医療科学専攻 <博士後期課程>

教育目標及び養成する人材像

医療科学研究科 医療科学専攻博士後期課程では、本学の建学の精神「独創一理」の理念のもと、現代医療の高度化、複雑化、多様化に幅広く対応するために、高度な知識と科学的根拠に基づき、専門的な医療技術の発展に寄与する独創的な研究開発能力と高い倫理観を有した教育者、研究者、指導者を養成することを目的とする。

3ポリシー

アドミッション・ポリシー

医療科学研究科 医療科学専攻 博士後期課程においては、大学等を卒業し、大学院修士課程もしくは博士前期課程を修了もしくはそれと同等以上の能力を有するものを対象に、次のような人材を受け入れる。
(1)医療科学を基盤とする各領域において、科学的根拠を探求し様々な課題を解決するために研究を志すもの
(2)研究テーマに関する新たな知見や技術の開発を通して真理を探究する熱意のあるもの
(3)先進技術を取り入れ、革新的な研究成果を世界に向けて発信する意欲のあるもの
(4)研究成果を社会に還元し、医療科学の発展に寄与しようとする意欲の高い教育者、研究者、指導者を志すもの

本研究科の教育理念・目標に合致した学生を選抜するために、以下の通り入学者選抜を実施する。
  • 提出書類および志願する専門領域に関する口述試験から、上記(1)-(4)に関する能力および資質を評価する。
  • 英語試験から、上記(3)に関する基礎的な語学力を評価する。

性、人権、宗教、性的指向、社会経済的地位、身体能力の如何によって、入学に関する優先性が影響されることはありません。
-禁煙への取り組み- 藤田医科大学では、人々の健康を守る医療職者を育成する大学として、入学者は喫煙しないことを約束できる方とします。

カリキュラム・ポリシー

医療科学研究科 医療科学専攻 博士後期課程にあっては、ディプロマ・ポリシーに掲げる3つの力を修得させるために、「生体情報検査科学」「医用量子科学」「医用生体工学」の3専門領域を設け、以下に示した教育課程編成方針に基づきコースワークとリサーチワークを体系的に配置する。コースワークは、専門科目と共通科目からなり、講義・演習などを適切に組み合わせ、高度な専門知識や技術、実践能力の効果的な修得につながる授業を行う。リサーチワークは、特別研究によって、課題の設定・解決、国内外への研究成果の発信能力及び先進的な技術の活用に必要な能力の修得につながる研究活動を行う。
教育内容、教育方法、評価については以下のように定める。

(1)教育内容
(1-1)生体情報検査科学領域においては、以下のように科目を配置する。
  • 研究を通して、医療の変化に対応できる優れた検査科学者を育成し、教育者、研究者、指導者を輩出するために、「生体情報検査科学特論」、「生体情報検査科学演習」、「生体情報検査科学特別研究」を配置する。

(1-2)医用量子科学領域においては、以下のように科目を配置する。
  • 研究を通して、急速に発展する技術に的確に対応でき、さらに高精度かつ安全な放射線医療の臨床応用の開発に貢献できる教育者、研究者、指導者を輩出するために、「医用量子科学特論」、「医用量子科学演習」、「医用量子科学特別研究」を配置する。

(1-3)医用生体工学領域においては、以下のように科目を配置する。
  • 研究を通して、さらなる技術革新を推進できる優れた医科学系研究者や工学系技術者を育成し、教育者、研究者、指導者を輩出するために、「医用生体工学特論」、「医用生体工学演習」、「医用生体工学特別研究」を配置する。

(2)教育方法
  • 教育者、研究者、指導者として高度な専門的知識を獲得するとともに、研究課題の設定、研究計画の立案、実験・調査・解析の遂行、論文の作成といった一連の研究活動を推進できるよう個別指導する。
  • 課題に対する学生のプレゼンテーションや集団討論を取り入れたアクティブラーニングを促進する。
  • 国際化を推進するため、英語による講義や議論を行う。
  • 研究遂行や、論文発表の際のプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を修得するために指導教員がきめ細やかに研究指導や論文執筆・発表の指導を行う。

(3)評価とフィードバック
  • 各科目のシラバスに記載された到達目標に基づき、学生の行ったプレゼンテーションや成果物に対して、教員の解説や改善案などのフィードバックを行う。
  • 年度毎に提出する研究指導計画書や研究実績報告書に基づき、担当学生の取り組みに対して指導教員がフィードバックを行う。
  • 博士論文審査や博士論文発表会において、研究遂行能力や倫理観、論理展開、論文執筆力、プレゼンテーション能力が身についているかを評価する。
  • 教育課程が有効に機能しているかを確認することを目的に、ディプロマ・カリキュラム・アドミッションの3つのポリシーに基づく学位プログラムの成果を把握・評価し、教育の改善に役立てる。

ディプロマ・ポリシー

医療科学研究科 医療科学専攻 博士後期課程にあっては所定の年限以上在籍して、教育の理念と目的に沿って設定した所定の単位を修得し、論文審査及び最終試験において、以下の能力を身につけていることを学位認定の基準とする。

(1)グローバルに活躍できる力
  • 医療や社会の変化を見据え、革新的な研究成果を世界に向けて発信し、国内外で活躍できる力を身につけている。

(2)連携する力
  • 産官学民連携・異分野連携に基づき先進技術を駆使しながら研究課題を解決し、得られた研究成果を広く発信できる力を身につけている。

(3)未来を創造する力
  • 医療技術革新により未来を創造し、多様性のある次世代医療者を養成する力を身につけている。

領域・分野

専攻領域 専攻分野
生体情報検査科学領域 近年、ゲノム医療、再生医療等の医療の変革が目覚ましく、その診断や治療の発展には、臨床検査が不可欠である。こうした急激な変化とともに、高度化、専門化する臨床検査に柔軟に対応できる検査科学者が求められている。この領域では、修士課程の教育・研究内容を基盤に、生体情報を把握し、①最新の検査技術や検査機器の開発、②生体内物質の分子レベルでの生化学的分析法、遺伝子増幅定量技術法、形態学的検査法及び細胞診断技術法等を用いた病因・病態解析、③予防医学、精神神経科学的な側面からの生体解析等の研究を通して、医療の変化に対応できる優れた検査科学者を育成し、教育者、研究者、指導者へと発展しうる人材を育成することを目的とする。
生体情報検査科学分野
医用量子科学領域 近年、X線CT、Interventional Radiology (IVR)をはじめとするX線診断技術、磁気共鳴画像 (MRI)診断技術、Positron Emission Tomography (PET)を含む核医学診断技術、高精度放射線治療・重荷電粒子線治療技術など、医用放射線装置・技術の発展には目覚ましいものがある。この領域では、修士課程の教育・研究内容を基盤に、デジタル医用画像から得られる生体情報を基に人体構造・機能を解析して治療計画に応用する研究、3D・4D画像を基に患部に放射線を集中させる照射法の研究、放射線画像の向上と患者被ばく線量低減の両立化に関する研究等を行う。これらの研究を通して、急速に発展する放射線診断・治療装置に的確に対応でき、さらに高精度かつ安全な放射線医療の臨床応用の開発に貢献できる教育者、研究者、指導者を育成することを目的とする。
医用量子科学分野
医用生体工学領域 近年、機械工学や人間工学、ナノテクノロジー、画像診断技術、新たな免疫学的アプローチを駆使した検査・治療技術を実現する医療デバイスの技術革新は目覚ましい。この領域では、これらの技術革新をさらに推進させるために、修士課程の教育・研究内容を基盤に、生体情報の計測技術、新規診断、治療装置開発や血液浄化装置、人工心肺装置、人工呼吸器といった生命維持装置の応用技術、そして医療ロボット技術に関する研究等を行う。これらの研究を通して、当該領域のさらなる技術革新を推進できる優れた医科学系研究者や工学系技術者を育成し、教育者、研究者、指導者として活躍できる人材を育成することを目的とする。
医用生体工学分野