本文へ移動

腸内細菌叢を利用した肝細胞がんのモニタリングと免疫療法反応予測につながる技術を発見

  • 消化器内科学
  • プレバイオティクス
世界的に患者数が増加している肝細胞がんは致死率の高いがんとして知られており、免疫療法(アテゾリズマブとベバシズマブ併用療法)は治療に欠かせない手段として注目されています。しかし、治療効果には個人差があり、どの患者が免疫療法に良好に反応するのかを事前に予測することが難しいことが課題でした。本学研究グループは、併用療法を受けた肝細胞がん患者22名と健康な人85名の腸内細菌を比較。肝細胞がん患者では乳酸菌Lactobacillusや虫歯菌の仲間Streptococcus属などが増加していることが分かりました。また、免疫療法が効いた人ではBacteroides coprocoraが多く、効かなかった人ではBacteroides stercorisが多いことが確認されました。このことは腸内細菌の変化が肝細胞がんの進行や治療効果に関連していると考えられ、本研究成果により、腸内細菌の分析結果から治療の効果を予測したり、腸内環境を整える「プレバイオティクス」を使った新しい治療法が期待されています。

研究者

医学部 消化器内科学、医科プレ・プロバイオティクス

廣岡芳樹 教授

医学部 消化器内科学、医科プレ・プロバイオティクス

栃尾巧 教授

et al.

FOLLOW US

公式SNSアカウント