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大規模リン酸化プロテオミクス解析により学習と記憶を制御するNMDA受容体シグナル伝達経路の解明に成功

  • 精神・神経
脳の精巧な仕組みの中でも、神経細胞間の情報伝達を調整するなど特に重要な役割を果たしているのがNMDA受容体(NMDAR)と呼ばれるタンパク質です。その機能異常は様々な精神・神経疾患と関連していることが知られていますが、NMDARの下流で具体的にどのようなタンパク質がリン酸化されるのかはほとんど解明されておらず、学習・記憶のメカニズムや精神・神経疾患との関連についても多くの謎が残っています。研究グループは、独自に開発したリン酸化プロテオミクス解析法「KIOSS法」を用いて、NMDARの活性化後に起こるタンパク質リン酸化反応を大規模に解析。100種類以上のタンパク質とそのリン酸化部位の同定に成功しました。また、細胞や動物レベルの詳細な解析により、忌避学習の際にNMDARの下流でCaMKII-RhoA-ROCK/Rho-kinaseシグナル伝達経路が活性化されることが、学習と記憶に不可欠なシナプス可塑性の制御に重要であることを明らかにしました。

研究者

精神・神経病態解明センター

貝淵弘三 センター長

精神・神経病態解明センター

永井拓 教授

精神・神経病態解明センター

山下貴之 教授

精神・神経病態解明センター

船橋靖広 講師

et al.

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