神経化学部門

研究内容概略

先制医療とは、病気が発症するよりも早期に高い精度で発症予測・診断を行い、発症前に治療的介入を実施することによって疾病を予防する、あるいは発症を遅らせるという、新しい究極の個の医療です。本部門は、この先制医療を実現すべく、病態モデル動物、臨床研究からシーズを見つけ、ストレスによるうつ病およびタウ病変によるアルツハイマー病などの精神神経疾患に対する診断薬・治療薬開発を行います。

メンバー紹介

齋藤邦明

齋藤邦明 医療科学部長・先進診断システム探索開発分野 教授

現時点では精神疾患の診断や病状把握は問診やアンケートに基づくため、その性質から客観的評価が難しいという問題点があります。血液などから測定できる新たな精神疾患マーカーを確立し、より正確に症状や治療効果の把握できることを目指します。

鍋島俊隆

鍋島俊隆 先進診断システム探索研究部門 客員教授

精神神経疾患の病態は複雑で、病因も非常に多様です。実験動物や培養細胞を用いた基礎研究だけでなく、患者サンプルを用いた発症リスクに対するゲノム変異解析・バイオマーカー探索などの臨床研究を行い、疾患の複雑性を解析する臨床研究と疾患をモデル化する基礎研究を融合させ、精神神経疾患の克服を目指します。

毛利彰宏

毛利彰宏 レギュラトリーサイエンス分野 教授

ヒトでの疫学的・遺伝学的知見を反映した精神疾患モデルマウスを作製し、病態・発症メカニズムの解析を行うとともに、それを基盤とした新規治療薬・フィトケミカルおよび診断バイオマーカーの開発を目指します。

山本康子

山本康子 先進診断システム探索開発分野 准教授

共同研究機関(RECHS)と協業し、暦年的に採取された血清および問診票データを解析することで、疾患発症前に我々の体におこる変化を検出し、先制医療を可能とする精神神経疾患診断薬の開発を目指します。

藤垣英嗣

藤垣英嗣 先進診断システム探索開発分野 准教授

キヌレニンをはじめとするトリプトファン代謝経路の物質は神経伝達物質の受容体のアゴニストあるいはアンタゴニストとして働くなど、精神神経疾患の病態に関連しています。トリプトファン代謝酵素に注目したスクリーニングによる治療薬の開発を目指します。

國澤和生

國澤和生 レギュラトリーサイエンス分野 講師

腸内細菌叢の構成や末梢に存在する各種免疫細胞の機能解析による末梢-中枢連関、グリア細胞特異的遺伝子操作によるグリア‐神経連関を解析し、それら破綻による精神神経疾患の発症機序解明を目指します。

代表論文

  1. Kosuge A, Kunisawa K, Arai S, Sugawara Y, Shinohara K, Iida T, Wulaer B, Kawai T, Fujigaki H, Yamamoto Y, Saito K, Nabeshima T, Mouri A. Heat-sterilized Bifidobacterium breve prevents depression-like behavior and interleukin-1β expression in mice exposed to chronic social defeat stress. Brain Behav Immun. 2021 Aug;96:200-211. 
  2. Nakayama T, Okimura K, Shen J, Guh YJ, Tamai TK, Shimada A, Minou S, Okushi Y, Shimmura T, Furukawa Y, Kadofusa N, Sato A, Nishimura T, Tanaka M, Nakayama K, Shiina N, Yamamoto N, Loudon AS, Nishiwaki-Ohkawa T, Shinomiya A, Nabeshima T, Nakane Y, Yoshimura T. Seasonal changes in NRF2 antioxidant pathway regulates winter depression-like behavior. Proc Natl Acad Sci U S A. 2020 Apr 28;117(17):9594-9603.
  3. Teshigawara T, Mouri A, Kubo H, Nakamura Y, Shiino T, Okada T, Morikawa M, Nabeshima T, Ozaki N, Yamamoto Y, Saito K. Changes in tryptophan metabolism during pregnancy and postpartum periods: Potential involvement in postpartum depressive symptoms. J Affect Disord. 2019 Aug 1;255:168-176. 
  4. Niwa M, Jaaro-Peled H, Tankou S, Seshadri S, Hikida T, Matsumoto Y, Cascella NG, Kano S, Ozaki N, Nabeshima T, Sawa A. Adolescent stress-induced epigenetic control of dopaminergic neurons via glucocorticoids. Science. 2013 Jan 18;339(6117):335-9. 
  5. Mouri A, Sasaki A, Watanabe K, Sogawa C, Kitayama S, Mamiya T, Miyamoto Y, Yamada K, Noda Y, Nabeshima T. MAGE-D1 regulates expression of depression-like behavior through serotonin transporter ubiquitylation. J Neurosci. 2012 Mar 28;32(13):4562-80. 

インフォメーション

神経化学部門(医療科学部 病態制御解析学)

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