座談会実施日:2025.5.2
~リアルな声から見える、育児と仕事の両立とは~
近年、男性の育児休業取得に関心が高まっています。しかし、「実際にどんな風に過ごすの?」「職場の理解はあるの?」「取得中は何をしていたの?」といった疑問の声も多く聞かれます。
そこで本学では、多様な働き方の推進を目的に、男性職員の育児休業取得を後押しするための座談会を開催しました。実際に育休を取得した4名の職員が参加し、それぞれの体験や感じたことを率直に語り合いました。
育休を取ろうと思ったきっかけは?
瀧下さん:「第一子の出産にあわせて約3か月育休を取りました。初めての出産で育児に対する不安が大きかったですし、実家、義実家共に支援を受けることが難しかったため、妻から『長めに取ってほしい』と言われたのが大きな理由です。」
福本さん:「3人の子どもがいますが、1人目のときは里帰り出産だったため育休は取りませんでした。ただ、産後に妻が体調を崩し、有休を20日ほど取りました。その経験から、2人目と3人目では育休を取りました。育休中は主に夜間の育児対応と上の子のお世話をしていました。」
大林さん:「福本さんと同じで、2人目の出産時、上の子の世話をどうするかが課題でした。妻の入院中や退院直後の不安定な時期を考え、育休を取得する決断をしました。」
井原さん:「短い期間でしたが、妻の体調回復や家事・育児への集中のため、1か月の育休を取りました。」
福本さん:「3人の子どもがいますが、1人目のときは里帰り出産だったため育休は取りませんでした。ただ、産後に妻が体調を崩し、有休を20日ほど取りました。その経験から、2人目と3人目では育休を取りました。育休中は主に夜間の育児対応と上の子のお世話をしていました。」
大林さん:「福本さんと同じで、2人目の出産時、上の子の世話をどうするかが課題でした。妻の入院中や退院直後の不安定な時期を考え、育休を取得する決断をしました。」
井原さん:「短い期間でしたが、妻の体調回復や家事・育児への集中のため、1か月の育休を取りました。」
育休中の過ごし方は?
福本さん:「基本は妻の体調回復を最優先に行動していました。なので、夜は自分が赤ちゃんの世話と家事を担当しました。沐浴も一人だと手が回らないので。育休の取得期間は家庭の状況によるので、夫婦で相談して決めるのが良いと思います。自分の場合は、3か月すると自分たちも寝られるようになってきたので、2人目からはそれを目安に育休期間を決めていました。」
瀧下さん:「うちは妻の出産が大変で、1か月ほどはほとんど動けない状態だったため、自分が育休を取らざるを得ませんでした。出産は何が起こるか分からないので、可能であれば1か月は育休を取得するのがいいと思います。」
福本さん:「帝王切開など、出産も様々ですもんね。」
井原さん:「自分は眠りが浅い性格なので、夜間の育児は自分が担当。特に手術室勤務で帝王切開の大変さを知っているからこそ、妻を支える必要性を実感しました。自然分娩でも大変だと思いますが、帝王切開になるとお腹を切っている分、当然動くことができない状況だと思います。」
大林さん:「僕は2人目の育休中に上の子の保育園送迎や公園遊びを担当していました。結果的に子どもとの絆が深まりました。“どちらかの子には必ずどちらかの親がつく”という体制が、家族全体の安心感につながったと思います。育休期間に上の子とたくさん遊んだので、絶対自分になついています!妻の前では言えませんが(笑)育休の期間は1か月でちょうどよかったと思います。妻がある程度動けるようになった、というのと、2人目の育児で慣れていたところもあります。」
瀧下さん:「うちは妻の出産が大変で、1か月ほどはほとんど動けない状態だったため、自分が育休を取らざるを得ませんでした。出産は何が起こるか分からないので、可能であれば1か月は育休を取得するのがいいと思います。」
福本さん:「帝王切開など、出産も様々ですもんね。」
井原さん:「自分は眠りが浅い性格なので、夜間の育児は自分が担当。特に手術室勤務で帝王切開の大変さを知っているからこそ、妻を支える必要性を実感しました。自然分娩でも大変だと思いますが、帝王切開になるとお腹を切っている分、当然動くことができない状況だと思います。」

大林さん:「僕は2人目の育休中に上の子の保育園送迎や公園遊びを担当していました。結果的に子どもとの絆が深まりました。“どちらかの子には必ずどちらかの親がつく”という体制が、家族全体の安心感につながったと思います。育休期間に上の子とたくさん遊んだので、絶対自分になついています!妻の前では言えませんが(笑)育休の期間は1か月でちょうどよかったと思います。妻がある程度動けるようになった、というのと、2人目の育児で慣れていたところもあります。」
育休取得後の意識の変化は?
大林さん:「家事・育児は“フェア”にやることを意識しています。」
福本さん:「“頑張りすぎないこと”も大切だと思います。育児も家事も完璧にやるのは無理なので、手を抜くことも必要だと感じました。」
瀧下さん:「妻が1年育休を取ってくれていますが、休みの前日などは自分が子どもを見るようにしています。まだ模索中ですが、できる範囲でバランスを取ろうとしています。」
井原さん:「休みの日はできる限り妻にリフレッシュの時間を作ってもらい、自分が子どもの面倒を見るようにしています。とはいえ、家のことの負担はどうしても妻の方が大きいかもしれないです。申し訳なく思っています。」
瀧下さん:「家事分担はどのように決めているのですか」
大林さん:「話し合って決めたわけじゃないんですけど、例えば子供をお風呂に入れるのや、寝る前の歯磨きをするのは僕であったり、その間に食器を洗うのは妻であったりとか、同じ時間帯でやらなくちゃいけないことってありますよね。何となくの役割分担が決まっていって、分担しているっていう感じですね。」
福本さん:「得意な家事ってありますもんね。お互い同じ家事するにしてもストレスの少ない方がやれればなと。うちは子供のお風呂に関してはその日の気分で一緒に入りたいと言う人が変わったりするので、きちんと役割が決まっていないこともありますね。分担が明確に決まっていた方が効率はいいのでしょうけど、疲れていたり、タイミングが悪かったりするとなかなかうまくはいかないですね。」
大林さん:「福本さんはお子さん3人いらっしゃるんですよね?3人のお風呂はどうやって入れているんですか?3人同時にお風呂に入れているんですか?」
福本さん:「冬は厳しいかもしれないですけど、暖かい季節であれば、親1人で3人同時に入れることもできますよ。」
大林さん:「役割分担の話でいうと、上の子は5歳の男の子で、はしゃぐ系の遊びが好きなので、全力な遊びは父親担当になることが多いです。僕自身も体を動かすのが好きなので、苦ではないです。ひらがなドリルを横で付き添って一緒に解いたりするのは奥さんが頑張ってくれています。僕はそういったことは苦手なので(笑)」
福本さん:「性別や性格によっても違いますよね。」
大林さん:「そうですね。うちは上の子は昔から怖がりだったので、自分が育休を取らずに奥さんが下の子に付きっきりだと上の子のメンタルが心配でした。結果的に僕が上の子のメンタルフォローができて良かったと思います。」
福本さん:「“頑張りすぎないこと”も大切だと思います。育児も家事も完璧にやるのは無理なので、手を抜くことも必要だと感じました。」
瀧下さん:「妻が1年育休を取ってくれていますが、休みの前日などは自分が子どもを見るようにしています。まだ模索中ですが、できる範囲でバランスを取ろうとしています。」
井原さん:「休みの日はできる限り妻にリフレッシュの時間を作ってもらい、自分が子どもの面倒を見るようにしています。とはいえ、家のことの負担はどうしても妻の方が大きいかもしれないです。申し訳なく思っています。」
瀧下さん:「家事分担はどのように決めているのですか」

大林さん:「話し合って決めたわけじゃないんですけど、例えば子供をお風呂に入れるのや、寝る前の歯磨きをするのは僕であったり、その間に食器を洗うのは妻であったりとか、同じ時間帯でやらなくちゃいけないことってありますよね。何となくの役割分担が決まっていって、分担しているっていう感じですね。」
福本さん:「得意な家事ってありますもんね。お互い同じ家事するにしてもストレスの少ない方がやれればなと。うちは子供のお風呂に関してはその日の気分で一緒に入りたいと言う人が変わったりするので、きちんと役割が決まっていないこともありますね。分担が明確に決まっていた方が効率はいいのでしょうけど、疲れていたり、タイミングが悪かったりするとなかなかうまくはいかないですね。」
大林さん:「福本さんはお子さん3人いらっしゃるんですよね?3人のお風呂はどうやって入れているんですか?3人同時にお風呂に入れているんですか?」
福本さん:「冬は厳しいかもしれないですけど、暖かい季節であれば、親1人で3人同時に入れることもできますよ。」
大林さん:「役割分担の話でいうと、上の子は5歳の男の子で、はしゃぐ系の遊びが好きなので、全力な遊びは父親担当になることが多いです。僕自身も体を動かすのが好きなので、苦ではないです。ひらがなドリルを横で付き添って一緒に解いたりするのは奥さんが頑張ってくれています。僕はそういったことは苦手なので(笑)」
福本さん:「性別や性格によっても違いますよね。」
大林さん:「そうですね。うちは上の子は昔から怖がりだったので、自分が育休を取らずに奥さんが下の子に付きっきりだと上の子のメンタルが心配でした。結果的に僕が上の子のメンタルフォローができて良かったと思います。」
育休を取る際に不安だったことは?
大林さん:「業務の引継ぎや書類の準備が不安でした。女性の場合は“出産予定日の何週間前から産後休暇”と休暇に入る日程が予め決まっておりますが、男性は出産した時点で育休を取得することになります。そのため、いつから育休を取れるのか、明確な日程が決まっていないため、自分が担当している患者さんの退院計画などの情報をどのタイミングで誰に引き継ぐかが大きな課題でした。また、手続きの進め方もよく分からず不安でした。」
福本さん:「長期で職場を離れる申し訳なさと、育休関連の手続きが複雑で分かりづらい点が不安でした。」
瀧下さん:「自分の業務を代わってくれる人が少なく、引継ぎには不安がありました。手続きは妻が調べてくれたので助かりました。」
井原さん:「僕の場合は、業務の穴を埋める必要はありましたが、手術室の看護業務はその日その日で完結する業務が多いため、自分が抜けても穴を埋めやすいという性質もあり、比較的育休を取りやすい環境だったと感じます。」
福本さん:「長期で職場を離れる申し訳なさと、育休関連の手続きが複雑で分かりづらい点が不安でした。」

瀧下さん:「自分の業務を代わってくれる人が少なく、引継ぎには不安がありました。手続きは妻が調べてくれたので助かりました。」
井原さん:「僕の場合は、業務の穴を埋める必要はありましたが、手術室の看護業務はその日その日で完結する業務が多いため、自分が抜けても穴を埋めやすいという性質もあり、比較的育休を取りやすい環境だったと感じます。」
育児で大変だったことは?
福本さん:「共働きの場合、仕事が始まってからが特に大変ですね、、、」
大林さん:「僕の場合は奥さんより出勤時間が早いので、保育園の送迎が妻任せになっています。家を出る時間になっても着替えが終わらないなど、スーパーストレスフルな中、よく頑張ってくれているなと、妻にはとても感謝しています。また、子どもの発熱時に“どちらが休むか”の問題もあります。ワンオペで2人見るみたいなこともありましたが、育休期間で育児経験を積んだおかげで乗り越えることができました。」
福本さん:「家族全員が体調不良のときは最悪でした。一度、家族が一斉に感染性胃腸炎に罹ったことがあり、手伝いを呼びたくても、感染のリスクがあるので頼めない状況で、体調不良の中、子供たちの世話もしなくてはならない時が本当に大変でした」
大林さん:「僕の場合は奥さんより出勤時間が早いので、保育園の送迎が妻任せになっています。家を出る時間になっても着替えが終わらないなど、スーパーストレスフルな中、よく頑張ってくれているなと、妻にはとても感謝しています。また、子どもの発熱時に“どちらが休むか”の問題もあります。ワンオペで2人見るみたいなこともありましたが、育休期間で育児経験を積んだおかげで乗り越えることができました。」
福本さん:「家族全員が体調不良のときは最悪でした。一度、家族が一斉に感染性胃腸炎に罹ったことがあり、手伝いを呼びたくても、感染のリスクがあるので頼めない状況で、体調不良の中、子供たちの世話もしなくてはならない時が本当に大変でした」
育休取得によって仕事への影響は?
大林さん:「子どもができてから仕事に割ける時間は減りました。その分、成長スピードが緩やかになるのは覚悟しています。不安もありますが、今はそういう時期だと割り切ってやっています。」
瀧下さん:「想像以上に子育てにはお金がかかるなあ、と実感しています。その分ちゃんと稼ぐためにも、スキルアップの必要性を強く感じるようになりました。」
大林さん:「めちゃくちゃ分かります!!学童や習い事など今後の出費を考えると、このままではまずくないか?と不安になることもありますよね。先を見据えた準備が必要ですね。」
瀧下さん:「想像以上に子育てにはお金がかかるなあ、と実感しています。その分ちゃんと稼ぐためにも、スキルアップの必要性を強く感じるようになりました。」
大林さん:「めちゃくちゃ分かります!!学童や習い事など今後の出費を考えると、このままではまずくないか?と不安になることもありますよね。先を見据えた準備が必要ですね。」
育休を取りやすい職場にするためには?
瀧下さん:「“育休を取って当たり前”という雰囲気づくりが必要ですよね。育休を取得したくても、最初の一人となると、不安が大きくなりますから。」
福本さん:「自分だけの仕事があると育休の取得は難しいですよね。妊娠報告の時に上司から育休どうするの?と声をかけてもらえると「とってもいいんだ」と次に進みやすいと思います。個人的には妊娠の報告もタイミングが難しいなと思っていました。早めに育休の相談をしたいけど、流産しちゃう可能性もありますから、安定期に入ってからにしようかとか。」
大林さん:「自分も安定期に入ってから言いました。」
福本さん:「育休取るならなるべく早く言ったほうがいいとは思いますね。」

福本さん:「自分だけの仕事があると育休の取得は難しいですよね。妊娠報告の時に上司から育休どうするの?と声をかけてもらえると「とってもいいんだ」と次に進みやすいと思います。個人的には妊娠の報告もタイミングが難しいなと思っていました。早めに育休の相談をしたいけど、流産しちゃう可能性もありますから、安定期に入ってからにしようかとか。」
大林さん:「自分も安定期に入ってから言いました。」
福本さん:「育休取るならなるべく早く言ったほうがいいとは思いますね。」
育休から復帰するにあたって何かハードルはありましたか?
大林さん:「育休中、メールのやり取りはしてはいたのですが、完全に脳が育児モードになっていたので、「自分何やってたっけ?」と仕事を思い出すところから始めなきゃいけなくて、仕事モードに切り替えるのが、できるかなという不安がありました。」
福本さん:「自分の時は復職するタイミングで退職する方がいたので、仕事を思い出す必要がある中で、新しい領域の仕事も覚える必要があったので、少し大変でした。」
瀧下さん:「自分も、仕事覚えているかな~というのもそうですが、周囲の方は以前のように仕事ができる前提で接してくれるので、そのギャップに悩みました。」
井原さん:「復職後は意外と困らなかったです。一か月だけだったというのもあるかもしれませんが、新しい仕事が増えたわけでもないので。」
福本さん:「自分の時は復職するタイミングで退職する方がいたので、仕事を思い出す必要がある中で、新しい領域の仕事も覚える必要があったので、少し大変でした。」
瀧下さん:「自分も、仕事覚えているかな~というのもそうですが、周囲の方は以前のように仕事ができる前提で接してくれるので、そのギャップに悩みました。」
井原さん:「復職後は意外と困らなかったです。一か月だけだったというのもあるかもしれませんが、新しい仕事が増えたわけでもないので。」
これから育休を考えている人へメッセージ
福本さん:「迷ったら取るのがおすすめです。あとは奥さんとよく相談して、家庭環境を考慮して、取得期間も決めてください。2人目3人目の場合はぜひ上の子のためにも取ってあげてほしいです。生まれたらそれで終わりではありません。育休中の大変さもありますし、復帰後の大変さもあるので、育休を活用して、うまく軌道に乗ってほしいです。育休を取った人に相談できるといいですね。」
瀧下さん:「何が起こるか分からないので、とりあえず取ってみてほしいです。育休の日数は各家庭環境で変わってくるとは思いますが、とりあえず取る方向で話を進めるのが一番いいと思います。本学では、どれくらい育休を取るのか事前に計画を出しますが、日数の変更はいつでもできますよ。うまく調整できるといいですね。」
井原さん:「取れる環境があるなら取ることをお勧めします。最近は協力してくれる人が多いです。まずは相談するところから始めたらいいと思います。育休を取ってよかったと思う瞬間は、後から必ず来ます。」
大林さん:「個人的には育休取得している間とても楽しかったので、ぜひ取ってほしいなと思います。振り返るとあんなに家族で過ごせる時間は今のところ育休期間中だけでした。今は精々2~3日の連休くらいしかみんなで過ごせません。新生児の育児をできたのも大きな経験になりました。迷われているのであれば是非取得していただきたいです。」
瀧下さん:「何が起こるか分からないので、とりあえず取ってみてほしいです。育休の日数は各家庭環境で変わってくるとは思いますが、とりあえず取る方向で話を進めるのが一番いいと思います。本学では、どれくらい育休を取るのか事前に計画を出しますが、日数の変更はいつでもできますよ。うまく調整できるといいですね。」
井原さん:「取れる環境があるなら取ることをお勧めします。最近は協力してくれる人が多いです。まずは相談するところから始めたらいいと思います。育休を取ってよかったと思う瞬間は、後から必ず来ます。」
大林さん:「個人的には育休取得している間とても楽しかったので、ぜひ取ってほしいなと思います。振り返るとあんなに家族で過ごせる時間は今のところ育休期間中だけでした。今は精々2~3日の連休くらいしかみんなで過ごせません。新生児の育児をできたのも大きな経験になりました。迷われているのであれば是非取得していただきたいです。」
このように座談会では、実際に育休を取得した男性職員たちのリアルな体験が共有されました。家庭の状況はそれぞれ異なりますが、「育休を取ってよかった」という声が多く聞かれました。今後も働きやすい職場環境づくりに努めてまいります。
※この座談会は、藤田医科大学病院内に所属する職種の異なる男性職員4名にご協力いただきました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。


