産業と技術革新の基盤づくりに関する研究

    

遠隔手術支援・完全遠隔手術の実証実験

東京—愛知間で手術支援ロボットhinotoriを用いて遠隔で指導する遠隔手術支援の実証実験を2023年4月に実施しました。藤田医科大学内のトレーニング施設(MIL名古屋)で若手医師が執刀するモデル臓器を用いたhinotoriの模擬手術を、東京の遠隔ロボット実験施設(シスメックス社)にいる先端ロボット・内視鏡手術学 宇山一朗教授が遠隔で操作を代わりながら指導を行いました。遠隔操作の際に生じるタイムラグはわずか0.032秒で、手術に影響を与えない遅延速度であることを確認。また、同日に完全遠隔手術の実証実験として、人との類似性が高い生体(ブタ)を用いた遠隔操作による胃切除術も実施し、予定通りに手術を完了しました。
今後はさらに拠点間の距離を延伸させるとともに、全国規模でのネットワーク構築と遠隔手術プラットフォーム臨床導入の実現に向けて検証を重ね、外科医偏在や若手医師教育の地域格差の解消に役立てることを目指します。