てんかん重積患者における長時間ビデオ脳波モニタリング管理の有用性

本研究は藤田医科大学の医学研究倫理審査委員会で審査され、学長の許可を得て実施しています。

研究の対象

本研究の対象は、対象期間中(倫理審査委員会承認日~2029年 3 月 31日)に藤田医科大学脳神経外科に入院中に原因不明の意識障害を呈し、脳波検査を受けた患者様、または救急搬送されててんかん重積状態と診断された患者様です。脳波検査によってNCSEと診断された症例を対象といたします。ただし、脳波による診断が困難であった症例は除外いたします。研究で解析を行う症例数は60例を目標としております。

研究目的・方法・研究期間

本研究の目的は三つあります。第一に、原因不明の意識障害を呈した患者様に対して施行された脳波検査の結果を後方視的に解析し、NCSEと診断された症例の割合を明らかにすることです。第二に、長時間ビデオ脳波モニタリングを用いて、低用量のミダゾラムまたは0.1%ミダゾラム静注製剤による持続静注療法が、従来のガイドラインで推奨される投与量と比較して非劣性であるかどうかを検証することです。第三に、脳波データに対するガンマ波解析を行い、NCSEの病態や予後との関連性を明らかにし、治療戦略の最適化を目指します。
研究の方法は、過去に記録されたカルテ情報および脳波データを用いた後ろ向き観察研究であり、介入や侵襲を伴わないため、対象者への直接的な負担は発生いたしません。得られたデータは統計的手法を用いて解析いたします。研究期間は、倫理審査委員会の承認日から2030年3月31日までを予定しております。

研究期間:倫理審査委員会承認日〜2030年3月31日

研究に用いる試料・情報の種類

本研究で使用する情報は、電子カルテに記録された診療情報(治療経過、使用薬剤、退院時のADLなど)、脳波検査の記録、長時間ビデオ脳波モニタリングのデータ、および画像検査の結果などです。これらの情報はすべて匿名化され、研究対象者の個人を特定できないように管理されます。氏名などの個人情報は、識別コードに置き換えられ、対応表はネットワークに接続されていないパスワード保護されたパソコンに厳重に保管されます。対応表にアクセスできるのは研究責任者および研究分担者に限定されております。

外部への試料・情報の提供

本研究では、脳波データの一部を外部機関に提供いたします。具体的には、昭和大学 脳機能解析・デジタル医学研究所 所長である佐藤洋輔教授および日本光電工業株式会社に対し、ガンマ波の規則性解析を目的として、脳波検査の結果を電子的に提供いたします。提供される情報はすべて匿名化されており、個人が特定されることはありません。情報の提供については記録を作成し、厳格に管理いたします。また、本研究においては、他機関から試料や情報を受け取ることはありません。

研究組織

本学の研究責任者:
脳神経外科学講座 主任教授 廣瀬 雄一

研究分担者:
医学部脳神経外科 准教授 中江 俊介
医学部脳神経外科 准教授 大場 茂生
医学部脳神経外科 助教 公文 将備
医学部脳神経外科 助教 小嶋 大二朗
医学部医学科 川瀬 希依留

個人情報管理者:
脳神経外科学 助教 公文 将備

除外の申出・お問い合わせ先

試料・情報が本研究に用いられることについて研究の対象となる方もしくはその代諾者の方にご了承いただけない場合には、研究対象から除外させていただきます。下記の連絡先までお申し出ください。その場合でも、お申し出により、研究の対象となる方その他に不利益が生じることはありません。
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
また、ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先

藤田医科大学医学部脳神経外科学
担当者:公文 将備
愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1-98
電話:0562-93-9253
FAX:0562-93-3118
Email:neuron3@fujita-hu.ac.jp

利益相反について

この研究は、企業等からの資金提供は受けていません。また、この研究に関連する企業と研究者等との間に、開示すべき利益相反はありません。