てんかん焦点手術における新たな戦略:覚醒下手術中の発作誘発による EZ 同定の試み

本研究は藤田医科大学の医学研究倫理審査委員会で審査され、学長の許可を得て実施しています。

研究の対象

本研究の対象は、2020年1月から2030年3月31日までに藤田医科大学病院で実施された手術症例のうち、薬剤抵抗性の焦点起始発作を有し、てんかん焦点の同定を目的として術中に電気刺激を行いながら覚醒下手術を受けたてんかん患者です。また、過去に脳腫瘍摘出を目的に覚醒下手術を行った症例で、術中の皮質刺激により副次的にてんかん発作が誘発され、症候学的情報や脳波所見が得られた患者も解析対象に含めます。

研究目的・方法・研究期間

本研究の目的は、覚醒下手術中に誘発される発作によって症候学的領域(SZ)の空間分解能を高め、その部位がてんかん原生領域(EZ)と重なる場合により確実な焦点切除を行うことです。これにより、脳深部電極留置による術前評価が適応とならない症例においても、EZ に限りなく近づく新たな外科戦略を提案することを目指します。また、腫瘍摘出を目的に実施した覚醒下手術で術中に発作が誘発された症例についても解析し、こうした発作から得られる情報が EZ の同定にどの程度寄与し得るかを評価します。
本研究は、藤田医科大学病院における単施設の観察研究として実施します。対象症例について、今後当院で行われる手術症例からはデータを前向きに収集し、過去に当院で実施した類似症例については後ろ向きに解析します。想定される研究対象症例数は全体で約 60例です。研究期間は倫理審査委員会承認日から 2030年3月31日までです。

研究期間:倫理審査委員会承認日〜2030年3月31日

研究に用いる試料・情報の種類

本研究において使用される試料・情報には、年齢、性別、身長、体重、病変部の位置、術前および術後の画像検査結果、長時間ビデオ脳波モニタリングのデータ、電極留置部位の計画画像と実際の術後位置情報などが含まれます。また、術前後の高次機能評価結果や周術期合併症の有無に関する情報も使用されます。これらの情報はすべて匿名化され、厳重に管理されます。

外部への試料・情報の提供

なし

研究組織

本学の研究責任者:
脳神経外科学講座 主任教授 廣瀬 雄一

研究分担者:
医学部脳神経外科 准教授 中江 俊介
医学部脳神経外科 准教授 大場 茂生
医学部脳神経外科 助教 公文 将備
医学部脳神経外科 助教 小嶋 大二朗
医学部医学科 川瀬 希依留

個人情報管理者:
脳神経外科学 助教 公文 将備

除外の申出・お問い合わせ先

試料・情報が本研究に用いられることについて研究の対象となる方もしくはその代諾者の方にご了承いただけない場合には、研究対象から除外させていただきます。下記の連絡先までお申し出ください。その場合でも、お申し出により、研究の対象となる方その他に不利益が生じることはありません。
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
また、ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先

藤田医科大学医学部脳神経外科学
担当者:公文 将備
愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1-98
電話:0562-93-9253
FAX:0562-93-3118
Email:neuron3@fujita-hu.ac.jp

利益相反について

この研究は、企業等からの資金提供は受けていません。また、この研究に関連する企業と研究者等との間に、開示すべき利益相反はありません。