2012年に開設された「低侵襲画像診断・治療センター」(通称:放射線棟)は、地上6階・地下1階・総延床面積8,637㎡を有する、国内最大規模の放射線診断・治療施設です。CTやMRIをはじめ、放射線治療、核医学、血管撮影などの機器を各フロアに配置。産学協同で開発した320列面検出器CT装置や、患者さんのニーズの高いPET-CTも完備しています。量・質ともに充実した環境で、診療放射線技師・医師・看護師など、各部門のスペシャリストがこの棟に集い、医療を提供しています。
フロア構成
各フロアに放射線治療や核医学、血管造影などの機器を配置しています。エレベーターホールから検査室までのルート一本化やストレッチャーがすれ違える廊下幅など、現場のあらゆるニーズに対応できるよう設計された、患者さんも職員も使いやすい施設です。
注目の先端機器
立位CT装置 Aquillion ONE(キヤノンメディカルシステムズ)
従来のように仰向けで検査を行うのではなく、立ったまま撮影できる「立位CT」が国内の大学病院の中では本学と慶應義塾大学のみで導入されています。患者が装置の中央に立つと、筒状の装置が上下に動いて体内を撮影します。座位での頭や首の内部撮影も可能です。膝関節などの運動器や呼吸器、消化器など幅広い分野の診断に用いられ、立位で撮影することで、運動機能、感覚機能、疼痛などこれまで発見しづらかった機能疾患の発見や、重力下で著明となる脊柱管狭窄症や鼠径ヘルニアなどの臨床評価において期待されています。
TOF-PET装置 BresTome-ブレストーム-(島津製作所)
BresTomeは検出器配置が変更できる最先端のTOF-PET装置で、1台で頭部・乳房の両方の検出が可能です。現在、多くの乳がん検診で用いられるマンモグラフィと比較して検査に伴う痛みが無く、組織が複雑になった高濃度乳房に対しても高い診断能が期待できます。また、頭部の検査では認知症診断にも用いられ、従来のPET/CT装置と比較して高解像度の画像が得られることや、CT撮影が無いので、被ばくが低減できるのも特徴です。


