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サルコペニアに対する非薬物療法の介入と転倒における高齢者総合機能評価の有用性

  • フレイル・サルコペニア
サルコペニアは、高齢者における骨格筋量・筋力・身体機能の低下を特徴とし、生活の質の低下や介護需要の増加、さらには患者および家族への経済的負担の増大と深く関わっていますが、これまでに有効な薬物療法は確立されておらず、対応は主に非薬物的介入に依存しています。本論文では、サルコペニアの発症予防および進行抑制を目的とした運動、栄養、電気筋肉刺激(EMS)に関する近年の知見を整理し、それぞれの有効性と限界について論じました。さらに、慢性炎症がサルコペニア進行の中心的な因子として注目され、治療標的としての可能性を論じました。また、高齢者では転倒が高頻度でみられ、骨折や頭部外傷の主な原因となるだけでなく、要介護状態の進行や死亡率の上昇にも直結します。転倒は、身体機能の低下といった内的要因に加え、家庭環境などの外的要因が複雑に関与する「多因子現象」であり、近年、高齢者を多面的に捉える手法として高齢者総合機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment:CGA)の有用性が多数報告されています。転倒についてもCGAを軸とすることで、リスクの包括的な把握や、効果的な介入につなげる出発点となることが期待され、本論文では、フレイルやサルコペニアなど高齢者に特有の病態との関連を含めながら、転倒におけるCGAの有用性を最新の知見とともに論じています。また、転倒予防に向けた実践的な介入戦略についても概説しています。

研究者

精神・神経病態解明センター 老化制御学部門

加瀬義高 准教授

et al.

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