藤田医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎は、植物の花粉が原因で起こる季節性アレルギー性鼻炎とダニやほこりなどによる通年性アレルギー性鼻炎に分けられます。近年では、有病率も増加傾向であり。3人に1人が何らかのアレルギー性鼻炎を発症しており、国民病といえます。

アレルギー性鼻炎の主症状は鼻水、鼻閉、くしゃみです。くしゃみは連続して起こり、回数が多いという特徴があり、鼻水は、かぜなどの感染症の鼻水のように粘り気があるものではなく、無色でさらさらしたものが特徴です。くしゃみや鼻水などの症状により、頻繁に鼻をかんで、粘膜を傷つけて鼻出血が起こる場合もあります。しっかり治療を行い、症状をコントロールすることでイライラや集中力の低下をさけ生活の質の向上が期待できます。

検査法について

当科で行っている検査方法は、問診(時期や症状など)、鼻鏡検査(下甲介の色や腫脹の程度、鼻中隔湾曲の程度など)、鼻汁好酸球検査(鼻水にアレルギーの反応があるか調べます)、血液検査(特異的抗原抗体反応検査によりアレルギーの抗原を特定することができます)、必要に応じ、鼻腔通気度検査(鼻の通り具合の検査)や画像検査(CT.MRI検査など)も行うことができます。

治療法について

抗原の回避
アレルギー性鼻炎の治療の基本となります。
アレルギー抗原を避ける方法や、生活環境の整え抗原を除去する方法などのアドバイスができます。また、当科ではスギ・ヒノキ科花粉を計測し、日本気象協会に情報提供を行っているため、最新の花粉情報をお届けすることもできます。
薬物療法
症状の程度、重症度を判断し、的確な薬を提供いたします。
アレルギーの薬では眠くなったりする副作用もあるため、薬の変更など調整も可能です。
免疫療法
アレルギーの反応を体質から変化させ、根本的な治療として唯一の治療法です。
当科では皮下免疫療法(スギ、ハウスダスト、カモガヤ)と、舌下免疫療法(スギ、ダニ)を行っております。両者にそれぞれメリットやデメリットがあるため考えている方はアレルギー外来にご相談していただければと思います。
手術療法
薬物療法で解決しない場合や、鼻腔形態の異常を伴う場合は手術を検討する場合があります。
当科では鼻中隔矯正術、下甲介粘膜切除術、後鼻神経切断術などを行っております。
ただし、手術しても改善を見込めない方や、協力が得られない方、成長段階にある幼児には手術できない場合もあります。
また、2020年より最重症の花粉症の方にあらたに適応になった、抗IgE抗体薬(ゾレア®)の取り扱いもあります。
条件を満たした方はご使用いただけますのでお気軽にご相談ください。

図:ダーラム式捕集器
図:ダーラム式捕集器

図:染色した花粉
図:染色した花粉

アレルギー外来は毎週土曜日に行っております。
ご不明な点、毎年アレルギーによる鼻症状で困られている方はお気軽にご相談ください。