膵臓や胆管、十二指腸などの腫瘍に対する手術治療である膵頭十二指腸切除術は、消化器官の構造が変わることで腸内細菌叢のバランスが変化し、脂肪肝の発症リスクが高まる可能性が指摘されていました。研究では、16SrRNAシーケンシングにより患者の腸内細菌叢を分析し、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)との関連性を評価。膵頭十二指腸切除術後は健常人と比較して腸内細菌叢の状態が悪化しており、特にBacteroides属やFirmicutesの減少が脂肪肝の発症と関連することが確認されました。本研究成果は、術後の代謝合併症リスクの軽減には腸内環境の改善が有効である可能性を示すもので、新たな治療戦略の基盤となることが期待されます。
今後は大規模な追跡研究やプレバイオティクスを活用した前向き研究を通じて、腸内細菌の改善がどの程度、脂肪肝リスクを軽減するかを検証していく計画です。
今後は大規模な追跡研究やプレバイオティクスを活用した前向き研究を通じて、腸内細菌の改善がどの程度、脂肪肝リスクを軽減するかを検証していく計画です。
研究者
医学部 総合消化器外科学
内田雄一郎 講師
医学部 総合消化器外科学
髙原武志 教授
医学部 総合消化器外科学
須田康一 教授
医学部 消化器内科学、医科プレ・プロバイオティクス
栃尾巧 教授
et al.


