Super select Wada test による脳機能マッピング

本研究は藤田医科大学の医学研究倫理審査委員会で審査され、学長の許可を得て実施しています。

研究の対象

脳実質内病変に対し手術適応のある方

研究目的・方法・研究期間

Wada test は脳神経外科手術術前評価における優位半球の同定方法として確立されたカテーテル検査です。その方法は、片側内頚動脈を選択し、患者の両上肢を挙上させた状態で、検者とともに数を数えてもらい、それに合わせてプロポフォールの希釈液を動脈注射することで、選択した内頚動脈と反対側の上肢に麻痺がおこる(=選択した内頚動脈の機能低下)とともに数を数えることが不可能になればそれはすなわち選択した内頚動脈側が優位半球ということを示します。一般的に生来右利きの患者は左が優位半球ですが、生来左利きの患者が優位半球である確率は6割程度とされており、優位半球の有無によって手術戦略は大きく異なるために、当科でも、薬事委員会の承認の下脳実質内病変の手術適応で生来左利きの患者に対しては積極的にWada testを行っています。
一方でsuper selectではそれよりも末梢の中大脳動脈に選択することでより狭い範囲の灌流領域がどのような機能を持っているのかを検討することが可能であり、摘出したことで起こる合併症のリスクを評価する事が可能で、実際にそのような報告も多くあります。しかしながら、一般のカテーテル検査の施設ではCT画像を兼用していない施設が多く末梢血管を選択できたとしても灌流領域を画像に示す報告はされておりません。一方、本学の施設ではカテーテル検査室で灌流 CT を撮像することが可能であるため、灌流領域を CT 画像に描写することが可能であり、またそれを MRI 画像とフュージョンさせることも可能です。MRI画像やてんかん手術の症例では頭蓋内脳波の所見と組み合わせることで、より脳機能の狭い領域のマッピングが可能になり、機能温存の点からより安全な手術が可能になると考えられます。
本研究では一般的な Wada test に加えて super select の検査を行い、より正確な脳機能のマッピングを行い、機能温存の点からより安全な手術に繋げることを目的とします。

研究期間:倫理審査委員会承認日〜2027年3月31日

研究に用いる試料・情報の種類

試料:なし
情報:優位半球、機能マッピング。

外部への試料・情報の提供

なし

研究組織

本学の研究責任者:
脳神経外科学教室 主任教授 廣瀬 雄一

研究分担者:
脳神経外科学教室 講師 中江 俊介
脳神経外科学教室 准教授 大場 茂生
脳神経外科学教室 准教授 早川 基治
保健衛生学部リハビリテーション学科 教授 稲本 陽子

研究協力者:
脳神経外科学教室 助教 公文 将備
リハビリテーション部 主任 佐藤 百合子
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 生理学研究所
共同研究責任者 システム脳科学研究領域 心理生理学研究部門 教授 定藤 規弘

検査用課題の作成研究分担者:
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 生理学研究所
共同研究責任者 システム脳科学研究領域 心理生理学研究部門 准教授 福永 雅喜

個人情報管理者:
藤田医科大学 脳神経外科学教室 助教 公文 将備

除外の申出・お問い合わせ先

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照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先

藤田医科大学医学部脳神経外科
担当者:中江 俊介
愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1-98
電話:0562-93-9253
FAX:0562-93-3118
Email:neuron3@fujita-hu.ac.jp

利益相反について

この研究は、企業等からの資金提供は受けていません。また、この研究に関連する企業と研究者等との間に、開示すべき利益相反はありません。