国際学術誌『Nature Reviews Neuroscience』に山下貴之教授のJournal Club記事が掲載されました。
神経生理学部門の山下貴之教授によるJournal Club記事が、国際学術誌『Nature Reviews Neuroscience』に掲載されました。本稿では、人や動物が柔らかい素材や温かな触れ心地に安心感や快適さを覚える神経機構について、関連研究を概説しています。山下教授は、2002年にOlaussonらによって報告されたC触覚線維（C-tactile afferents）の機能発見を出発点に、こうした特殊な触覚経路が進化的に保存され、快感情の形成のみならず、社会的行動、さらには精神疾患の病態にも関与する可能性を解説しています。今後、分子・細胞・神経回路・行動レベルの研究を横断的に組み合わせることで、触覚が情動や社会的行動、メンタルヘルスに果たす役割の全貌解明が期待されます。
論文情報
Takayuki Yamashita, “Affective tactile comfort: is a specialized sensory system involved?”
Nature Reviews Neuroscience (2025)