幅広いコミュニティーの中でのSDGの教育

藤田医科大学と東京音楽大学がタッグを組み、「医学×音楽」をテーマに展開するコラボレーション・セミナー。2024年度も、多彩なテーマで6回のセミナーを開催しました。医学の知見と音楽の魅力が交差するこの特別なイベントでは、健康・防災・教育などの社会的課題を取り上げ、多くの方々にご参加いただきました。

東京音楽大学TCMホールで開催された第7弾では、指揮者広上淳一教授と救急医岩田充永教授が、「信念ある善意の危険性」や「忖度文化」 についてディスカッション。能登半島地震の支援活動にも触れながら、「医療者・音楽家に求められる社会貢献とは？」というテーマで熱く語りました。後半は、東京音楽大学の学生によるピアノ三重奏が披露され、ピアノ・バイオリン・チェロの美しいハーモニーが会場を包み込みました。

東京音楽大学TCMホールで開催された第8弾では、本学 医科プレ・プロバイオティクス講座の教授が、腸内環境が全身の健康に与える影響について講演しました。「腸はすべての臓器をつなぐハブであり、プレ・プロバイオティクスの摂取が健康維持に重要である」と強調し、正しい健康情報の発信の必要性にも言及しました。講演後は、東京音楽大学の学生による金管アンサンブルが披露され、エネルギッシュな演奏に大きな拍手が送られました。

名古屋市の鯱城ホールで、初めて地元・名古屋での開催となった第9弾。本学の岩田充永教授と、東京音楽大学の指揮者広上淳一教授による大人気企画「居酒屋対談」第3弾が行われました。「IQ偏重の現代教育」「情緒教育の欠如による人間関係の希薄化」といったテーマについて、ぶっちゃけトークが繰り広げられ、会場は熱気に包まれました。セミナー後は、東京音楽大学の学生による弦楽四重奏が披露され、音楽の力を存分に感じる時間となりました。

東京音楽大学TCMホールで開催された第10弾では、本学の救急医学・総合内科学教授が「医師が伝える災害と医療」をテーマに講演。被災地での医療支援の経験をもとに、限られた医療資源の中で個人ができる準備や行動についてアドバイスしました。特に、「持病がある方は1週間分の処方薬を備蓄し、お薬手帳や検査結果をコピーしておくことが重要」との具体的な提言が印象的でした。セミナー後には、東京音楽大学の学生による声楽演奏会が行われ、美しい歌声が会場を包みました。

名古屋市のホール「ハレ・ルンデ」にて開催された第11弾セミナーでは、本学 医療科学部の教授が「健康診断の結果の見かた」をテーマに講演。心筋梗塞の症例をもとに、HbA1c値や血圧管理の重要性を解説し、早期受診の大切さを伝えました。講演の後は、東京音楽大学の学生によるクリスマスメドレーを交えた独唱・ピアノコンサートが開催され、年の瀬にふさわしい華やかな時間となりました。

東京音楽大学TCMホールにて、藤田医科大学×東京音楽大学コラボセミナー第12弾が開催されました。本学 臨床栄養学の飯塚勝美教授が、若年女性の低栄養とその健康への影響について講演。月経不順や骨粗しょう症のリスク、次世代への影響にも触れ、朝食の大切さを強調しました。最新の研究紹介もあり、参加者からは高評価の声が多数。音楽パートでは学生による力強いピアノ演奏が行われ、医学と音楽が融合した充実の時間となりました。