研究チームはこれまでの研究で、翻訳後修飾因子ubiquitin-like 3(UBL3)を発見し、UBL3翻訳後修飾の標的としてがん転移や神経変性疾患に関与するタンパク質が含まれることを見出しています。しかし、細胞内でUBL3がどのように標的タンパク質と会合し、後期エンドソーム/多胞体に運ばれるのかは不明でした。本研究では、タイマー蛍光タンパク質と細胞内動態を捉える超解像顕微鏡技術を組み合わせ、リアルタイムでUBL3の輸送経路を解析。UBL3化修飾のターゲットとなるチューブリンがUBL3と細胞質内で会合し、その複合体が後期エンドソームの近傍まで移動、約1分以内に後期エンドソームに取り込まれるという翻訳後修飾による分子の動態変化をナノレベルで観察することに成功しました。この技術は、がん転移や神経変性疾患の治療に向けた新たな薬剤のスクリーニングに応用できると考えます。
研究者
研究推進本部 難病治療学研究部門
土田邦博 教授
研究推進本部 難病治療学研究部門
上田洋司 講師
et al.


