藤田医科大学 精神・神経病態解明センター 老化制御学部門

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加瀬義高先生、宮脇正次先生、橋本征治先生らの共著論文がScientific Reportsに掲載されました。

超高齢化社会の本邦において、フレイルへの早期介入は健康寿命延伸の観点から重要な課題です。多成分から構成される漢方薬は複数の症候に同時に作用し得る特徴を有し、フレイル診療との親和性が指摘されていますが、医師の認識や実臨床での使用状況について体系的に検討した報告は限られていました。

本研究では、日本の医師8,351名を対象とする全国規模ウェブ調査を実施し、フレイルに対する医師の認識、実際の介入内容、ならびに漢方薬の使用実態と治療評価の特徴を解析しました。

その結果、約半数の医師が日常診療でフレイルを診断しており、食欲低下、低栄養、サルコペニアなどの症候に対して一定割合の医師が漢方薬を処方していることが示されました。さらに、漢方処方の頻度や有効性評価には診療形態や医師背景による差異が認められ、特に開業医において処方割合と有効性評価が高い傾向がみられました。また、高齢の医師では実臨床での処方頻度は低い一方、自身が将来フレイルとなった場合には漢方を選択する割合が高いという特徴的な結果も得られました。

本研究を通じて、フレイル診療における漢方薬の位置づけや今後の活用可能性、ならびに漢方教育の在り方について、さらなる議論が深まることが期待されます。

Tatsuya Hosoi, Mitsutaka Yakabe, Yoshitaka Kase, Masashi Miyawaki, Seiji Hashimoto, Shoya Matsumoto, Makoto Yunoki, Soichiro Kondo, Masaki Ishii, Sumito Ogawa. Nationwide Survey of Japanese Physicians on Kampo Medicine Use in Frailty Care. Scientific reports 2026 Apr 8. doi: 10.1038/s41598-026-48001-8.