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キヤノンメディカルシステムズが主催する画像診断コンテスト「画論27th The Best Image」で最優秀賞を受賞

放射線画像の技術を評価するコンテスト「画論27th The Best Image」のCT・1~160列部門で、本学の耳鼻咽喉科・放射線部・病理部・研究支援推進本部が共同で応募した「舌癌(SCC cT3N1M0)」が最優秀賞を受賞しました。撮影に対する創意工夫と画像のクオリティ、診断・治療にもたらす価値などが高く評価されました。
コンテストは、画像診断技術の発展と医療への貢献を目的にキヤノンメディカルシステムズが毎年開催しているもので、今年で27回目となります。

初期の脳梗塞を診断する際の処理技術を応用

CT、MRI、超音波を合わせた今回の総応募数は467件で、その中から1・2次審査を通過した49件が、12月15日にキヤノン本社(東京)で最終審査となるプレゼンテーションを行いました。登壇した本学の耳鼻咽喉科 日江井 裕介助教と放射線部 片方 明男主任は、舌癌をCTで撮影した受賞画像とMRI画像、さらに病理を100μmごとにスライス・染色した標本の計4点をスライドで比較。MRIでは不明瞭だった腫瘍の輪郭が、脳梗塞を診断する際の画像処理技術を応用したことで、CTでも病理標本と変わらない精細な画像の取得に成功したことをアピールしました。本学が最優秀賞に輝くのは、2010年以来、9年振り2回目のことです。

  • 左から放射線部 井田副部長、片方主任、キヤノンメディカルシステムズ株式会社 代表取締役社長 瀧口 登志夫氏

  • スライドを前に登壇する片方先生

臨床への活用に期待

舌癌は浸潤度が予後を左右するため、病巣の深達度を正確に計測できるかが重要であり、画像診断は一般的にCTよりもMRIが優先される傾向にあります。今回の受賞は、CTでも舌癌の深部浸潤が明瞭に抽出できる可能性を示唆したといえ、今後、臨床への活用が期待されています。
受賞を受け、日江井助教は、「舌が鮮明に撮影できたので、次は扁桃・咽頭・軟口蓋などの耳鼻咽喉科領域全般でも今回の画像診断技術を活用し、患者さんの治療に役立てていきたいです」と語り、片方主任は「耳鼻咽喉科・病理部・研究室の協力があってこその受賞です。今後も診療科と連携して研究を進め、さらなる画像診断技術の向上をめざしたいと思います」と意気込みました。

今回のコンテストに携わった、耳鼻咽喉科学、放射線部、放射線医学、病理診断科、病理部、共同利用研究設備サポートセンター、医療科学部 放射線学科のみなさん