本学の研究グループは、奈良県立医科大学や住友ファーマ株式会社などと共同で、自閉スペクトラム症(ASD)の病態に関わる新たな分子を発見しました。ASD者の脳ではミクログリアの機能不全によるシナプス過剰が想定されていますが、脳内のミクログリアは直接的に観察できないため、本研究では、末梢血から得られる類縁細胞であるマクロファージを用いシナプス蛋白の貪食能を調べ、ASD者は定型発達者に比べて貪食能が低いことを見出しました。さらに、貪食能が細胞表面にあるCD209という分子の発現と相関していることを明らかにしました。今回の成果は、発達期の神経回路形成におけるシナプス貪食能の異常が病態に関与する可能性を示しています。今後は、ヒトiPS細胞などを用いてミクログリアでも同様の現象がみられるかを検証し、さらなる病態解明を進め、この分子をターゲットにしたADSの新たな治療法の開発が期待されます。
研究者
医学部
鳥塚通弘 客員講師
精神・神経病態解明センター
牧之段学 教授
et al.


