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BRAF変異依存性大腸がんの発生に新たな知見

  • 総合消化器外科学
  • がん
大腸がんは、がん発生のメカニズムがよく解明されており、多くの場合、APC、TP53、KRASが段階的に変異し、その発生や進行に重要な役割を果たすことが知られています。一方で、一部の大腸がんはこれらの変異に依存せず、BRAF変異に依存するタイプが存在しますが、その発生メカニズムは不明な点が多く残されていました。本研究では、藤田医科大学病院で集積された150症例の145遺伝子変異データを、学内で樹立したがんゲノム検査を用いて解析し、BRAF変異依存性がんの特徴として知られる大腸上部での発生や遺伝子変異量の増加を確認しました。さらに、各遺伝子の変異出現頻度から変異が起こる順序を推測した結果、DNAダメージ応答に関わる遺伝子の変異が、BRAF変異依存性がん発生のより早期に起こる可能性が示唆されました。今後、BRAF変異依存性がんの発生や維持の仕組みをさらに解明することで、このがん種に特化したより効果的な治療法の確立が期待されます。

研究者

総合消化器外科、腫瘍医学研究センター

近石裕子 助教

et al.

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