本学と徳島大学、国立感染症研究所の研究グループは、薬剤耐性菌による尿路感染症の増加が問題となる中、日本で開発された抗菌薬フロモキセフに着目し、その有効性と安全性をセフメタゾールと比較しました。厚生労働省JANISの約100万件の臨床分離株データ解析では、両薬剤はESBL産生菌を含む大腸菌・肺炎桿菌に対して高い抗菌活性を示しました。さらに、全国規模の診療データベースを用いた5,469名の入院患者の治療成績を比較した結果、フロモキセフ投与群の入院期間は中央値4日と、セフメタゾール投与群の11日より大幅に短縮されました。また、副作用として重要な腎不全の発生率も、フロモキセフ投与群でより低いことが確認され、安全性においても優位性が示されました。一方、28日以内の死亡率には両群間で差はありませんでした。こうした結果から、フロモキセフは薬剤耐性菌が多い地域でも有効な治療選択肢となり、カルバペネム系抗菌薬の適正使用にも寄与すると期待されます。
研究者
感染症研究センター 感染症創薬研究部門
港雄介 准教授
et al.


