Q&A

医療検査学科共通

(1)高校卒業~大学入学について

  • 高校時代に化学(もしくは生物、物理)を履修していませんが大丈夫ですか?
    大丈夫です。
    高校時代に文系学科や総合学科等であった場合、理科基礎科目のみの履修で入学する学生もいます。
    医療科学部は、入試で多様な評価によって入学してきた学生がきちんと学べるように教育課程を用意しています。科目はすべてシラバスによって内容が示されていますので、ご自分が履修していない場合にどのように学ぶのかの道標になります。
    入学後の講義内容の理解に、一部の発展理科科目の内容も必要になることもありますが、入学後の教員のサポート等により単位を修得しています。また、数学や理科系科目は選択授業となりますので、自分自身の興味や強化したい科目に合わせて選択することが可能です。

(2)大学生活について

  • 授業・実習は何時から何時までですか?
    講義は1コマ(1授業)90分です。
    学内の講義は、9時00分からはじまります。学科・学年等により終了時間は異なりますが、ほとんど1日4コマ(16時10分)で終了します。5コマ目がある日は、17時50分での終了となります。
    実習は学科によって異なりますが、病院の業務開始時間に合わせるので、概ね8時30分~17時50分頃となります。ただし、実習はその日の課題がすべて完了するまでとなるため、時間内に終了できない場合もあります。
  • 土曜・日曜・祝日にも授業がありますか?
    原則として、土曜・日曜・祝日は休みですが、一部、客員講師による集中講義、卒業研究、授業ではない就職説明会などが土曜日に実施されます。
  • プログラム選択は希望通りに選択できるのですか?定員はありますか?
    はい、希望どおりに選択できます。2年後期の前に本人の希望を尊重し、どちらかのプログラムを選択します。従って、定員はありません。
  • 2つの国家資格は卒業時に同時に取得できますか?
    取得できません。どちらか一方です。 
  • 卒業後は地元で働きたいと思っています。東海地区の出身ではありませんが、 地元での就職は可能ですか?
    医療機関からの求人は全国より大学に届きます。また昨今は各医療機関のホームページから容易に確認できます。学生は東海地区の出身が最も多いですが、北は北海道から南は沖縄まで全国各地の出身者が卒業しており、多くの学生が地元の病院や企業に就職して活躍しています。
  • 学生募集要項・入試ガイドには記載されていない、その他の必要経費(学納金 及び委託徴収金以外)を教えてください。
    「1年次・2年次」
    教科書代について
    昨年の実績で、1年次に約9万円、2年次に約7万円が必要です。
    ノートパソコンについて
    講義、実習でタブレット端末(Surface)を使用します。推奨機種を紹介していますが、医療検査学科での一括注文は行っていません。
    白衣代について
    実習で使用するため、1年次(ロングタイプ:1着約4,000円)と2年次に(ケーシータイプ:1着約15,000円)白衣代が必要です。

    「臨床検査学プログラム」
    教科書代について
    昨年の実績で、3年次は実習が多くなるため約3.5万円前後です。4年次では卒業論文が中心になりますので、殆ど必要ありません。

    「臨床工学プログラム」
    教科書代について
    昨年の実績で、3年次に約8万円が必要です。4年次では学内実習、臨床実習、卒業研究が中心になりますので、殆ど必要ありません。

臨床検査学プログラム

(2)大学生活について

  • 他大学とは異なる「臨床検査学プログラム」の魅力は何ですか?

    ①臨床検査技師教育において歴史と伝統があること

    全国で2番目(西日本では初)に設立された4年制の学科であり卒業生は6,000名を超えます。卒業生は全国の病院、企業、大学等において重要な役職で活躍しており、就活時には力強い味方です。

    ②研究内容や環境が充実していること

    4年次に全員が約5か月の卒業研究を行います。その研究内容は専門学会での発表や、専門誌への投稿も可能なほどハイレベルなものです。本学および他大学の大学院への進学はもちろんのこと、卒後も続く研究活動を支える基盤となっています。
  • 臨地実習はどのようなところに行くのですか?
    全員が必ず本学大学病院と他施設の2施設で行います。他施設では、大学が指定した東海4県の病院(約90施設から1か所)の中から、学生の希望を可能な限り優先し、実習を行います。その際には、高額な交通費や、新たにアパートを借りるなどの必要はありません。その他、春や夏の休暇を利用して自分の希望する地元の病院などで実習・見学を行うこともできます(大学が認めて実施しますが個人的な実習であり、臨地実習の単位とは別です)。

(3)資格について

  • 細胞検査士の資格は在学中に取得可能ですか?
    本学を卒業後(臨床検査技師国家試験合格が条件)に細胞検査士を養成する施設に入学(修業期間:7~9ヶ月間)、細胞検査士養成プログラムを有する大学院へ進学、もしくは病院勤務1年以上の実務経験を経て受験資格が取得できます。
  • 超音波検査士の資格は在学中に取得可能ですか?
    本学を卒業後(臨床検査技師国家試験合格が条件)、日本超音波医学会に3年以上在籍すると受験資格が取得できます。

(4)卒業後の進路(就職)について

  • 短大・専門学校でも国家資格取得はできますが、違いはありますか?
    国家資格自体に違いはありませんが、卒業後の進路の幅が広がります。
    短大・専門学校と大学に届く求人では施設規模や給与待遇が異なり、大学卒では大学病院、地域の基幹病院、市職や県職などの公務員等、比較的大きな規模の施設に就職する割合が多いです。また、大学では「臨床検査」の知識や技術とともに幅広い医学知識と、再生医療、遺伝子を扱う分子生物学など最先端の科学技術も学ぶことができるため、食品・化粧品・薬品などの企業、胚培養士、警察の科学捜査研究所や鑑識、検疫所等多様な分野で活躍することが可能です。
    さらに、大学では卒業研究も充実しており、その経験から研究の道に進むことをめざす学生もいます。最先端の科学技術をさらに深く研究したい場合に大学院に進学することも可能です。
     
  • 卒業するとどのようなフィールドで活躍できますか?

    ①施設

    ・藤田医科大学病院
    ・本学以外の大学病院
    ・公務員(市職員、県職員、保健所)
    ・地域の基幹病院、民間病院
    ・検査センター:クリニックや病院から集められた検体を検査する施設
    ・検診センター:健康診断に特化した施設
    ・公衆衛生研究所:臨床検査、食品衛生、感染対策、環境衛生等の業務
    ・企業:医薬品、医療機器、化粧品、食品、再生医療分野の研究や商品開発など
    ・警察(科学捜査研究所、鑑識、法医学等)、自衛隊、検疫所

    ②職種

    ・臨床検査技師 (超音波検査士、細胞検査士)
    ・胚培養士(生殖医療)
    ・臓器移植コーディネーター
    ・研究職
    ・医療機器メーカー学術
    ・食品、化粧品関連企業の品質管理
    ・治験コーディネーター(CRC)
    ・アプリケーションスペシャリスト
    ・食品衛生監視員
    ・環境衛生監視員
    ・大学教員
  • 将来、検査の機械化・自動化によって臨床検査技師の仕事がなくなると言われましたが本当ですか?
    検査の機械化・自動化により迅速・正確に検査を行うことができるようになってきました。しかし医療の高度化・細分化や予防医学が進展していく中で、検査依頼数・新規検査項目は増え続けています。また、機械化・自動化が進んでも、用手法の工程が多くあります。さらに、検査の精度管理や検査機器の運用管理には臨床検査技師が必要です。さらに、患者さんへの検査説明、検体採取、手術室や救命救急センター内での迅速検査、血管造影検査での診療支援、病院内での感染症対策、不妊治療における胚培養、遺伝カウンセリング、疾患の予防教室参画などの機械には置き換えられない新たな業務も増加の一途を辿っています。がんゲノム、バイオバンク、再生医療のような最先端の医療体制や研究分野でも臨床検査技師の能力が求められています。コロナ禍においてしばしば耳にするPCR検査や抗原、抗体検査なども臨床検査技師の業務です。このように高い専門性を有する臨床検査技師は、今後も医療現場で欠かすことのできない重要な存在であり、医療現場や生命科学の多くのフィールドで更なる活躍が期待される職種です。
  • 臨床検査技師は就職難でしょうか?
    本学の求人状況は安定しており、就職難とは言い難いです。毎年、卒業予定者に対して約14倍の臨床検査技師の求人が届いており、ほぼ100%の就職率を保っています。本学科の学生は内定獲得までに毎年平均3~4件のエントリー数であり、一般的な大学の就活生が平均20~30社のエントリーを行う(マイナビ調査)ことと比較すれば、就職のしやすさが分かると思います。またその就職先は、地域の基幹病院・民間病院に27%、大学病院に15%、公務員(県立病院、市民病院、保健所など)15%、検査センター・健診センターに17%、企業・研究職4%、進学17%(2022年3月卒)でした。比較的大きな施設に就職していることも特徴です。今後も安定した状態が続くと予想されます。

臨床工学プログラム

(2)大学生活について

  • 臨床工学プログラムでは何を学ぶのですか?
    1、2年次に学んだ基礎医学・臨床医学の知識を基盤として、2年次後期以降では病態改善に向けた様々な治療機器の操作技術(循環機能代行技術学、代謝機能代行技術学、呼吸機能代行技術学、医用治療機器学など)、客観的論理思考を培うための医工学的な知識(医用材料工学、生体物性工学、電気工学、電子工学、機械工学など)を学びます。
  • 他大学とは異なる「臨床工学プログラム」の魅力は何ですか?

    ①病態把握ができる臨床工学技士の養成

    この学科の1年生・2年生で実施される基礎医学科目(解剖学、生理学、免疫学、生化学など)、臨床医学科目は、医療科学部で学ぶすべての学生に必修科目です。医療系大学であるため、その内容は、その後の専門科目に大いに役立ちます。患者さんの病態を把握することに繋がり、適切な医用機器の選択・設定・操作を医師に提案できることになります。そのような臨床工学技士を養成します。

    ②歴史と伝統のある臨床工学教育

    東海地方の臨床工学技士養成大学としては最も長い歴史があります。前身の短大専攻科から受け継がれる歴史と伝統から本学の強みである医学・医療をベースとした体系的な教育を行っています。卒業生は全国の基幹病院等で重要な役職につき活躍しています。

    ③充実した教育環境

    臨床工学技士を養成する施設として東海地方では唯一、大学病院を併設しています。4年次の臨床実習では、手術用支援ロボット「ダビンチ」をはじめとする高度先進医療に必要な最新医療機器、先端治療支援技術を学ぶことができます。

    ④少人数グループによる臨床工学教育

    臨床工学プログラムの実習は少人数のグループに分けて行います。学生個々の学びを確認しながら臨床工学の知識・技術を身に付けます。

(3)資格について

  • 臨床工学技士は、どんなことをする職業ですか?
    臨床工学技士は厚生労働大臣の免許を得て、医師の指示のもとに生命維持管理装置の操作および保守点検をおこなう医療技術者です。これは1987年に初めて国家資格として認められた最も新しい医療職種の一つです。人の生命を維持する上で欠かすことのできない機能を代行または補助する人工呼吸器、人工心肺装置、血液浄化(人工透析)装置、人工ペースメーカ、高気圧酸素治療装置などの医療機器を操作できる職業です。また、これらを保守点検し、人の生命維持や治療に対し重要な役割を担います。近年の医療機器の高度化によって複雑となった機器が、安全かつ効果的に働くように保守点検をおこないます。
  • 臨床工学技士に向いている人はどのような人ですか?
     臨床工学技士は医療機器のスペシャリストですので、機械を触ることが好きな人に向いている職業といえます。
    臨床工学技士は医療機器の操作が主ですが、ただ医療機器と向き合っていればいいというわけではありません。医療機器の操作は患者さんの治療の一つですので、「なんとかしてこの人を助けたい」という思い・情熱が必要となります。また、治療現場で働くことから患者さんと直接接することも多くなり、必然的に医師、看護師などの医療スタッフと綿密にコミュニケーションをとりながら業務することになります。
    従って、スペシャリストとして、医療・工学的知識と同じくらい重要な能力として、コミュニケーション能力が求められます。
  • 臨床工学技士と他の医療職との違いはなんですか?
    臨床工学技士は、治療に直接関わる専門職種で、医学の深い知識・技術と工学の知識・技術、論理思考力を併せ持ち、生命維持管理装置などの医療機器の操作のみならず、保守点検や開発にまで携わります。

(4)卒業後の進路(就職)について

  • 短大・専門学校でも国家資格取得はできますが、違いはありますか?
    国家資格自体に違いはありませんが、卒業後の進路の幅が広がります。
    大学病院、地域の基幹病院、市職や県職などの公務員等、比較的大きな規模の施設では高度化する医療に対応するため、大学卒以上の臨床工学技士が求められています。また、医療機器メーカーから臨床工学技士の求人があり、メーカーと医療機関とのパイプ役あるいは専門技術者として活躍しています。さらに、大学院に進学し、修士・博士を取得し、研究・教育を目指すこともできます。
    給与待遇は短大・専門学校卒と異なります。
  • 臨床工学技士は就職難でしょうか?
    2022年3月まで4年生在籍定員45名に対し、就職内定率は97.8%(44名内定/45名)です。
    近年は、医療の安全が社会的にクローズアップされ、臨床工学技士に寄せられる期待は、大きくなってきていると考えます。高度化・複雑化する医療機器の進歩に伴い2010年に「臨床工学技士基本業務指針2010」が公表され、臨床工学技士の業務内容が拡大されたことにより、今後の求人数も堅調に推移すると考えられます。
    また、平成26年度からは、一定条件を満たす病院で専任の臨床工学技士が、常時、院内に勤務している場合には、診療報酬加算が認められるなど、臨床工学技士のニーズはより一層高まっています。