診療案内

当院は東海・北陸地区の臓器提供,臓器移植の中心施設で,腎移植,膵臓移植,肝移植に多くの実績を有しています.当科は移植医療を担う診療科として2012年9月に開設されました.これまで各診療科で行ってきた臓器移植診療ですが,移植医療には,術前の免疫学的診断,免疫抑制療法,生体ドナーの評価や安全性確保,倫理的問題など多くの共通点があります.2018年1月に臓器移植センターも開設され,臓器移植の集学的治療を実現し,患者さんの安全性の確保や移植成績の向上に努めています.

2010年7月に臓器移植法が改正され,脳死下臓器提供数は格段に増加し,わが国では現在年間50~60例の脳死下臓器提供事例があります.当科では,腎移植(生体腎移植,献腎移植),膵臓移植(脳死膵臓移植,生体膵臓移植)を行っております.現在膵島移植の臨床実施準備を進めており,スタッフの臨床実績は国内トップクラスです.
当院での移植を希望される患者さんはお気軽にお問い合わせください.

お問い合わせ

移植に関するお問い合わせなどは,診療時間内に移植医療支援室へご連絡ください.

移植医療支援室 0562-93-2013

膵臓移植について

膵臓移植は,主に1型糖尿病や膵全摘出後でインスリン分泌がほとんどない患者さんを対象とした医療です.移植によりインスリン製剤を使用しなくても血糖値の安定が期待できます.膵臓移植の対象となる患者さんで慢性腎不全を伴っている方は,膵臓と腎臓の同時移植も可能です.
ドナーにより生体移植,脳死下(もしくは心停止下)移植の2つに分かれます.当院ではどちらの移植手術も可能ですが,生体移植は保険適応ではないため自費診療となります.
本邦の膵臓移植の大半は脳死下移植ですが,脳死下移植の場合は日本臓器移植ネットワークへの登録が必要となります.本邦の登録から移植までの平均待機期間は約3.5年です(当院での平均待機期間は2.7年です).

移植する膵臓は腸骨の近くに移植します.腎臓を同時に移植する場合は左右にそれぞれ移植します.移植後は免疫抑制剤の内服が必要となりますが,日常生活の制限はほとんどありません.
本邦の脳死下膵臓移植の5年生着率(移植後5年が経過した時点で移植した膵臓が機能している割合)は79.0%です

当院は日本の膵臓移植の中心的施設で,実施症例数は全国最多です.2000年から2020年までに行われた脳死・心停止膵臓移植の約20%が当院で施行されています.

膵腎同時移植のシェーマ

日本の脳死・心停止膵臓移植件数

膵島移植について

膵島移植は膵臓移植と同様にインスリン分泌が枯渇している患者さんを対象とする医療です.2020年4月に新しく保険収載されました.脳死もしくは心停止ドナーから頂いた膵臓の中の膵島組織を分離して,門脈という血管から点滴投与し移植します.膵島移植は膵臓移植と同様,インスリン分泌がほとんどない1型糖尿病の患者さんを対象とした治療です.膵島移植により低血糖発作の軽減や,インスリン療法からの離脱が期待できます.

膵島移植と膵臓移植の違いについては右表をご覧下さい.膵島移植は局所麻酔で施行することができるため,膵臓移植より低侵襲です.ただし,インスリン療法から離脱するために一般的に数回の移植を必要とします.

膵臓移植と膵島移植はそれぞれの認定施設でしか受けることができない医療です.当院は東海地区で唯一両方の認定を受けている施設です.患者さんの希望に合わせて移植方法を選択できるように体制整備をすすめています.
膵島移植に関する詳細は,当院のHPを参照頂くか,もしくは上記の移植医療支援室までご連絡下さい.

膵臓移植と膵島移植比較

肝臓内の門脈を穿刺し、膵島浮遊液を投与 肝臓内に散在し生着

腎臓移植について

腎臓移植は何らかの病気により腎臓の機能が低下した慢性腎不全に対する治療法です.慢性腎不全の治療には他にも血液透析や腹膜透析がありますが,腎臓移植は生活の制限(食事の制限や治療に伴う時間の制約など)がなく,医療経済的に安価であることが利点です.
腎臓移植は臓器を提供される方(ドナー)により2つに分かれます.1つは健康な近親者から腎臓を頂く生体腎移植,もう1つはお亡くなりになった方から頂く献腎移植です.当院ではどちらの移植も可能です.
生体腎移植をご希望の場合は,ドナーとなることを希望される方とともに受診してください.
献腎移植を希望の方は,受診後,日本臓器移植ネットワークの登録を行い,移植に向けて待機をしていただきます.献腎移植の登録から移植までの待機期間は約15年と非常に長いため,早期の移植を希望される場合は生体腎移植をお勧めします.

腎臓は腰骨の近くに移植します.移植後は免疫抑制剤を内服していただきますが,日常生活の制限はほとんどありません.本邦の腎移植成績は良好で,生体腎移植の5年生着率(移植後5年が経過した時点で移植した腎臓が機能している割合)は94.3%です.

生体腎移植では,ドナーの方にも手術を受けていただく必要があります.当科ではドナーの方々の負担をなるべく軽減するため,内視鏡を用いた手術法を採用しています.また,腎臓を採取するために7cm程度の切開が必要となりますが,切開部を正面から見えづらい側腹部においています.

腎移植の手術風景

腎移植のシェーマ

診療実績

2012年〜2023年

膵臓移植 95例(国内最多症例数)
腎臓移植 256例
うち生体腎移植 172例
献腎移植 84例

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