臨床栄養学Clinical Nutrition

研究室スタッフ

教授
  • 飯塚 勝美
助教
  • 後田 ちひろ

ライフステージに合わせた新たな栄養学のエビデンスの創出

講座紹介

これまでの栄養学は、基礎研究と臨床研究が別々に行われ、両者の知見が必ずしも患者治療に還元されているとは言えません。また、ライフステージにより患者様の目的にあった栄養療法も当然変わります。そのため、臨床栄養学は、食養部、国際医療センター、NST実務委員会、各診療科との連携、企業との産学連携により、ライフステージに応じた臨床栄養学のエビデンスを創出し、患者様に提供します。

栄養療法に関する評価法の開発

  • より正確な食事内容評価法の開発
    従来食事内容の把握には、患者様からの聞き取りが中心でしたが、正確な評価は困難です。企業とも連携し、近年開発されている食事アプリ、ウェアラブルデバイスの妥当性を検証しながら、より正確な食事内容評価法の開発を目指します。
  • 栄養状態を判断する簡便な指標の開発
    栄養治療の有効性を判断するための簡便な指標を明らかにします。

疾患予防に資する栄養療法の開発

  • 栄養素の量と質を考慮した栄養療法の開発
    栄養素の量についてはこれまで大規模研究である程度わかってきています。しかし、栄養素の質、調理法の影響、ビタミンや微量元素については未解明です。基礎研究に加えて、食養部、国際医療センターと連携した臨床研究を通じて、この点を明らかにし、栄養治療に役立てます。
  • 低栄養、サルコペニアフレイル予防に資する栄養療法の開発
    高齢者の増加により、低栄養(BMI<21)、サルコペニアフレイル予防の重要性が高まっています。サプリが安易に使用される傾向にありますが、健康被害の例も見られます。そのため、安全性の確立した栄養補助食品での介入を行い、低栄養、サルコペニア予防の可能性を検証します。

治療効果、患者QOLを高めるための栄養療法の開発

  • 各疾患における栄養療法の妥当性の検証
    各診療科、食養部、NST実務委員会と連携し、経験的に行われている栄養療法については妥当性を検証し、病態に合わせた栄養療法のエビデンスの創出を目指します。さらに、さまざまな社会背景、生活習慣を考慮した個別化栄養療法を提案します。
  • 健康に配慮しかつ満足感を味わえる食事レシピの開発
    食養部と連携し、患者様のQOL向上のため、健康に配慮しかつ満足感を味わえる食事について、科学的観点に基づいたレシピ開発を行います。