何とかする」ではなく、「この事例で考える」ことが地域ケア会議の目的。暮らしを支える視点で検討をする。

第1回

第1回「行政職員の役割と課題の考え方を理解する」
日時:2021年9月10日(金)、16日(木)、17日(金)
会場:オンライン

 第1回の1日目は、プログラムの開始にあたり、プログラムで学ぶことや心構えを理解すること、また参加している市町村の課題認識を知ることを目的とし、自己紹介などを行った。
 2日目は、基礎自治体職員の果たすべき役割について改めて考えることを目的とした講義を行った。
 3日目は、2日目振り返りを行うとともに、今後の課題検討に向けて、「課題とは何か」の基礎理解を得ることを目的に、講義を行った。
《1日目》
本プログラムで学ぶことと心構え

講師:藤田医科大学講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
本プログラムのねらいや全体の学習ステップについて理解を深めるための講義を実施した。

参加市町村について知る(自己紹介)
 他市町村の特徴や課題を知ることを目的として、グループに分かれてわがまちの紹介、課題認識、プログラムを通して達成したいことについて共有を行った。

《2日目》
行政職員の役割を理解する

講師:PHP総研 主席研究員 兼 立教大学大学院 特任教授 亀井 善太郎
   豊明市市民生活部市民協働課 課長 松本 小牧

 基礎自治体職員が果たすべき役割について、講義を行った。その後、講義の内容を自治体職員の仕事に当てはめた際の具体的なイメージを持つため、豊明市職員より同市における地域づくりを実践してきた経緯について紹介した。

《3日目》
行政職員の役割を理解する(講義の振り返り)

講師:PHP総研 主席研究員 兼 立教大学大学院 特任教授 亀井 善太郎
   ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   医療経済研究機構 主席研究員 服部 真治
   豊明市市民生活部市民協働課 課長 松本 小牧
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛
ファシリテーター:
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   NTTデータ経営研究所 高橋 拓朗
   NTTデータ経営研究所 井上 裕章

 2日目の講義に関する理解を深めることを目的に、講義の中で心に残ったキーワードやその理由について共有し、講義の振り返りを行った。

課題の考え方を理解する
講師:PHP総研 主席研究員 兼 立教大学大学院 特任教授 亀井 善太郎
   豊明市市民生活部市民協働課 課長 松本 小牧
   豊明市市民生活部市民協働課 係長 兼 生活支援コーディネーター 竹田 哲規
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃

 地域課題の捉え方や課題解決に向けた考え方について講義を行った。その後、実務においてどのように問いを立て、本当の課題を見極めるのか、実際に豊明市職員が取り組んできたプロセスを紹介した。

参加者の声(アンケート結果より一部抜粋)
  • 自治体の規模や風土が違えど、住民の生活をよくするために住民との関わりに悩みを持っていることを改めて気づいた。自分たちの課題は、本当にこのことなのかと何とも言えない「もやもや」が出てきた。
  • これまで「担い手」「住民を巻き込む」などの言葉を当たり前に使っていましたが、その考え方自体が住民目線になっていない、との言葉がとても心に響き、発想を変える必要があることに気づくことができました。
  • 群盲像を撫でる。私が盲者の一人になっていないかと思いました。ひとつの側面だけ見ている、見えない者と一緒になり、なぜ相手が違うものを感じているのか考えよう、寄り添おうと思って行動したことがあったかなと振り返る機会になりました。
  • 対話について、隣の席や目の前の職員とも話ができていなかったと感じました。一緒の考えではなくても同じ方向を向いてどう仕事をしていくのか話ができるようになれるといいと思います。そして、生活支援体制整備事業やケア会議のメンバーとも対話がしたいなと感じました。
  • 基礎自治体職員として、核になるもの、哲学を据えて仕事に臨むこと。自分の心の動き、自分にとっての安全地帯に戻ってしまいそうなとき、哲学に帰る。その哲学を貫き通すには、相当な覚悟が必要、周囲の理解や協力が不可欠。自分で常に問いかけ続けること。自問自答の繰り返し。…の累積時間がモノを言う。勝ち負けや正否ではない、対話によって積み上げられた思いの末に得られた納得が大事。正論の押し売りではうまくいかない。
  • 本当の課題とは何か、これまで住民目線での仕事を心掛けてきたつもりであるが、どこかで社協目線が大部分を占めるようになってきたのではないかと自問自答するきっかけとなった。住民から見た課題とはなにか。その本質とはなにか。を考えさせられた。
  • 事前課題で地域について考えたのですが、講義を通してまだ地域がみえていないことを痛感しました。「本当の意味で地域のためになることは何か」を考えるには情報を得て精査して、また足りない情報を得て…という繰り返しをしなければならないと思いました。また自分自身の中でも思考を巡らせて(慣れるまでは紙に起こす等して整理して)いくことが大切だと学びました。まずは始めてみる(薪を拾いに行く)ということに尽きると思います。
  • 同じ市内であっても実情が異なるため、個人に関わる情報からその人から見える地域の状況も把握していきたいと思った。
  • コロナ禍で集団で集まるのは難しいので住民からニーズを聞き出すのはできないと思っていたけれど、 課題にあげた地域について、数字や、他機関のスタッフから聞き取ることで、掘り下げてみる ことはできるし、意識すれば、窓口に来られた方から聞き取ることができる。できることから丁寧に始めていこうと思う。