多系統萎縮症(MSA)は、αシヌクレインの蓄積と神経炎症、とくにミクログリア活性化が病態に深く関与する神経変性疾患です。髄液中のミクログリア活性化マーカーsTREM2に着目し、MSA患者44人、パーキンソン病(PD)患者46人、進行性核上性麻痺/大脳皮質基底核症候群(PSP/CBS)患者34人、健常対照40人を比較解析しました。その結果、sTREM2はすべての疾患群で対照群より高値を示し、特にMSAが最も高い値を示しました。MSAではsTREM2は臨床重症度と強くは関連しませんでしたが、糖タンパク質GPNMBおよび軸索障害マーカーNfLと有意に関連しました。これらの結果から、髄液sTREM2が多系統萎縮症におけるミクログリア活性化を反映し、神経炎症や神経変性の進展に関与している可能性を示唆しています。
研究者
医学部 脳神経内科学
前田利樹 助授
医学部 脳神経内科学
渡辺宏久 教授
et al.


