プレスリリース

抗ウイルスコーティング剤が 新型コロナウイルス を 不活化 すること を確認しました

本学の河本聡志准教授と村田貴之教授(いずれも医学部ウイルス・寄生虫学)は、イビデン株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:青木武志)様の抗ウイルスコート剤「ウィルヘルコートプロ」※1「ウィルヘルスプレー」※2が、新型コロナウイルスに対して不活化効果があることを確認しました。この実験により、不特定多数が利用する施設において、感染防止手段の一つとして活用することが期待できます。
尚、今回の実験は、同社からの受託研究として実施しました。

※1「ウィルヘルコートプロ」
感染リスクの高い接触部(ドアノブや手すりなど)の抗ウイルスコーティング剤。金属やプラスチックなど幅広い材料に施工が可能。
※2「ウィルヘルスプレー」
非アルコール系の水溶液で、金属やプラスチックなどの材料に加え、布製品にも噴霧できることが特徴。

実験内容

ウイルス不活化能評価では、SARS-CoV-2のウイルス液(100μl)を「ウィルヘルコートプロ」または「ウィルヘルスプレー」を塗布したメラミン化粧板に滴下します。一定時間後に5%ウシ胎児血清添加の培養液(9.9 ml)を加えて振とうし、ウイルス液を回収しました。回収したウイルス液を適宜希釈し、VeroE6/TMPRSS2細胞に感染させ、3日後にTissue culture infectious dose 50(TCID50)という指標を計算することで、反応後のウイルス力価を評価しました。

研究成果

「ウィルヘルコートプロ」「ウィルヘルスプレー」とも15分間反応させることで99%以上の不活化効果を確認しました。

※VeroE6/TMPRSS2細胞は細胞バンクJCRBより入手し、SARS-CoV-2は神奈川県立衛生研究所より入手しました。すべての実験は藤田医科大学内に設置されたバイオセーフティレベル3(BSL3)の実験施設において、適切な封じ込め措置を執りながら実施しました。