加瀬義高准教授の共著論文がScientific Reportsにアクセプトされました
銀イオン抗菌インプラントによるインプラント周囲炎制御
健康長寿社会を見据えた新たな口腔医療戦略
超高齢社会において、歯の喪失は単なる口腔機能低下にとどまらず、低栄養、サルコペニア、フレイル、さらには認知機能低下とも関連する重要な老年医学的課題です。その中で歯科インプラントは、高齢者の咀嚼機能やQOL維持に大きく貢献する一方、近年では「インプラント周囲炎」が長期予後を左右する重大な合併症として問題となっています。
本研究では、歯周病関連菌 Porphyromonas gingivalis に対して銀イオンコーティングが強い抗菌活性を示すことに加え、マウスのインプラント周囲炎モデルにおいて、炎症細胞浸潤および骨吸収を抑制することが示されました。 特に、インプラント周囲骨の吸収抑制は、加齢に伴い脆弱化する口腔環境において、インプラント長期安定性を維持するうえで重要な意味を持ちます。
さらに近年、歯周病やインプラント周囲炎は、心血管疾患や認知症など全身性加齢疾患との関連も報告されており、「口腔局所炎症」が全身の健康長寿に与える影響が注目されています。 本研究は、抗菌性材料による局所炎症制御というアプローチが、高齢者医療全体の質向上にもつながる可能性を示した点で、老年医学的にも意義深い成果と考えられます。
Antibacterial Silver Ion–Coated Dental Implants Suppress Peri-implantitis in a Murine Model
Mana Nasu, Tomoya Soma, Hidetaka Miyashita, Takehito Ouchi, Yoshitaka Kase, Takazumi Yasui, Fuka Homma, Kitaru Suzuki, Takeshi Miyamoto, Hideyuki Okano, Masaya Nakamura, Taneaki Nakagawa, Mamoru Aizawa, Satoru Morikawa
